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2018年8月 7日 (火)

彼方のアストラ

ゴローさんにオススメ戴いたマンガ。ミラクルジャンプかウェブジャンプかに連載され、最新にして完結の5巻が今年2月に出た。

試し読みをした時点で「これはかなり面白い」と言う手ざわりがあり、ネットで古本を漁るも定価と大差無いものばかり。一応近所のブックオフをチェックしてからかな、と寄ってみたら、

 5巻だけある。

当然買う。「面白そう」というマンガは、少なからずあるが、初見で「面白い」と思えるマンガは極めて少ない。たかだか数十ページの試し読みではあったが、僕にはこれが「間違いないマンガ」である確信めいたモノがあった。

 果たしてそれは結実した。

映画のジャンルとしてはSFはポピュラーだが、マンガのSF、特に宇宙を舞台としたSFは、実はかなり少ない。ぶっちゃけ思い当たるのは「宇宙兄弟」と「ラブシンクロイド」「超人ロック」、、、あとは松本零士くらいで、ある意味「当てにくいジャンル」であると思う。というか、手塚治虫先生の時代はもっとあった気もするが、最近は特に少ない、、あ、テラフォーマーズがあったか。

宇宙を舞台にするデメリットはいくつかある。まず、その世界への馴染みがないこと。常日頃から読んでる学園物やサスペンスタッチ、ミステリータッチの大人向け、グルメマンガ、ラブコメと比べて、初見時の「違和感」が特に強い。

それは、キャラクターのファッションであったり、宇宙生物のデザインであったり、「その世界の当たり前を理解するまでのハードル」であったりするが、逆に言えばそれらは新鮮であるとも言える。

 そしてそれは、本作の物語、そして脇を固める多彩なエッセンスに、特に強く打ち出されていた。

 「僕らにとって不慣れな世界」の楽しさがよく描かれていた。

・・・

最近読んでるラノベや、ラノベ原作のアニメ、また海外ドラマなんかにもおしなべて言えるのは、

 結末を濁していること。

原作者の胸中には「こうやって終わろう」というビジョンがあるのかも知れないが、それとて人気があってずっと書き続けていられるなら、どんどん先送りになり、時には変容もする。受取手もそれが当たり前だと思い始めているし、逆に言えば「明確な結末に向けての物語」は、今の時代とても難しいとすら思う。なぜなら、

 人気が無くなればそこで連載も終わってしまうから。
※小説と違ってマンガは「一冊完全新作」というケースは少ないと思うし

ただでさえ人気の出にくい宇宙を舞台にして、さらにそこから狭き門の「ストーリーマンガ」を描く。なかなかに大変なスタートだったと想像に難くない。さらに作者は、前作でこれと似たSFを描いていたわけでもなく、最初から「短期集中連載」が決まっていることが追い風になったとは言え、かなりの勇気も必要だっただろう。

 自分の描きたい話に相当自信があったのではないか。

見慣れぬジャンルだろうと、描き慣れぬ世界だろうと、自分が面白いと確信出来る物語を紡ぐ。伝える。

 読んでいて流れ込んできたのは、作者自身がこの物語を凄く楽しんで描いているという「オーラ」だ。

そしてそれは、僕が子供の頃見た「ドラえもん のび太の恐竜」に重なって見えた。

宇宙と大昔という違いこそあれ、戻る事が出来ないサバイバル、近未来、見慣れぬ生物や食べ物、、、そして何より、仲間達との協力。

コロコロとジャンプでは読者層が違うから、そこにさらにミステリー要素、ラブコメ要素を盛り込み、「描いても読んでも楽しめるマンガ」として仕上げてきた。
※ちなみに作者の篠原健太は、尊敬するマンガ家に藤子F不二雄を挙げている

 さらに言えば、ギャグのキレもかなりのレベル。

僕は結構そこの部分、「息抜き」「ガス抜き」の部分を重視する。マジメになりすぎると重くなって、疲れてしまうのだ。まぁ中には緊張感がキモな作品もあるけどさ。

 全くもって悪くない。

この笑いのセンスに関しては、間違いなくゴローさんと共有出来るな、と思う。ヘルクも面白かったし。

ジャンプなので、作画のタッチは劇画調ではなく、ともすれば少し子供っぽさを感じることもあるが、読めないほどではない。絵柄の好みという点ではラブシンクロイドの柴田昌弘には及ばないものの、カワイイ子をかわいく、かっこいいところをかっこよく感じられれば、それで十分とも思う。

功罪あるとすれば、僕が買った3巻4巻の帯に書かれた「オススメコメント」。SF小説家とおぼしき面々が、まぁ面白いと、一気に読めとまくし立てていて、

 そんなになの?大丈夫?そんなにハードル上げちゃって

って感じだったが、

 概ね裏切られなかった。

てかこれは結構凄いことだと思う。ニュートラルな状態で摂取したとしても、SFを気持ちよく受け入れるのは難しいはずなのに、さらに「この話面白いよ!」と言われてそれに応えるというのは、

 よほどのこと。

「彼方のアストラ」は、その「よほどのこと」をクリアしてきた。

クリス評価は★★★★。とても面白かったが、叫び声を上げたのは1、2度ほどで、最後もキレイにまとまってはいるが、吐血したり立ち上がったりするほどではなかった。むちゃくちゃ面白くて、「誰かに読ませたい!でもその前にもう一回最初から読みたい!」と思うレベルには大好きだが、特にメカ関連のデザインで柴田昌弘を超えたとは思わない。

ドラえもんの懐かしさと、僕好みのラブコメエッセンスが最高過ぎて心が温かくなるが、今の季節は夏なのでそこまで暖かくなる必要はない。どんでん返しや伏線回収の妙にも唸るが、僕自身が経年劣化してるので、それらが100%の状態で伝わったかと言われたら、恥ずかしながら答えはNOだ。よく覚えてないことも多い。

 ただそれらは、あくまで僕にとっての「彼方のアストラ」だ。あなたにとってではないだろう。

まぁ誰かに勧めるのに、現状コレ以上の作品は思い浮かばないがな。

 定価で買っても安いぜ?

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ここまで書いてきて、ネタバレには気を付けたつもりだったけど、ふと気付けば、あらすじらしいあらすじを一切書いてなかった。

近未来、高校のイベントでとある惑星に5日間のキャンプに送られた主人公達9人。大きな危険などあるはずのないその星だったが、着いて早々、不思議な光る珠に遭遇。メンバーのひとりが不用意に指をかざすと、一瞬にして吸い込まれ、仲間達も次々と、、。放り出された先は「宇宙」。周囲を見渡すと、近くに宇宙船がある。命からがら乗り込み、救助を求めようとしたが、

 通信機は何者かによって壊されていた。

みたいな話。まぁ多少のご都合主義とかはあるけど、何ら問題はない。嫌なヤツも出てこないし、気軽に読み始めてドップリ楽しめばいい。ただそれだけだ。

つか担任の先生が本作を知らなければ、「読書感想文」の題材に使えそうな、健全で冒険心溢れる児童文学みたいな内容だったな。

ゴローさんありがとう!次もよろしく!(笑。

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