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2018年4月29日 (日)

パソコンゲームのことを、、

たまに思い出す。みんなも昔ハマってて、今完全に死滅しているコンテンツを懐かしく思い出すことがあると思うけど。

パソコンゲームとは、文字通りパソコンで遊ぶゲームである。現在はSteamなどのネット配信が主体で、パッケージと言えばコミケなどで売られる同人ゲーくらいしか思い当たるものがないが、昔、、、年式で言えば1987年頃がピークだったと思うけど、

 家電店で普通に売ってた。

知ってる人は当然知ってると思うけど、知らない人は全然知らないかも知れない話を今日はしてまいります。

 パソコンゲームとは、どういう状態で売られていたのでしょう?

今の感覚だと、CDやDVDの様な、単行本くらいの大きさをイメージされる人が多い気がするけど、

 全く違います。

もちろん時代によっていろいろ形態のトレンドは変わるけど、日本のパソコンゲームが最も活気があった頃は、

 少年ジャンプくらいのかなり丈夫なケースに、フロッピーディスクというぺらぺらな磁気メディア(大きさは12cmくらい)が1、2枚。
※作品によっては後々ガッツリ増えていく

ちなみにフロッピー1枚の容量は720キロバイト。CDと同じくフルに容量が使えるわけじゃないから、実質650キロバイトくらいか。この数字は、ファミコンのカセットで言えば5メガビットくらいに相当し、CD一枚の1000分の1ほど。二層式DVDの15000分の1、ブルーレイの4万分の1くらい。
※計算違ってたらゴメン

それをパソコンに刺して、読み込ませてゲームをする。

読み込み速度は作品によってかなり違うけど、データ量自体がそこまで大きくないので、昨今のロード長めの作品と比べると、そこそこ短め。

当時の(エロじゃない)パソコンゲームの特徴は、そんなメディアと共に、結構豪華な説明書が付いていた作品も多かった。特に、パソコンゲームメーカーとして名を馳せ、今現在でもゲームメーカーとして現存している、ほぼ唯一の「日本ファルコム」などは、今で言えば「限定版」になるレベルの豪華な設定資料集や、音楽CDが付いていたり、

 コピーされない「実物を買いたくなるための施策」がいろいろ為されてた。

パソコンゲームのフロッピーはコピーが容易で、コピーガードとそれを外すためのパッチファイルのいたちごっこだったりもした。ここはかなり黒い話になるけど、インターネットとかのない時代は「ファイラー」と呼ばれるパッチファイルを集めたソフトも流通してたんだよね。

・・・

パソコンゲームのゲーム的な特徴を一言で言えば、

 当時のファミコンよりも解像度が細かく、データが保存可能で、「コントローラがない」、「数字や文字の入力に長けていた」などが挙げられる。

特に解像度の細かさは、モニターとの接続形式の影響もあって、

 当時アンテナ経由で接続し、ボヤけまくってたファミコンとは、一線を画すシャープで見やすい画面。

故にかなり小さい文字や漢字表記も多く、
※これは時代にも寄るけど

 「大人のゲーム」
※エロはエロであったけど、そう言う意味ではなく

という感じだった。

ジャンルは信長の野望のようなシミュレーションや、ウィザードリィのようなRPGなど、アクション要素が低めなタイトルが多かったが、中にはスペースハリヤーやグラディウスなどに「果敢すぎる挑戦」をしてたものもあった。つか読者諸氏には、このスペハリがどういうモノだったのか、たぶんイメージとは著しい乖離があることを期待してしまうのだが、、、

例えば、「モンスターハンターワールド」の画面を「ファミコンで表示させようとしたら」どうなるか。「2Dにアレンジする」のではなく、あの3Dを、1キャラクタあたり3色しか使えず、画面内の横一列に24ドットしか表示出来ないあのファミコンで再現しようとしたら、、、

 モンスターは単色で、背景として描かれるだろうし、自分のキャラは、たぶん武器の部分しか描かれない。

背景として描かれたモンスターは、数種類の「絵」をコマ送りのように切り替えながら表示されるだろうし、、、

 全てに無理がある。

 PC88版のスペハリってそんな感じ。

画面いっぱいに出てたドラゴンは、「クッパ」くらいの大きさだったり。

一方で、今でもシリーズが続いている前述の信長やYS(イース)みたいな作品が生まれたりもしたし、

 パソコンでしか出来なかったゲームも多い。

今でこそ自分が遊べない「遊ばない」ゲームも多いけど、当時は、出来たら「全てのゲームを遊びたい」って思ってたんだよね。特に話題作や、新しい技術が入った物とか。音楽に関しては、今でもファミコンミュージックに価値があるように、パソコンゲーム時代の「6音」で奏でられた名曲も多かった。キラキラしたFM音源は、ファミコンのビープ音に毛が生えたようなPSG音源や、スーファミ以降、CDメディア以降のPCM音源とは違う、「豪華なゲーム音楽」の良さがあった。たぶん一番有名なのはグラディウスの曲だと思うけど、個人的には一番好きなゲーム音源はFM音源だと言ってはばからないくらい好きだな。

オリジナリティのあるジャンルとして、「リアルタイムアドベンチャー」が思い出深い。

いわゆるアドベンチャーゲームと言えば、止め絵の背景でコマンドを選んで進めていくのだけど、パッと見は「やや俯瞰サイドビュー」の「劇」みたいな見た目で、自分でキャラクターを動かして、マップ内の謎(つまりフラグ)をクリアしていく。家庭用では、ゲームボーイの「カエルの為に鐘は鳴る」が近い。

リグラス、うっでぃぽこ、アッシュ、そしてリバイバー。タイトル言われても全然知らない人がほとんどだと思うけど、
※「うっでぃぽこ」はファミコンにも移植されたし、アッシュは「エナジー」という名前でPCエンジンに移植されたりしたけど、中身はなんか違ってたな

その頃には既に初代ゼルダもリンクの冒険も出ていたのだけど、あそこまでアクション性が高くなく、逆にストーリーの濃度が濃い。音楽も素晴らしく、その「遊んだことがないプレイフィール」にメチャ魅了された。

結局最後の方で謎に詰まってしまって、メーカーに直接電話して答えを教えて貰ったのもいい想い出。今は亡き「アルシスソフト」・・・。

パソコンメーカーは、前述したようによほどの大手でも(日本ファルコムを除いて)現存してない。T&Eソフトもそのひとつ。プレステでも「ブレイズ&ブレイド」というかなり奥深く面白い、でもロード時間がクソ長いアクションRPGをリリースしてたのだけど、パソコン時代は何と言っても「ハイドライドシリーズ」が有名。

黄緑と水色、そして白、、、思い出されるあの爽やかなコントラストが記憶に残ってる人も多いと思うし、ファミコンに移植されたり、「3Dポリゴン版」が作られたりもしたけど、個人的に強く想い出に残ってるのは「II」。

マップはかなり狭く、戦闘もシンプルに敵にぶつかっていくタイプ。それでもその狭いマップには謎解きがちりばめられ、メリハリのある場面展開と、美しいドットワークで、かなり長期にわたって売れてた。つか当時はファルコムの「ザナドゥ」というアクションRPGが1年以上に渡って一位の座に君臨していたのだけど、

 ハイドライドのが圧倒的に見た目が良かったんだよな。

まぁゲーム性はザナドゥの方が深かったけど。ちなみにザナドゥは、ハイドライドと対照的に広大な2Dサイドビューの、ある意味メトロイドのようなマップで、敵と触れると一画面の俯瞰視点に変わって戦闘。10階層は絶妙に繋がりあい、敵は倒すと復活せず、かつ持っている装備は、戦えば戦うほど強くなる。つまり、弱い武器で敵を全滅させてしまうと、最強の武器を鍛えることが出来なくなってしまうので、少しでも早く最強クラスの武器を手に入れなければならないという、「詰め将棋」のようなシステムだった。

 遊んだときは、「何てスゲェゲームなんだ!」と感嘆したのだけど、

残念ながら、ファミコンに移植された「ファザナドゥ」、PCエンジンの「風の伝説ザナドゥ」、近年リリースされたPC版の「ザナドゥネクスト」などは、全て初代の奥深さが一切ない「全く別のゲーム」になってた。ちなみにファミコン版「ドラゴンスレイヤーIV」は、そのザナドゥの系譜で、かなり奥深い傑作だったんだぞ!・・・誰にも聞こえないだろうけど。

・・・

当時のパソコンゲームは、家電店でもかなりパソコンに力を入れてる店でしか取り扱っておらず、ウィンドウの中に並べられた大きくて派手なパッケージアートに包まれたゲームソフトたちを、羨望の眼差しで見てた。

 何年くらい前まで見かけたかなぁそう言う風景、、、

2003年に発売されたファイナルファンタジー11の拡張「ジラートの幻影」が、最後に店頭でゲームのパッケージを見かけた頃だったかも。もう16年も前の話か。

今でもファミ通や電撃プレステは刊行されてると思うけど、コンピュータゲームが最盛期の頃は、そんなファミコン関連の雑誌だけで20誌くらい毎月出てたと思う。PCエンジンだけで3誌、総合誌が最低4誌(ファミ通、ファミマガ、○カツ、ヒッポン)、メガドライブ、スーファミ、ゲーメストにネオジオとBeep、パソコン関連だけでも、ログイン、ベーマガ、ポプコム、コンプティーク、テクノポリスと、他にもまだあったような。

 バッタバッタと廃刊して、今パソコンゲーム誌はひとつも残ってない。

諸行無常。でもネットの無い時代、ハードが20万円前後という価格帯で、よくこれだけの雑誌が維持出来ていたなぁとも思う。それだけ「パソコンゲームを遊ぶ人のサイフが緩かった=雑誌もガンガン買う層だった」ってことなのだろう。

家庭用ゲーム機の本だと、基本ビッグタイトルをガツンと特集して、他はお茶を濁す程度に触れるだけだけど、パソゲーの場合は、そこまでビッグタイトルと呼べる物も多くなく、ログインを代表として、「ライターの好き勝手に作ってる感」があった。ベーマガは山下章氏を始め筆致が素晴らしく、コンプティークは言わずと知れたエロの王、テクノポリスは他があまり触れないタイトルを攻略してたり、ポプコムでは円丈師匠がサバッシュなるゲームを作ってたり。

「時代」と言ってしまえばそれまでだけど、「再読性の高い記事」が結構多かった気がする。それこそ月刊誌なのに手垢が付くくらい何度も読み込んだり。

そう言えば「MSX」なんてのもあった。X68000ほどゲーム性能は、、というかファミコンより低いレベルのゲーム性能だったけど、これもまた「これでしか遊べないゲーム」があって、ちょっとだけグラついた。でも同じパソゲーでも、8801が「カテゴリーによってはファミコンを凌駕してた」のに対し、MSXは概ねファミコンに負けてたから、そこまででもなかったけど。

 グラディウス2とスペースマンボウ、MSX2のメタルギア、悪魔城ドラキュラ、、、くらいかな。全部コナミだわ。

後年エミュレーターを触ってた頃にやってみたけど、何つか、「遊びたかったままにしておいてもよかったかな」という感じだったな。

・・・

今は本当にゲーム関連の雑誌を買わなくなったけど、たとえばSteamとかのインディーズゲームで高評価なもの、「のちのマインクラフトになりうるタイトル」なんかは、それらを紹介、攻略する雑誌があってもいい気がする。リリース量は家庭用とは比べものにならないくらい多いし、意外と体験版があったり、家庭用に移植されるものも少なくない。何より、

 誰も知らないようなゲームを紹介してくれる場所が、ネット以外にあってもいいと思う。

週刊アスキーにも毎週数本が紹介されてるけど、多くは「i_Phone用」だったり、FPSのビッグタイトルだったりで、「僕が求めるもの」とはちょっと違うんだよね。

 僕の求めるのは、昔のパソゲー雑誌のような雑多で、熱量のあるもの。

てか僕が知らないだけで出てたりするのかな?>月刊Steam

石井ぜんじさんや山下章さんが記事書いてくれたら、喜んで買うのにな。

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