ドクターストーン
なおなおさんにオススメされたジャンプ連載のマンガ。つい先日最新6巻が出たばかりだけど、週刊連載のストーリー物なので、コミックスは、
ボーッとしたらいつの間にか大量に出てるパターン
もう若いときとは時間の流れる速度が違う。
アイシールド21の人らしいけど、詳しくは知らない。とりあえず試し読みで55ページ読んだ印象は、
すこぶる良かった。
というか、正直なところ、キャラの絵は「ジャンプ過ぎる」きらいがあり、なんつんだろ、「遊戯王」みたいな?アクが強すぎるというか、子供向けなニオイがする感じだったし、ヒロインも、相当かわいいけどあまりに出番が少ないままに石化しちゃったので、
※後述
キャラが立つ間もなかったのが残念。5巻まで読んだけど、
なんだか人形みたい。
悪く言えば空気。せっかくカワイイのに、存在感が薄すぎてもったいない。
主人公は、科学の天才で、知識だけでなく知恵もあり、応用力、発想力、行動力を兼ね備えてはいるものの、体力的には平凡。それを補うマブダチが体力担当で、そいつが先のヒロインに告白する直前に、
いきなり全世界の人類(とツバメ)だけが石化する
さすがジャンプ、最初からガンガン進めて行くなぁと思ったけど、この辺はテンポよく行ってくれた方が好みだし、居心地が良いと思うので、多少の駆け足は許容範囲。
石化は、未だ原因がわからないままだが、主人公だけがなぜか「解けて」、さらにその半年後マブダチも解ける。天才なので、なぜ自分が解けたのかを解明しようとするし、その検証も含めてマブダチを蘇生しようとした結果、半年後に成功するわけだけど、
主人公が石化から解けたのは、実に3700年後。
よくテレビで見かける「1000年でこうなって2000年でこうなって、、、」みたいに、文明も滅び、植物が世界を覆い尽くしてる雰囲気は、
藤子不二雄Aの「緑の守り神」さながらであり、ウィル・スミスの「I AM LEGEND」みたいでもある。人間が居ないという点で。
※I AM LEGENDは人間どころか動物もほぼ居ないけど
なので、お題的、世界観的にはそこまでイレギュラーでもないのだけど、本作が他と違うのは、
その原始時代から、近代文明まで一気に引き戻そうという「知識と知恵と野心のある主人公」を据えた点。
こないだ文明の話をしたけど、
※あれは完全にたまたま。でもアレを読んだ人は僕がドクターストーンのことを知ってるって思ったかも知れない
まさに「自力で文明を築く」、文字通り「途方もない未来を作る」、「作ろうとする」ところが、
非常に痛快。
マンガ=フィクションだから、ウソとか適当とかいくらでもあっていいのだけど、それを上手く落とし込まないと、ただのご都合主義に見えてしまう。その辺り作者がかなり勉強してるというか、
※そう感じるだけかもだけど
非常にそれっぽい。
僕は科学の「学」がないから、細かなところで「だよね~」とか「当然そうなるわな」みたいな同意はないのだけど、同時に先読みも出来ないし、かと言って青年誌じゃない分「説明的になりすぎない」。ある意味、
ジャンプだからこそ為し得てるちょうど良いごまかし具合。
そこにワクワクする。
素直にワクワク出来る。
ネタバレすると読んだとき楽しさが激減してしまうので、まずはバレナシで進めるけど、要は、「IF」の話。もし自分がそう言う状況に置かれたらどうするか。どう対処するか。そこに違和感があるか感心があるかでかなり印象が変わってくる。
ぶっちゃけ今のところ、一箇所を除いて概ね納得と感心で綴られているので、、、てかネタバレだけど書いちゃうわ。
目の前のライオンを何とかするために、「最強の高校生」を蘇生するって選択肢は正解だったの!?
言っても人間。結果高校生はライオンに勝つわけだし、縦糸として「彼」の存在は「ジャンプとして不可欠」だったのかも知れないけど、自分的には「彼」は居なくていい。なんつんだろ、
アクトレイザーで、シミュレーションモードのが楽しくてアクションモードが無くてもいいんじゃね?
って思う感じというか、そもそも「文明を復活させる」という「一点突破」で、話は100%面白いと思うんだよね。むしろ他は不協和音になりかねないというか。まぁ僕の好みだけのコトかも知れないけど、
マイナスの溜めは要らないというか。
それが実は読み始めて間もない頃に感じた「僕の嫌いなジャンプ」。結局「大きな勝利」の為には「強い悪役」が不可欠なわけで、理由は十分理解出来る。理解は出来るけど、
それは普通のスポ根とかの話。この強烈に崇高で遠大なテーマの前では、あんま重要じゃない気がした。
それほどまでに文明を復活させていく過程が面白すぎる。
作者に実績があり、信頼があり、
※アイシールドは333話一度も落とさなかったらしい
画力があり、テーマが面白い。だがしかし、ジャンプ故に途中で終わってしまう怖さもまた、相当高い。
果たして作者はどこまで決めて走りだしたのか。
ツバメと人間が石化した理由はもう決めてあるのか、それは明かされるのか、人類は復活するのか、復活するとしたらそれはどういう状況なのか、、、
細かな検証やら説明をはしょる「ジャンプの居心地良さ」を感じつつ、結末まで描かせない「ジャンプの怖さ」も感じてしまう。メチャメチャ面白い反面、失速なく行って欲しいという願いが強くなりすぎてしまい、それがそのまま「期待過剰」そして、「裏切り落胆」になってしまわないかと不安を感じたりもするのだ。
現時点では★★★☆。コロナ鑑定箱にはなかったが、最寄りのブックオフに各2冊ずつあって、一冊360円だったけど迷わず購入。価格分は全然楽しめたし、オススメも出来るけど、やっぱり「ジャンプ故の覚悟」は要るんだろうな~って思ってしまうんだよな。
・・・
以下ネタバレ
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一応改行
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読む前に読んじゃダメよ?
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つっても大したこと書かないけど。
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一番良かったシーンは「発電所だ」と言ったシーン。最高過ぎて声を出して笑った。
「発電所って原始人が造れるもんなの!?」
ウホホとか言ってるサルと人間の境目くらいの連中、いや、もっとずっと進化した「猿の惑星」に出て来る天才サルのシーザーだって、発電所は造れないと思う。てか、今まで生きてきて、「発電所造ろうかな」と思ったことある?
オレは無い。
せいぜい「テレビ分解したら死ぬらしいよ」って程度。どの程度だよ。
ただ一方で、
冷えてないコーラはどうなの?
って思った。美味しく無いでしょ常考。もっと言うと、あれを飲んだ彼は、長い間石化はしていたものの、実質コールドスリープで、ホントに記憶と意識が繋がってるのは、そこまで長い時間じゃなかったはず。つまり、
コーラが飲みたくて何千年経ったわけじゃない。
それをそこまで笑顔で「冷たくないコーラ」は飲めないんじゃないか、と。
せめて流水で冷やすとか、、、でもそれだとインパクトが薄れる?いやでもヌルい炭酸なんて絶対美味しく無いよ?
「絶対に美味しく無い」。
懐かしいとか嬉しいとかはあるかもだけど。てか、そもそも目の前のコーラがいかに貴重なものなのかわかるくらいはこの世界に居るんだろうから、
せっかくだから冷やして飲もう
って思わないかね。僕なら絶対そう思う。
僕が思うことと違う選択肢という意味で、このシーンはイマイチだった。
テンポは悪くなるかも知れないけど、氷を保存するとか氷を作るとか、コーラを冷たくする手立ても併せて発明していってくれたら、このシーンはもっとずっと最高なものになっただろうにな~って思ったよ。
・・・
次巻はいよいよ「最強高校生」と会敵するらしい。「出てこなくていいよ」って思った。絶対暗い話になると思うもの。緊張感はあってもいいけど、簡単に人殺しするヤツって、つまりはキチガイだからな。ケンシロウが居たら、
きっともう死んでるわ。
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コメント
クリスさんおはようございます!
6巻買いましたよ~\(^^)/
自分的にはカセキの爺さんがツボです♪
コーラの話なんですけど、あれ3700年間思考は停止してなくて意識はあったんじゃないですか?
確か千空が石化が解けるまでの時間を数えてたので。ただ千空と違って他の人の意識がどうかは分からないですけどね(^^;)
ただヌルい炭酸・・・もともとコーラが苦手な自分には無理ッス(笑)
投稿: なおなお | 2018年7月18日 (水) 05時26分
意識があったのは、極々一部、つまり千空とマッチョだけでは?まぁ人によってはある程度まで踏ん張ったのかも知れませんが。
カセキのじいさん、、、に限らず、脇はかなり立ってますよね。ジジイなので固有名詞はのきなみ忘れていますが、弱視の女の子とか、メガネのアタッカーとか、「いい意味でジャンプらしい」脇役で、見ていて懐かしい風が吹きます。
展開の早さは悪くないと思いますが、ちょっぴり「危うい」感じもするんですよね。この勢いのままずっとイケルのかなって。今はまだ楽しいんですけどね~。
投稿: クリス | 2018年7月22日 (日) 20時18分