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2017年11月24日 (金)

ワイルドスピードアイスブレイク

ポールが居なくなって、監督も知らない人だったから二の足を踏んでいたが、見たら、

 普通に超面白かった!

シリーズの大切な部分、ファミリー、カーアクション、CGと思えないリアリティ(ホントにやってる場合も多いシリーズだし)、派手なスタントに、魅力あるキャスト、、、正直「美女成分」「水着成分」が少なかったが、それ以上にニヤリと出来る笑いのエッセンスとかわい過ぎる「ベイビー※ネタバレ反転」によって、

 バランス十分。満足度激的アップ。

今回は主演のヴィン・ディーゼルと、これまでずっと一緒に戦ってきた仲間たちが敵対するストーリーで、正直「どこをどうすれば敵対するのか」と思ったけど、

 なるほどその手があったか!

という感じで、見ていてとてもしっくり。正直ここでこのカードが使われるとは思ってなかったので、良い意味で裏切られつつ、物語に一気に入って行けた。

ヒールはシャーリーズ・セロン。もう見るからに悪そうで、かつそれでいて使い古された感じがしない超美人のヒールは、本作の悪役に相応しく、かつ前作までどんどんシーンが増えていったドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムが美味しすぎる役で脇をガッチリ固めた。最初こそポールの抜けた穴に寂しさを禁じ得なかったが、終盤は既にそのことを忘れて見ていられた。

ポールと一緒にドムの妹&その子供も出番は無くなり、「一体どうなったんだろ」という気持ちも沸いて来たし、途中まで「CGでポールを作って出すのでは?」くらいのことをさえ思っていたが、シャーリーズ・セロンとステイサムの撮れ高が殊の外高く、かつ、

 いつものようなド派手すぎる、ってか毎回前回のアクションを超えようという意志が明確に感じられて、ほんと感服してしまう。

壊して壊して壊しまくり、高級車だろうと装甲車だろうと、何でもかんでも撮れ高のためならどんどん壊す。撮影には保険も付きものだろうから、見えないところでもっと多くの「代車」も使われていただろうし、

 これぞハリウッドの正しいお金の使い方だよなぁ

とシミジミ思った。でもってこういう映画がホントに自分が好きなんだな、とも。てか映画館行けばよかったとちょっと後悔するレベルの「ハイバジェット」な映像てんこ盛りだった。

新人では、パッと見クリス・エヴァンスのそっくりさんかと思えたスコット・イーストウッド。スーサイドスクワッドにも出ていたらしいが印象はない。なかなかイイ感じにカート・ラッセルの部下を演じていて、次回作にも安定して出てきそう。聞けばクリント・イーストウッドのご子息なんだとか。言われてみれば似てる気もする。

前作にも出ていたステイサムの弟役、ルーク・エヴァンスは、前作の印象は全く無かったが、ついこないだ見た「エマの美女と野獣」でガストンをやっていて、

 おお見たことある!もう忘れたけど!

って感じにニヤリ。てか、キャストはとことん豪華だった。ヘレン・ミレンの使い方も上手すぎだし、クリス・ヘムズワースの奥さんエルサ・パタキーも重要な役で再登場。これまでは、「ドムとブライアン」のワイルドスピードに、色づけするように脇役が出てきた感じだったけど、本作は、ドム(ヴィン・ディーゼル)、ホブス(ドウェイン・ジョンソン)、デッカード(ジェイソン・ステイサム)、サイファー(シャーリーズ・セロン)がとてもイイ感じにブレンドされて、見ていて飽きさせない工夫が随所に見られた。

正直言って一箇所だけ「え?ここ長くね?」と思ったのは、

 ホブスの娘が試合前にやったストンプ?ダンスシーン

あんなに尺はイランと思った。でもまぁ冗長だったのはそこだけでホッとしたけど。

クリス評価は★★★★。ちょっとおまけ気味かな、とも思うけど、ポールが居なくなってもここまでの作品に仕上げたゲイリー・グレイ監督は、今後要注目って感じだったな。

------------以下ネタバレ有り

と言っても言いたいことはひとつだけ。

 殺さなきゃならなかったかな~

確かにジャマというか、「フットワークが重くなる」感じは否めないけど、エルサは十分美人だし、「殺さないルート」も模索出来たんじゃないかな~ってちょっと思った。最後にミシェル・ロドリゲスと上手く収まる必要があったのもわかるにはわかるけども、、、。

あと、ステイサムのキャラがちと変わりすぎ。正直自分は記憶力がかなり劣化しているので、前作までの彼の悪さを克明に覚えてるわけじゃないのだけど、

 こんなに安易に和解出来るほどの関係だったかぁ!?

って感じ。仲間を何人か殺されてるわけだし、いくら愛しのベイビーの為とは言え、ちょっとだけ違和感があった。ただ、

 違和感以上に、満足感があったのも事実。

結局「ステイサムの変わり身のひどさ」をバッシングされるんじゃないか、という懸念の方が遥かに強くて、自分自身としては、全然「楽しめたからOK」って感じだったんだよね。もはや別人って感じだったもんな。

そう言う意味ではロック様が抑えめと言えば抑えめだったかも。プロレスっぽいシーンもあるにはあるけど、ある意味お約束程度で、ちょっと「本作ならでは」な魅力が弱かったかな、と。まぁこれだけ強烈な個性が一堂に会しているわけで、全員が全員目立たせるのは無理があるとも言えるけど。

同監督作品では、ストレイト・アウタ・コンプトンというヒップホップグループを題材にした伝記的作品があったが、DTVでは現在有料で、かつ点数も4.6とかなり高かったので、今度何か借りに行くときに覚えてたら借りてこようと思った。2015年の作品なら旧作になってるだろうし。

しかしワイルドスピードもここまでの大作になるとは思いも寄らなかったな。一作目を見た時は、「60セカンズ」とか「ステルス」くらいの、「自分は好きだけど続編はないな」って感じだったのに、これでもう8作目だもんな。
※中には酷すぎる「3」とかもあるけど

何だかんだ言って歴史って重いし強いよな。

監督のコメンタリーがあるみたいなので、今から見る予定。

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