ガンプラじゃないガンダムの話
同世代じゃないと全く通じない独り言。
今日仕事の帰りに、スマホで「めぐりあい」を聞いて、なんだか当時のことがじんわりと思い出された。
と言っても、ぶっちゃけ記憶は断片的で、そこまで鮮明かつ具体的な記憶があるわけじゃない。ただ、
「ガンダム、スゲェ面白かったんだよな・・・」と。
ガンプラもガンダム以上に好きになってハマってたから、、、って言うより実際のアニメに対する愛着よりも遥かに長く親しんだことで、むしろアニメのガンダムに対する記憶が曖昧になってしまった感があるのだが、
好きで、面白かったからこそ、レコードを買ったんだよな、と。
僕が生まれて初めて買ったレコードは、やしきたかじんの「砂の十字架」である。劇場版ガンダムIの主題歌であり、今聞いても非常に渋い、大人のバラードソングだ。
正直小学生の男子が聞くには、あまりに大人びていて、プレーヤーから流れてきたこの曲を聴いた最初の印象は、
え?僕間違えた?
これホントの話。どこをどう聴いてもガンダムの要素ゼロ。辛うじてジャケットにアムロが書かれてたから、「たぶんガンダムだろう」くらいのもので、
少なくともテレビ版ガンダムの「とべ!ガンダム」とは比較しようにも、、、
グミと納豆を比べるようなもんで、全く別モンだった。
が、映画では普通に受け入れて聴いてた。
さして良い曲だとも思わずに、だけど。
同じ感じで、劇場版ガンダムの主題歌は、IIもIIIも、
映画が始まる前に発売された。つまり、映画を見る前に、曲を一切知る前に僕は買ってた。
今思えば凄い話。だって「その曲がどんな曲なのか知らないのにレコードを買う」んだもの。ただ、「ガンダムの映画の主題歌だ」というだけの理由で。
実際このたかじんの砂の十字架は、氏のナンバー1ヒットになり、どれほど僕らにとってガンダムが特別なものであったのか伺える。
しかし、IIの主題歌「哀・戦士」は全く違う温度での遭遇だった。
イントロからしてメロディアスで、一言で言って「かっこええ!」曲だった。
「ガンダム」というフレーズは一切ないが、これがガンダムの主題歌であることに一切の疑問もなく、映画が凄く楽しみになった。
実際の映画ではないが、プレステでガンダムのゲームが出た時、ジャブローでこの曲が流れたんだよね。
・・・震えたわ。
なんだか、もうゲームとか全然どうでもよくなって、聞き入って、ゲームオーバーになって、
、、、それ以来そのゲームやってないわ。
でも全然、それで大満足。それほど哀戦士は特別な曲で、自分の中の「好きな歌ナンバー1」に数十年君臨してた。聴いてかっこよくて、歌って気持ちよくて、思い出すだけで震える。そんな名曲がIIの主題歌だった。
そして、「めぐりあい」。
歌手がIIに引き続き井上大輔さんであること、そして物語も最高に盛り上がるソロモン~ア・バオア・クーのパート。当時はあまりにその部分が長すぎることや、本来なら50話前後まで続くはずの本編が、43話で打ち切りになったことなどを踏まえ、
全4部作になるんじゃないか、ソロモンはまるごと無かったことにされるんじゃないか
なんてことすら、僕らの中では話題に登ってた。
はやる気持ちを抑えつつ、豊橋にある精文館の横のレコードショップで買ってきて、母親の実家にあるプレーヤーに掛け、針を落とした。
・・・静かな曲、、、あ、え、、、っと、、、これってB面?(実話
あまりにも哀戦士を期待しすぎてた僕には、哀戦士のB面である「風にひとりで」と同じようなテイストの「めぐりあい」に、
動揺を隠しきれなかった(^^;
正直この曲から「III」に入ったと言うのは、今思うと「無理があった」と思う。あのドラマの最後を飾る、クライマックスを盛り上げる「パーツとしての主題歌」を、映像もセリフもなく、唐突にただそれ単体で接触したとしても、
何にも流れては来ない。
確かに世には、歌だけでグッと来る曲も多々ある。が、さすがに小学生にはまだ荷が重かった。結構ませてたとは思うが、これは無理だった。マセてたって言ってもモテたわけじゃないぞ!?<聞いてない。
しかし、、、
映画公開初日、始発電車で豊橋に向かい、朝一番の上映に十分間に合う時間に着いた「松竹 名画座」では、
既に一回目の上映のクライマックスにさしかかっていた。
あまりの人の多さに、上映時間を前倒しにし、朝の6時20分くらいから1回目の上映を開始していたのだ。
今じゃ考えられない話。
席も全て自由席で、立ち見どころか、「この階段超いい場所!」レベル。今は無き名画座は、二階席と一階席の段差があまりになく(2mくらい)、一回目の上映終了後の売店は、
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図。
念のために言うが、「一回目の上映終了時刻」とは、すなわち、本来一回目だったはずの上映開始時刻だ。その時間で、
既にいくつかの品は売り切れていた。
「ムーブメント」という言葉があるが、当時のガンダムはまさにそれだった。既に再放送で見ていたこともあり、
「今なら行ける!」
と上映中に、2階から1階へ飛び降りてパンフレットを買いに行ったのを覚えている。
ソロモンは無事にあり、「やらせはせん!」とドズル閣下も雄叫びを上げた。スレッガーは映画の方がよりかっこよすぎて、
てか、今思い出した!ガンダムが好きだったのは、スレッガーが好きだったからだ!
セリフの全てがかっこよく、仕草や行動にも「大人の男の色気」があった。何て言うか、
ブライトさん、相手が悪いよ
的な?
ミライさん、男見る目あるわ
的な。
カムランとスレッガーじゃ、100:0間違いなしだもんな~。でもって死んじゃったからもうマイナスになりようがないし。「ソラで無くしたら大変だ」の「ソラ」が「宇宙」って脳内変換してたのも、僕だけじゃなかっただろうな~。「めぐりあい宇宙」と書いて「めぐりあいそら」と読めるのは、スレッガーが居たからだと言っても過言じゃないと思うわ。
そんな思いで、彼の死に様に胸を打たれつつ、物語は最終局面に。富野監督は昔からこういう「ダイジェストのような切り貼り」が得意だったと何かで読んだが、実際の原画は、映画のために描き下ろされたものが多くて、っていうか、
映画のが遥かにかっこよくて、
何て言うか、シャアと池田秀一さんは、このIIIで永遠のイケメンになったと思う。何て言うか、そこまで僕の中のイケメンはV3風見四郎=宮内洋さんだったが、シャアに上書きされたというか、
かっこよかったんだよなぁホントに。
一挙手一投足、全てが完璧で、、、
書いていて、自分が「ガンプラじゃないガンダム」が凄く好きだったことが、改めて思い出されまくった。
ラスト、カツ、レツ、キッカに誘導され、爆発を抜け、みんなの待つランチへ向かうアムロのバックに流れる「めぐりあい」。
最高過ぎて、言葉がなかったわ。
何て言うか、初めて聴いたときに感じた良さを「0」とするなら、クライマックスで聴いたときは「100」。全く同じ曲だとは到底思えない、震えが全身を貫いて、
もう一回見たわ。
※当時の映画館は入れ替え制ではないので、見たければ朝イチからずっと居座り続けることが出来た。つまり、「席もほとんど空かなかった」
正直アムロはずっと好きじゃなかった。何つかかっこわるかったから。でもこのラストシーンのアムロはなんかかっこよくて、
※つまりは作画の力なんだけど
いろいろ受け入れたんだよな。
・・・
今劇場版ガンダムを見ても、そこまで楽しめない。特にモビルスーツ同士の戦いをかっこいいと受け入れられないし、あまりにも使い古されたフレーズや、古いアニメを感じさせるテンポの悪さに耐えられなかったりするから。
それでも当時の熱量は本当に爆発的で、それまで「ヤマトが日本のアニメの代表作」みたいな感じだったのを、一気に塗り替えた気がする。てか、冷静に考えても、ガンダムの話って、結構凝ってたんだよな。後発のZガンダムやエルガイムとかと比べてもだし、ヤマトや999と比べても。
全てが小学生男子にフックしなくても、その一部だけで十分引っ張り上げるだけのトルクがあったと思う。
自分はあまりオリジンにピンと来なかった。安彦先生の原画は大好きだけど、「漫画家安彦良和」の絵はイマイチ好きになりきれなかったから。
※氏の魅力の多くは、その色彩感覚にあると思うから
今じゃプラモも作ってないし、「青い瞳のキャスバル」だっけ?スピンオフも結局見てない。でもだからと言って、ガンダムが駄作だったなんてことは微塵も感じないし、今「めぐりあい」を聴いても、しっかり当時の記憶が呼びさまされ、感情が揺さぶられるんだよな。
当時のガンダムは、間違いなく★★★★★だったわ。
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コメント
私はエヴァ派なんですけど、ガンダム派の人に勧められ、初代を観て、ガンプラも結構ハマっちゃったタイプです\(◎o◎)/
曲も聴くとなんかこう哀しくなるような感じになります。
ニュータイプのチャララン♪みたいな電流っぽいのが走る表現が好きです笑
ドズル・ザビの死に際にかなり突っ込みを入れたくなるのは私だけでしょうか。中にいた方が安全だって!ビグザムで体当たりした方がまだマシでしょ!
娘は、お母さん似で良かったですね(#^.^#)
他のシリーズはあまり観ていないんですけど、機体が丸みを帯びているモビルスーツが好きです。ズゴックとかですね。
UCが大好きで、それに出てくるクシャトリヤが一番好きです。
クシャトリヤのガンプラ欲しいんですけど、かなり高いんですよね。
ネオジオングのガンプラ知ってますか?色々とえげつない仕様ですよね笑
投稿: レイオス | 2017年11月23日 (木) 15時11分
どもですレイオスさん、クリスです。まぁガンダムは時代の産物というか、エヴァ世代が見るとどうしても見劣りするところが多いですね。何て言うか、
ジェネレーションギャップ?的な
だから僕らが感じたのとは全く違うことをレイオスさんは感じたりするんだなって思いました。ドズルの死に様は、
僕らは全然突っ込みたくならなかったですし!<むしろイカス!って感じ
メカ目当てでガンダムを見た記憶があんましないのが本音ですが、ズゴックが好きなら「ポケットの中の戦争」はオススメ出来るかも。ハイゴッグもズゴックEもとてもかっこよかったから。てか僕もズゴック大好きですけど、どっちかというとアニメよりプラモのが好きって感じですね。
UCかっこいいMSがたくさん出ましたね。シナンジュは色塗らずに組んじゃいましたが、ホント久々に作りたくなったMSでした。てか、ネオジオングと聞いて、最初に、
僕買ったヤツは、、、ありゃSD(BB戦士)か!
って(^^;。1/144のは、デンドロビウムの系譜で、あんまかっこよくないですね。BB戦士のネオジオングはお手頃価格で相当カッコイイですよ。買ったけど作ってないですが(^^;。
投稿: クリス | 2017年11月25日 (土) 23時40分