劇場版ノーゲームノーライフゼロ
私的にマイブームのノーゲームノーライフ。公開は去年の夏なので、まだリリース間もないとも、「2ndシーズンはかなり先になりそうだな」とも言える。前にも書いたけど、ラノベ原作のアニメというのは、大概というか、ほぼ全て1stシーズンで完結せず、最後が思いっきり尻切れになる。さも「当然でしょ」と言わんばかりだが、古い人間としては、「最終話で話が終わらない」ことに結構なストレスを感じる。それはそのまま、「ラノベ原作のアニメに対する信頼の無さ」に直結し、「しょせんラノベ」とぞんざいなスタンスで向き合うことになってしまうのだけど、まぁ「これはこういう文化」だと受け入れて、その上で楽しみ方を見つけていくしかないのだろう。
※てかそう考えると化物語の1stシーズンは区切りが良かった
思えば、つい最近ハマっていた「魔法科高校の劣等生」も同じような流れで劇場版を視聴した。あれも同様に2ndが視野に入りつつの劇場版ゆえに、本編とは別の時間が流れていたが、本作も「外伝的」エピソードだった。
※どちらもマッドハウスだし
具体的に言えば、
この世界の「十の理(ことわり)」が作られる前の話
僕は、借りるまでこれが「ゼロ」という名前だと思ってなかったので、てっきり今のメンバーが同じ世界で同じように暮らす、その上でのサブストーリーみたいなものを期待していたのだけど、さにあらず。
全然違ってた。
例えるなら、「のび太に対するセワシ」のような、
※過去未来は逆だけど
同じ世界の別時間軸で、運命的に巡り会う二人。その二人が、虐げられ、絶滅の危機に瀕した人類を救おうと抗う話。「救おう」はちょっとニュアンスが違うかもだけど。
まずネタバレを抑えて感想を書くと、
TVシリーズとの最大の違いは、「話が暗い」ということ。笑いが極めて少なく、散見される箇所には正直違和感しかない。多くの「前日譚」がそうであるように、結末が不動で、その結末=本編の開幕が幸せいっぱいのハッピースタートでは「お話にならない」以上、
絶対的にアンハッピーな結末が約束されているようなもの。
そう思ってみてしまうので、とにかく全てが「フラグ」に見え、聞こえてしまう。いわゆる「オレ、戦争から帰ったら結婚するんだ」的な。
この世界には、人間以外にも多数の異種族がごく一部を除いて世界単位で別々に暮らしている。当然寿命はそれぞれあるが、
この話の舞台は6000年前。
※記憶では。もし違ってたらゴメン
それでも(TVの時代まで)生き続けている種族が居る点は、まぁ話を膨らませる上で「有り」だとは思うけど、
果たして人間が6000年間に、「ここまで変化がなかったのか」とは思う。
同じ名字の人間の系譜が繋がっていたのか、とか、「アッシェンテ」というゲームを始める前の掛け声とか。
まぁそんなのは重箱の隅なんだろうから、「ふと思った」程度のことだけど。
つか、それ以上に気になったのは、
固有名詞が多すぎる&セリフが聞き取りにくい&画面が結構暗いので見づらい
という、物理的な「理解しづらさ」。僕が厨二用語(≒ラノベ用語)に疎いからというのもあるのだろうけど、
ぶっちゃけ掛け値なし3割は理解出来なかった。
ある程度雰囲気で押し切れる部分もあったし、それが致命的だとは言わないけど、スッキリ気持ちよく見ることが出来なかったのは事実。意図としてDVDやブルーレイで後日、もしくは映画館に二度三度と通って貰って徐々に理解して貰いたい、という「下心」があったのかなぁと思わなくもないけど、
話の暗さもあって、TVシリーズとは比較にならない分かりづらさだった。
ただ、監督は同じで、物語にはきっちりと大きな山場もあり、メインの声優は同じ。
※それがTVシリーズへの運命的なリンクにもなる
一から十まで初見時に理解し、楽しめた人とは、どうしても感想が変わってしまう。
具体的に言えば、「ネットの満足度98%」ってのは、自分とはやっぱ違うな、と思ってしまう。
クリス評価は★☆くらい。
「評価」と言ってもこれは主観なので、「好み」と言った方がしっくり来るかも知れないが、
とにかく暗すぎる。結末も悲しすぎる。
作画や、あまりTV版では触れなかったが、劇場版は主題歌も結構イイ。眠くなることもなく、最後は現代?に戻って体裁良く終わるが、
こと好みだけで言えば、どんなにアクロバティックだろうと、強引だろうと、整合性が破綻していようと、
二人には幸せな結末を迎えて欲しかった。
「そんなんじゃとてもじゃないけど高評価は得られない」。それもわかる。わかるが、好みというのもまた絶対的なものなのだ。コレを見て感動した人が僕の感想を見て嫌悪感を抱く可能性が極めて高いのも理解出来る。
でも僕は感動出来なかったから。
「見えている結末」「抗えぬ未来」に向けての流れは、決してドライに斜に構えて見ていたわけじゃない。でも、「それが嫌い」なのだからしょうがない。TVシリーズが大好きなのは、
必ず勝つと信じられる、信じさせる演出だからだ。
空(主人公)が消えてしまっても、ほどなくして復活するのが「期待できる」から見ていられる。でも、6000年前の過去の話はそうは行かない。今への繋がりが神様の記憶の中にしかない以上、二人が設定に護られた「無敵キャラ」でない以上、
泣かせに来るのが見えてた。それがどうにもイヤだった。
てか、※以下ネタバレ
主人公は、ヒロインと出会うまで「何を目的として行動していたのか」が今さらながら全然わからない。
具体的に「何のために調査っぽいことをしていたのか」。「その情報をどう活かして」「どんな未来に向かおうとしていたのか」。
ただ闇雲に仲間を殺すためだけに出向いてたわけじゃないだろうけど、
それまでのゴールと、新たなゴールの「違いや落差」が全く感じられなかった。
新しいゴールは「新しく生まれたもの」で、比較してこちらが良いというジャッジをする感じじゃなく、なんだろ、
しっくり来ない。
ヒロインの目的や行動も、何かこう「僕に対しては説得力不足」というか、例えば子供の頃出会って、数年の歳月によって育まれた空と白の関係とは違う「唐突さ」「強引さ」が拭いきれなかった。少しでもいいからもっと前に何らかのコミュニケーション、出会ってはいるのだが、そこでワンシーケンス未来へ繋がる一言が欲しかった。
じっくりと全ての会話を理解しながら見ていた人には、「それはここで、、」と納得出来ていたのかも知れないけど。
・・・
先日コンビニの人気ランキングを審査員に決めて貰う番組で、自信満々だったシーチキンマヨおにぎりを、「マヨネーズが嫌い」
※シーチキンが嫌いだったかも。うろ覚え
という理由で低評価した審査員が居た。
もちろん、「好き嫌いのあるヤツを審査員にするなよ」という意見もあるとは思う。でも、
自分以外の全ての人が美味しいと絶賛しても、自分が美味しくなければそれは美味しくない。
世間の評価が98%でも、自分的には3点、単位を揃えるなら30%の作品だった。フルに楽しめた人が羨ましくも思うけど。
つか、TVの続きが早く見たいわ。ノベル買おうかしら。
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