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2018年3月28日 (水)

斉木楠雄のψ難

ネットフリックスでバナーを物色。何となく「触れる」感じだったので見始めたら、

 まんまと大当たり
※クリスの言う「大当たり」には個人差があり過ぎます。ご注意下さい。

ジャンプ連載中?のまんが原作で、主人公はかなりハイレベルな
※その気になれば人類を三日で絶滅させられるほど&もしもボックス的な「ルール変更」すら出来る
超能力者。

 そもそも僕は超能力者が大好きなのだが、

それ以上に「嫌なヤツが嫌い」だったりする。本作の彼、および彼の周りの連中は、

 全くもって嫌なヤツが居ない!

もう感動的なレベルで、何というか、

 マンガとはこうありたい

そう思うレベル。一見不良でも中身はただのバカだったり、でも純粋なので意外とイイヤツだったり、ただの中二病だったり、学校一の美少女は常にオーラを纏っていて、

 主人公にどんどん惹かれていく設定とか、、、マジ最高。

主人公斉木は当然のように相手、、というか半径200m以内の人の心が、

 否応なく聞こえてしまうので、
※ちなみにこの距離はあくまで制御装置を付けた状態。外すと遙か彼方の声も拾うことが、、、うるさくてそれどころじゃないらしいけど

美少女=照橋さんが、心の中で結構ひどいことを考えていることなども、完璧お見通し。つか「ひどいこと」と言っても、

 B型H系の山田が考えてることと同レベルだけど。
※「私のような美少女が話しかけてあげるんだから感謝しなさい」的なヤツ

まぁ個々のキャラクターもとても生き生きとしていて、主人公は非常にクールかつ有能。嫌なヤツが居ないだけでなく、バカなヤツも
※前述のバカは、バカはバカだけど「イイバカ」。愚か者ではない。「ナチュラルバカ」「天性のバカ」「バカを才能として開花させすぎてるバカ王」という感じなので、

 ケツアゴ以外は全然問題ない。重度のケツアゴだけは、、、生理的に受け付けられないが。てか、「あれはもはやケツアゴじゃない、アゴにケツが付いているんだ!」って感じだが。

ただ、それだけなら僕もそこまで本作に入れ込んだりはしなかっただろう。本作の魅力はまだまだそんなものじゃない。というか、

 クリス今更何言ってんの?

って感じなのかも知れないが、

 僕には「今ブーム」なのだから仕方ない。

てか、本作は現在進行形で最新話が配信中で、そこまで古い作品でもないのだが。
※ファーストシーズン24話と、セカンドシーズン20話くらい?

一日目にファーストシーズンを全て見尽くして、「終わっちゃったな、、、」と思ったらそのままセカンドにバトンタッチしたときの嬉しさは、

 おっふ

って感じだったわ。
※「おっふ」とは、この世界での感嘆詞。詳しくは見て貰えると、、てか今すぐ見ろ。オモシレーから。

主人公の声を神谷浩史が演じていることは、

 第一声でモロバレ。てかアララギコヨミそのまま過ぎて、

 入り口のハードルゼロ。

展開も彼の独白(ほとんどしゃべり通し)で、かつ非常に早口。場面展開も異常に早く、かつ、1話がとても短い。
※30分番組の中に4話くらい入ってる
とにかくサクサク進む高密度かつハイテンポなトーク量が、

 僕のハートにジャストミートォォォォ!!!

※劇中にあるわけじゃないよ?念のため

でも一方で、アニメの作画そのものは非常に手抜きというか、ローコストというか、

 ほとんど動いてない。
※事実主人公は一切口を動かさずにしゃべっている

絵だけではこの作品の魅力は「一切」伝わらないだろう。つか、

 絵の魅力という点で言えば、ぶっちゃけゼロかも知れない。

でもそれをテンポとトークが完全補完。結果非常に満足度の高い、大好きな作品に仕上がった。てか、

 ぶっちゃけ神谷浩史がひとりで★★★を稼ぎ、その他諸々でトータル★★★★の作品になってる感じだ。

早口なのは斉木だけでなく周りの連中も同様で、「1秒長い」どころか、「あと3秒この続きを見せてくれ!」という場面の多いこと多いこと。特にラブコメ濃度の高い回などは、

 そ、それでおしまい?えええーーーーもうちょっと見たいんですけどぉぉぉ!!

そのジラし具合も素晴らしい。何というか、「GANTZ:O」みたいな絵が全てを超えて評価に直結する作品もあれば、

 絵以外でここまで評価を高めることが出来る作品もあるのだなぁ

という感じ。てか、今からなら原作を読んでも「声を脳内補完」出来るだろうから、十分楽しめそうではあるけど、

 まずはアニメを最後まで楽しんでからかな、

という感じ。

たまーに見せる感動エピソードも悪くないし、ママがかわいいところも高評価。つか作品の作りが、エンディングとオープニングを飛ばしながら見ることが出来るネットフリックスにとてもフィットしていて、「一気見」がめちゃしやすい。

個人的には、出て来る女の子が次々と主人公のことを好きになってしまう、ハーレム展開が好みではあるが、本作はそうじゃなくても十分「間が持つ」。とにかくテンポが凄まじく良いことが、全てのパーツの良さをより高めていると思う。

ただ、一方でテンポが良い、密度を上げることは、そのままコストに跳ね返りやすいということでもある。それだけセリフもカットも増えるし、考えなければならないことが増えていくから。

 それを絵をローコストにすることで帳尻併せしてるのが面白い。

気が抜けた絵はホント「いつのアニメだよ?」ってくらいの抜け方で、手抜きもいいとこ。でもそう感じないだけの勢いの色づけで、傑作に仕上げている。これは原作者の笑いのセンスのタマモノなのだろうけど、

 「普通に面白い」ことも重要だ。

見ていて「笑える」というのは、とても価値がある。そこで気付く。

 笑えてテンポが良ければ、絵とかどうでもいいんだな、と。

そこがこの作品の新しさなんだな、と。

庵野作品に限らず、日本のオタク向けアニメは高密度高精細神作画のベクトルを伸ばしてきたように思う。化物語のようにハイセンスな演出で新境地を切り拓いたケースもあるが、基本は「手数を増やしてクオリティを上げる」流れだった。

 でもそうじゃないんだな、と。

面白さに必ずしも手数は必要ないんだな、と。CGも高額な撮影機材も樋口真嗣の絵コンテも要らない。

 トリュフもキャビアも山芋を練り込んだ麺も要らない。

市販の3パック100円の焼きそばでも、最後に「美味しい」と言わせれば、それが正解なのだ。

・・・僕は安くて美味しい物が好きだ。

僕が「斉木楠雄のψ難」を高評価するのは、むしろ当然のことだったのだ。

ただ唯一残念なのは、これが青年誌ではなく、少年誌のギャグマンガであることか。

 照橋さんと斉木は絶対に一緒にはならないからな。

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