エロマンガ先生
ファンタジーだ。
ズバリこれはファンタジー。現実とはほど遠い、妄想と空想の世界。
だがそれがイイ。
「最高の恋人とは、血の繋がらない妹だ」とは、あだち充の名言だが、まさにこれは現代の「みゆき」。血の繋がらない妹との2人暮らしを、今風にアレンジして面白おかしく仕上げた物。
やっぱラブコメは最高だ。
2017年全13話のアニメをネットフリックスにて。原作はライトノベルで、内容もライトノベルを題材にしている。ただ、さすがだな、あざといなと思うのは、
タイトルがいかにもエロそう、つまりキャッチーである点。
※思わず見て見たくなる
そして、
キャラデザイン、作画に心血注がれている点。
こないだのメイドラゴンも悪くはなかったが、本作の女性作画はその比ではない。というか、
エロゲーでもこのレベルはなかなかないだろ
というほど丁寧で、完成度が高い。「好みの女性であるか否か」を問われたら、正直答えに窮するが、
ファンタジーとして楽しむ分には、非常に好みだ。
僕はあまりアニメに詳しい方じゃなかったけど、つたない記憶を頼りにこの「女の子の顔」がどこかで見たことがあるような、、、と、今し方ウィキペを叩いたら、
案の定「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」を作ったスタジオだった。
※監督は違う
やっぱイイ作品はいきなりは生まれにくいな、とも思いつつ、とにかく設定が、
ガチでハーレム系エロゲーのソレである。
次から次へと出て来る女の子が残らず主人公の男の子のことを大好きになってしまう。
それでヨシ
その中でも特に同居している血の繋がらないイモト、、、じゃねぇイモトと妹は大違いだ。妹が、
一番かわいく、そしてツンデレ。てかヒロインは概ねツンデレ。
もう全てが売れ線とマーチャンダイジングの塊のような作品で、見ていても「狙ってる」「あざとい」「ズルい」と言うネガティブな感想が湧いてくる、、、が、同時に、
だがそれがイイ!
と思う自分も居る。その中でも特に「いいね」を高速連打したのは、
キャラクターがほほを染める頻度が異常に高い。
主人公もそうだが、ヒロイン全員がかなり高頻度でガンガンほほを染める。つまり、照れている。自分の心を見透かされて、テレまくっている!
いいねいいねとてもいいね!
「エロマンガ先生」というタイトルほどにエロくはないが、むしろこの作品に下品なエロは不要だ。てか、「辻堂さん」もそうだったけど、別にエロゲーだからってエロが要るかと言えば、僕はそうは思わない。無いと商品として成立しないから折り込まれているだけで、本当の魅力はエロとは別のところにある。
この作品もそう。
エロはエッセンスではあるが、メインではない。少しでも売る為、少しでも多くの人の目に止まるために作者が選んだ手段であり、目的はその内側にある「ラブコメの王道」。笑ってキュン死する、ある意味ステロタイプな展開こそが、
本作のテーマであり、魅力。
主人公のルックスもそこそこかっこよく、かつ性格が「ニブいけど気配りが出来る」というゲームの主人公として、これ以上ないくらい普通。
でもそれがイイ!
安心、安定の任天堂クオリティ。いや任天堂は関わってないが。
斉木楠雄のようなギャグのキレはないし、テンポもあそこまで高速回転ではないが、テンポは淀みなく、作画に破綻がなく、毎回キッチリ見せ場があり、ちょっとずつ距離感が近づいていく主人公とヒロイン。
素晴らしい!
あと、地味に主題歌も悪くない。てか誰かと思ったら、偽物語の主題歌「ナイショの話」を歌ってたCrariS!毎回つい聴いてしまう。
まだ8話くらいまでしか見てないけど、
あまりに良かったのでまた最初から見直してる状況。
このまま一気に見終えちゃうのがもったいないんだもの<どんだけ好きなんだよ。
「初恋限定」「みゆき」「おじょじょじょ」「異能バトルは日常系の中で」など、王道のラブコメが好きな人には普通にオススメ。クリス評価は、現時点で★★★。本音はもう1点加算したいところだけど、あまりにもあざとすぎるかな、と。好きは好きなんだけど、なんかオタクの財布を直撃しようとしてる「ニオイ」がキツ過ぎて、
なんか目をギラつかせてる感じ?
足元見てる感じ?
もう一つ「ならでは」なところが欲しかった気がするんだよな。いや、まぁならではっちゃならではなプロットなんだけど、あまりにも「いいとこ取り過ぎる」みたいな。上手く言えないけど。とりあえず気になった人は見て欲しいかな。
追記
ふと気付けば主人公への呼び方が、それぞれに違う。「兄(にい)さん」「お兄さん」「マサムネ」「ムネくん」「和泉先生」「マサムネ先生」、、、
つまりラジオドラマも視野に入れたチューニングか。
ラジオドラマの場合は見た目がわからない分、固有名詞に差を付けておかないとキャラが見えにくい。
・・・やっぱさすがだな、と。
つかこれは1stシーズンとネットフリックスでは称されていたが、原作ノベルは昨年6月の刊行以来止まっており、物語が完結している=1stで終了する可能性が高い。つまり、
安心して見ることが出来る。
やっぱりラブコメの王道は、結末もハッピーエンドでありたいと思うし、お互いがお互いの気持ちに気付くところをクライマックスとして欲しい。
現時点ではどうなるかわからないけど、ゆっくりとリプレイを繰り返しつつ、最後まで楽しみたいと思う。
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追記1
書き忘れてたことだけど、本作の作画で僕がもっとも惹かれたのは、
指。
素晴らしい。魂が宿ってる指が描かれる作品は、実はそれほど多くない。僕は決して指フェチではないが、本作の指作画のクオリティは、
世界トップレベル
だと思う。
追記2
最後まで見終えてしまった。てか12話完結で、
10話までは既に2回通り見たあと、11話12話を視聴。
どんだけ好きなんだよって話だが、本当に好きなら、そう言う見方や「読み方」をするのは至って普通だと思う。てかみんなも中学生くらいの頃、好きな漫画を何度も繰り返し読んだ経験はあると思うし。
11話、マジ良かった。クリス評価を★★★★に上げる。
12話、楽しくて笑える回だったけど、個人的には原作のように最後まで描ききって欲しかった。残念。
僕は「あの花」を見たことがない。なぜならあれは「暗そう」だから。僕は明るく爽やかなラブコメが大好きなのだ。
本作はまさにその僕の好みにガッチリかみ合った傑作だったよ!
・・・ちなみに、ではなぜ満点じゃないかと言えば、
満点とか9点は、「好みに合ってる程度」では付かないから。
叫び声を上げたり、号泣して倒れ込んだり、思わず立ち上がって拍手をするレベルでなければ、僕は満点を付けないのだ。
なので、もし今回のネタで興味が沸いて、これから見てみようという人も、
そこまで過度な期待はしないで欲しい。
でも「指」だけは注視して欲しいかな。
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