古いゲームハード
僕は今47歳。ザックリとした記憶では、中1くらいにファミコンが発売され、二十歳前後のひとり暮らし真っ直中で、ネオジオ、メガドライブ(CDロム)、PCエンジン(CDロム)とスーファミをエンジョイ。結婚して26歳くらいでプレステ、セガサターン、64から、パソコンも、当時はDOS-V機と言われてたけど、その辺に移行。ちなみにそれまではNECのPC9821ユーザーだった。
僕の生まれた1970年にはまだコンピューターゲームというものは何一つ存在していなかった。小学校に上がる前にポンと呼ばれるボリュームコントローラーを使って右と左で玉を打ち合う、テニスゲームの一種がリリースされ、喫茶店などのロケーションを中心に、徐々にその進化を遂げていく。ちなみにインベーダーゲーム、およびブームは強烈なものと思われているが、僕の年齢だとほんの少しズレていたりする。当然生まれていたが、子供心にそこまで魅力的には映らなかったように思う。
小学生時代は、とにかく「ゲーム=不良の象徴」という感じで、近所のゲームセンターは愚か、食品スーパーにあるゲームコーナーでさえ立ち入り禁止だった。お祭りの夜こっそり「ルパン三世」を遊んでいる時に「ガッ」と担任に肩を掴まれたのもいい思い出だ。
中学時代はファミコンブームが大爆発。クラスメートと連日スコアの競い合いをしたり、次に買うソフトの話題で持ちきりだった。ゲームセンターからは「遊べない」という理由で足が遠のいたが、Beepや創刊されたばかりのファミリーコンピューターマガジン、ログインやベーシックマガジンのアーケードゲームのページを開いては、
いつかはファミコンに!?
※もしくはセガマークIIIに!?
と夢を馳せていた。
そんな中登場したPCエンジンのインパクトは、それはそれは凄まじく、つっても「The功夫」やカトケンなんかは、一切どうでもよく、ハートをガッチリ掴んだのは、
R-TYPE。
それがたとえ前半の面だけだとしても、あのきらびやかなグラフィックは、ファミコンから一線を画していて、アーケード登場時に「これが移植されたらマークIIIを買う!」と決心したスペースハリヤー、、、の移植なんかとは、文字通り次元が違っていた。
まだそれほど自由になるお金もなかったから、実際にPCエンジンを手に入れるのは、R-TYPEの後編発売と同時になったが、今でもそしてこれからもきっと、当時の僕の「プレイ回数」は超えられないだろうってくらい遊んだ。
もし1回100円だったら、二日で「本体込み」元を取ったことになるな
ってくらい遊んだから。てかそのくらい難しかったし、死にまくるゲームだったってのもあるけど。そもそも「前半持ってない状態でいきなり後半から」だったし。
そんな過去を持っていると、いくら新しいハードが発売されようと、過去のゲームを常に遊べる状況にしてないと死んじゃう体になったりする。ピーク時我が家には3台のゲームセレクターがあり、全てコンセントに接続済み。ボタン操作だけで、数多くのゲームが動かせる体制を整えていた。
時は流れ、世間がプレステ2の話題に持ちきりになる頃には、さすがに僕も過去のゲーム機からは距離を置くようになっていた。たまに遊びたい時に接続する感じで、それも徐々におっくうになっていき、PS2、ドリームキャスト、ゲームキューブ時代は、ほぼほぼ最新ゲーム機でしか遊ばなくなっていた。
テレビでは。
しかし、(今では足を洗っているが)当時パソコンで動かすエミュレーターの存在を知る。何がきっかけだったのかはもう思い出せないが、まだパソコン通信の速度が2400BPS、、、1秒間に2.4キロバイトの転送速度だった時代。ちなみにこの速度で標準的なMP3の曲を一曲ダウンロードするには、
27分掛かる計算になる。
が、実際は「これがMAX値」で大幅に減額されるので、、、っていうか当時は音楽ダウンロードなんてものは存在しなかったわけで、とにもかくにも何かをダウンロードするのは時間の掛かる時代だったという話。
程なくして速度は向上していくが、ISDNを持ってしてもせいぜい128000bpsつまり、128kbpsであり、0.128Mbpsの速度だった。もちろん実際はそこから大幅に減額され、かつ僕の地域では128000ではなく64000しかサービスが運用されてなかったので、せいぜい40kbps。
そんな頃にエミュレーターに出会っても、遊べるソフトは当然サイズのかなり小さなものばかりということになる。
つまり、僕がゲーム禁止だった小学生の頃のタイトルたち。
だがしかし、それらは抑圧され、羨望し、渇望していたものたちだった。
情報や知識はグレーを通り越して真っ黒だったから、調べようにも調べられない状況。今でこそ「ググれカス」なんて言葉があるけど、当時はまだインターネット黎明期で、トップページもヤフーだった。
しかし、時間を掛け情熱でその壁を乗り越えていくと、それまで相当な数のゲームを買っていた僕が、一切触れることも見ることも出来なかった、文字通り激レアなタイトルを、ほぼ当時と同じ、、、いや、モニターの大きさや接続方式を考えたら当時以上のグラフィックで遊ぶことが出来るようになっていった。
「恋のホットロック」のタイトル画面を見たときは、ちょっと涙ぐんでたと思う。
家庭用のエミュに関しても、95%が既に持っているゲームばかりだったが、当時押し入れにしまいこんで実働も危ぶまれたものたちが、普通にPCで、それこそボタン一発どころかマウス1クリックで起動出来る様になった。実際にエミュを使って実機並に遊んだタイトルはそれほど多くなかったと思うが、
思い出とのミッシングリンクが繋がる感じに胸が熱くなった。
さらに時が流れ、PS3や360の時代になると、ゲームに割く時間のバランスが以前とは変わってきた。具体的にどう変わったのかを言葉にするのは難しいのだが、、、
・クリアにこだわらなくなった
・つまらないゲームはすぐに遊ぶのを止めるようになった
・一度クリアしたゲームはほぼ遊ばなくなった
・そもそも遊びたいゲームの数その物が激減した
これが老化、これが大人になるということなのかも知れないが、
ってかそんな人間が今ここまでゲームで遊んでないとは思うが、
一気に過去のゲームとの別離が訪れた。確かに今でもたまに、ごくごくたまに昔のゲームを遊びたくなることもあるが、「どうせ今遊んでもそこまで楽しめないだろうし」と、嗜好の変化を理由に自分を言いくるめてしまう。実際に遊ぶと殊の外面白いケースも少なくないのだが。
※ドラクエIとか初代ゼルダとか。傑作は今でも傑作なタイトル。もちろん全部じゃない。
で、※ここから本題
僕が今遊べるゲーム機は、実質、スイッチ、PS4、Vita、3DS、あと辛うじて360と、PCゲームだけである。探せばDSもPSPも出て来るだろうし、接続さえすればWiiUもWiiもゲームキューブも遊べるだろうが、たぶんもう今の僕は面倒でそれをすることが出来ない体になってしまっている。てか当時だって接続するのが面倒だからセレクターをガンガン繋いでたんだから、ある意味その感覚は当然とも言えるけど。
そこで思うのは、
もう遊ばなくなったPSPとかって、今小学4年の甥っ子が貰って嬉しいもんなのかな、と。
甥っ子、つまり僕の妹の息子は、3DSは持っている。あとWiiも買って貰って持っているが、ぶっちゃけWiiをそれほど遊んだという話は聞かない。3DSではポケモンや妖怪ウォッチを中心に遊んで居たようだが、
※モンハンはやってなかったみたい
まぁそこまでゲームが好きというわけでもないのが、今時の小学生なのかも知れない。
そう言う子たちにとって「過去のハード」ってどういう風に映ってるんだろうか。
若い頃の自分にとっての一世代前のハードなんて、「最新ハードの誤差」くらいに現役だった。中古ゲーム屋を回って、常に何十本とある脳内チェックリストと価格を照らし合わせていた。てか22歳くらいの頃がピークだったと思うけど、
たぶん週に20件近いゲームショップを巡回してた気がする。田舎なのに。
※半径50kmくらいのエリアだから相当だ
でも、今はそもそもゲームショップそのものが激減しているし、子供の小遣いで買えるようなゲームにワクワクやドキドキは求められないのが実情という気がする。まぁ古いモンハンとかなら数百円で買えるだろうけど、当時の自分なら発売日に買ってただろう。
今の子たちは、、、今の20代くらいの子たちは、自分が小学生中学生くらいの頃のゲームをどう思ってるんだろうか。
ハードの故障や、接続方式の変化で、もう遊べなくなってる人も少なくないと思う。テレビを買い換えるにしても、HDMI以外に何の端子が付いてるのか、想像するだけでちょっと怖くなる。
※まぁ遊ばないと開き直れればいいのだけど
アーキテクチャはどんどん進化・変容していくから、PS2世代のゲーム機はそろそろテレビに繋がらなくなってきてるのではないか。D端子とかAVマルチ端子、S端子なんて、知らない人も多いだろう。
まぁHDMIがディファクトスタンダードになったのは、ある意味歓迎だけど。
※ただ、端子の安定性的にはUSB同様不安定で、S端子とかと比べて不具合が異常に多いんだけどな
昔遊んだゲームが遊べなくなるのって、辛くない?自分は凄く辛かったから、むちゃくちゃ抗いまくった挙げ句にエミュにまで手を出しちゃったんだけど、、、。
こないだソシャゲはサービス終了で一切遊べなくなるって話を書いたけど、それって普通の据え置き型ゲーム機でも同じなのかも知れないなってちょっと思った。てかそう思うと、WiiU、スイッチを含む携帯ゲーム機は、モニターという縛りがない分寿命が長いとも思うけど、まぁ言ってもしばらーーーく遊んでないとボタン関連が「逝っちゃってる」ことも有るんだけどさ。固まってたりベトベトになっててビックリしたことがあるのは、僕だけじゃないと思う。
昨日ふと「ローグギャラクシー」というゲームのことを思い出した。レベルファイブのPS2タイトルで、死ぬほど楽しんでプレイしていたが、途中にある凶悪なダンジョンで心を折られ、
※耐性持ちの敵が頻出するので、戦闘のたびに装備を替えなければ行けない上に、広さがFF12のラストダンジョンの倍くらいあるというグラディウスタワー。リメイク版では大幅に改善されたと聞くが。
ああ、もうあれを遊ぶことってないんだろうな、と。
我が家のPS2は一応まだ電源が入る状態で接続もされている、、、はずだが、ここ2、3年起動した記憶がない。ローグギャラクシーはゲームアーカイブにもあるが、「PS3限定」で、現時点ではPS4上で遊ぶことは出来ない。
今の子にとってそう言うゲームってないのかな。あと未練もないのかしら。
もちろん中古ゲーム機を探せば、ネットでもハードオフでもブックオフでもそれなりには売っている。耐久性はともかく購入時は稼働するだろうし、接続先のテレビさえキープしていれば遊ぶことは出来るだろう。
でもなんだろ、全然そう言う気にならない。
僕は以前ヤフオクで、ソフト10本付きのセガサターンを100円くらいで落札した記憶があるが、
※10本の中の1本が欲しかったが為
結局そのセガサターンおよび10本のソフトは、一度も起動せずに押し入れの中に消えた。
結局そんなもんなのである。歳を取るということは、いろんな物への興味が希薄化してしまうのである。
なんか、若い子はそうじゃないといいなって思った。PS2やPS1のゲームを見せて、
「懐かしい!やらせて!」
と言って欲しいなって。ジジイの戯れ言なのかも知れないんだけどさ。
てか、世代によってはポリゴンの方がドット絵より懐かしく感じたりするのかね。プレステから入って、モンストとかのドット絵が現状って人も居るでしょ。まぁ確かに初期のソリッドなポリゴンは郷愁を誘うと言えば誘うかもだけど・・・。
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