まおゆう・ノーゲームノーライフ
エクスヴィアスの経験値稼ぎの友としてチョイス。前者は違うが後者はマッドハウス。
●まおゆう
2ちゃんねる出自のラノベ。名前は以前から聞いていたが、自分にとってそこまで「読みやすい」文章ではなかったので、特にハマりはしなかった。ちなみになぜ今回見る気になったかと言えば、
何となく、だ。
人間と魔族が対立する世界で、4人の精鋭が魔王に挑む最中、勇者一人が隊を残し魔王城に単身乗り込んでしまう。そこで出会ったのは、人間の女性と同じ体躯を持ち、人語を解し、さらに「会いたかった」と勇者に親愛の情を露わにする魔王だった。彼女は、戦争が双方にもたらす利害を説き、自分はその先を見たい、戦争を無くす為に何をすればよいのか、そのために必要なものは何なのかを勇者に伝え、二人はそれぞれの所有物となる契約を交わす。つまりは「ほぼ結婚する」。
自分が思い描いていた「まおゆう」が、具体的にどんな話であったのかは、今はもう思い出せないが、少なくとも「これ」ではなかった。というか、
思ってた以上にマジメで、でも暗すぎない。
ノベルは5巻で完結するも、アニメでは2巻半ばまでの物語しか描かれておらず、アニメの結末は、それはもう中途半端の極みと言って良いのだが、大人気だった作品なのが頷けるだけの「新鮮さ」と「面白さ」があり、作画のクオリティも悪くない。
※正直魔王の作画に違和感を感じることもあったけど
劇中で最大の違和感はむしろ作画ではなく、それぞれの呼称が「魔王」「勇者」「女剣士」「メイド長」など、いわゆる固有名詞ではないこと。どれほど親しくなっても「勇者!」と言うのには、何とも言えない居心地の悪さを感じたし、最後まで払拭しきれなかった。5巻の完結時には名前で呼ぶようになるんだろうか。
ただ、それを除けば話はかなり面白い。勇者は基本戦闘しか出来ないヤツだが、魔法も使えるし、その強さは掛け値無しで「悪い魔王」でも倒しうるレベル。
※話し掛けてきたのは「悪くない魔王」だが
一方魔王の方も、角があるわけでもなく、人間と何が違うかと言えば、その知識と知恵が卓越して優れていることくらい。というか、今はまだ劇中で明かされていないが、
彼女にはいわゆる近代世界の知識すらも備わっているきらいがある。
農業にしても運送やら商売にしても、姑息でもなければ、騙すわけでも偽るわけでもない、純粋な話術に長け、主に悪役として現れる「利権をむさぼる人間」の対立する勢力や、農奴、農民の力となり、国を豊かにしていく。つかまおゆうは、
「国を豊かにする魔王の物語」
これで8割の説明と言って良い。いや、9割か、、、。もちろん枝葉の部分で、勇者を女騎士と取り合うようなシーンもあるし、かわいらしい女の子の面もあるので、それ目当てで見ても裏切られると言うことは、たぶんない。
逆に言えば、巨大なモンスターとの戦闘シーンなどはほぼないし、悪くはないものの、素晴らしく良い作画というわけでもない。
※水彩っぽい背景はなかなかに綺麗で、絵的な撮れ高はそこそこ高いけど
アニメ最終話のオチがあまりに不完全燃焼だった点を除けば、クリス評価7点くらいの満足感があったのだけど、最後があまりにも物足りなかったので、★★★。相変わらずキスシーンがないのがゲンナリではある。
●ノーゲーム・ノーライフ
アニメは2014年春のものだが、実は当時新聞で本作を確認し「見ようかな、でもな」と思った記憶がある。実際には、
このタイトルが、いとうせいこうの「ノーライフキング」を想像させ、結局見なかったのだが。
※ノーライフキングがつまらなかったというわけではない。念のため
で、なぜ今見る気になったかと言えば、
本作がマッドハウスだったからだ。
「マッドハウス傑作ベスト10」みたいなサイトで紹介されてた「ような」気がしたから、腰を上げて見る気になった。
果たしてそれは、大いに正解であった!
チートを使う相手にもノンチートで連戦連勝しまくる伝説のプレイヤー「 (空白と読む)」。実は彼らは二人組のニートの兄妹で、絶対負けないことを信条としていた。そんな二人に、とあるメールが届く。「その世界は生きづらくないかい?」と。リンクをたどった先で、二人はチェスを挑まれ、協力しつつ、苦戦しつつも、破ることに成功。
相手は、「神様」だった。
神様は、二人を「ゲームによってのみ勝敗が決まる異世界」へと誘う。そこは、戦争も略奪も殺戮も許されないが、10のルールに則って始めたゲームの決着は絶対に遵守される。人間以外にも様々な種族が混在し、互いに領土を奪い合うのも全てゲームによって決まる。全てがゲームによって決まる世界。唯一神である神の座さえも、、、。
二人は神を目指してゲームを繰り返していく。
そんな感じ。てか、ウィキペのあらすじとかならもっと気の利いたことを書いてるのだろうけど、まぁ僕が思ったのはこんな感じ。
兄は18歳で妹は11歳。血の繋がりはないが、お互いがお互いを支え合い、「一定距離離れると人格破綻してしまうレベル」。ただ、恋愛感情があるかどうかに関しては、兄の方はさほどでもなく、妹の方がややあるかな、という程度。
兄は読みや推理、駆け引きなどファジィな攻略に長け、妹は数学的論理的思考に長けている。動体視力などのゲームに求められる才能は互いにトップレベルで、イカサマももちろん得意。イカサマを見破ることも得意で、およそ偶然に左右されるであろうじゃんけんなどの勝負すらも、「なんやかんやと理由を付けて」必ず勝利をもぎ取ってしまう。
ある意味フィクションのウソがあるのだが、
そこは「面白ければ何ら問題はない」。
声優、作画、コミカルなガス抜きのギャグもキレが良く、妹のかわいさもなかなかのレベルだし、話もかなり面白い。ただ、
引きこもりニートの兄貴が、民衆を前にして演説するシーンには、どうにも解せない違和感があった。
「それはないだろう」と。何つか、
熱すぎる。暑苦しすぎる。
これは僕の勝手な思い込みかも知れないが、駆け引きが強く、ゲームが上手い人間は、基本常にドライで、クールで、感情的にならない方が「しっくり来る」。時には感情がプラスに作用することももちろんあるだろうが、それは常勝からは遠のくファクターという気がする。勝ったり負けたりする主人公、たとえて言うならキン肉マンならば、火事場のくそ力を発揮して構わないが、「それで常勝」はやっぱりピンと来ない。
「フィクションのウソ」を笑って受け入れられるなら、本作はとても面白いと思う。ただ、自分的には「ちょい無理があるんじゃね?」というところも散見されてしまったし、前述の演説、
※他にもチェスの駒相手にも演説するのだが、そっちもなんだか、、、
なんだか興が冷めてしまう感じだった。
ただ、
それ以外のパートはかなり良い。
直接的なバトルシーン、「殺陣」のようなシーンはないが、緊張感MAXでのゲームシーンの作画はかなりのレベルだし、表情のひとつひとつにも破綻は見受けられない。前述のコミカルシーンにも手は抜かず、思わず声を出して笑ったのも一度や二度ではない。
女性監督を感じさせたのは、「全く色気のないパンチラ」。何というか、見えそうで見えない、エロいパンチラこそが「真のパンチラ道」であるとするなら、本作のそれは、完全に女性目線で、こちらもやや興ざめ。何というか、
女性全体にエロさが感じられない。
かわいさはあるのだが。
まぁそれはが本作のウリなわけではないから、大した問題でもないと言えばないのだが。
イマイチフックしなかったタイトルだけど、物語を知れば「そのタイトルしかない」と感じさせるし、特に妹「白」のセリフはどれも活き活きとしていて素晴らしいの一言。「オメガグッジョブ!」そう言う君こそがオメガグッジョブだぜ!って。
・・・
劇場版が2017年に公開されていたらしく、事実上の続きはそこで止まってるっぽいが、原作は11冊まで出ていてまだ完結してないみたい。
とりあえず現在二巡目を視聴中だけど、キリが付いたら劇場版を借りてこようか、ネットフリックスに無いか探して見ようかって感じかな。クリス評価は★★★☆。
一気に最初から最後まで見てしまうくらいは面白かった!
タイトルで食わず嫌いしてた人にもオススメしたい。兄(空)の演説さえガマン出来れば、普通に傑作だ。
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