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2018年10月 9日 (火)

メイズランナー 最期の迷宮

2作目を散々こき下ろした記憶がなきにしもあらずだったのだけど、凝りもせず3作目も借りてしまった。「三部作」ってのはそう言うとこ上手いというかズルいと言うか。

キャストは変わらず、主人公も安定の「かっこ悪さ」。ヒロインはやや忘れ気味だったけど、パッと見メアリー・エリザベス・ウィンステットかと思った。
※違ってた。ちなみに↑この人はファイナルデッドコースターや遊星からの物体X、ダイハードで娘役とかやった人。結構美人

特に目立った有名俳優は出ていなかったが、一作目のそのオリジナリティあふれる世界設定が魅力で、当初より三部作としてアナウンスされたのも新鮮だった。と言うか、これは邦題の功罪だと思うのだけど、

 「メイズランナー」というキャッチーなタイトルは、実は一作目にしか適用されてなかったみたい。

映画が始まって表示されたタイトルにその文字はなかったんだよね。

 つまり、(2作目もそうだけど)ちっとも「迷路を走る者」ではない。

あの迷路が新鮮で面白かったのに、それを無くして一体どうするんだ!?みたいな。実際2が面白く無かったのは主にそれが原因だった気がするし、3に関してもタイトルに「最期の迷宮」なんて、それっぽい言葉を折り込んだクセして、

 全く迷宮なんて存在しない。つまりはウソ。

展開的、あらすじ的には、地球に蔓延した致死性の極めて高いウイルスから人類を守るため、また、そのウイルスを駆除するワクチンを作るため、若者たちを隔離してその活性化を図る、みたいな実験施設が作られ、「1」では、迷路のように作られたその施設から脱出するまでを描いた。

施設には獣とも機械とも言えないモンスターが跋扈し、

 理由は全くわからないが、

次々と若者達を殺戮していったりした。

 理由は全くわからないが。

ともかく、2ではその仲間の一人が拉致され、3ではその仲間を助けに行くという話。「2」の中身はまさに「それだけ」。砂漠がどうのとか言ってたけど、ちっとも砂漠である必然もなく、さらに「3」の迷宮感も無い。と言うか、

 一作目の迷宮の出来があまりに素晴らしすぎて、どうしてもそこと比較してしまう。

具体的に言えば、「1」は巨大な壁が動いたりモンスターを放ったりしながら脱出を困難にしていたのに、「3」は別段迷宮というよりただの都市、ただのビル。壁も動かなければモンスターも居ない。

ただ、ぶっちゃけ内容的には2より全然面白かった。理由の一部に「2がちっとも迷路じゃないことに落胆しまくって、3には一切その要素を期待しなかった」からというのも含まれるとは思うが、

 場面のメリハリ、ミンホやニュートなど魅力あるレギュラー、全体的にテンポが良く、FF7のミッドガルみたいな都市の造形もなかなか。

制作に掛けられたコストはどう見ても「1」より多額で、撮れ高の高い絵作りがしっかり出来ていたこと、物語がキレイに終わったことなど、

 「メイズランナー」として、「最期の迷宮」として見なければ全然普通のアクション映画だった。

物語が大きく広がってしまった以上、「1」のように狭い空間に戻すのはもはや不可能だったのも理解は出来るのだけど、例えば全体の3割でもいいから「あんな感じ」を想起する場面があれば、もっとずっと満足感が得られたんじゃないかなぁって思ったな。

クリス評価は、差引★★。メイズランナー最期の迷宮ではなく、もっと他の気の利いたシリーズ名、サブタイトルだったらプラス1点だったな。

以下ネタバレ

「1」で死んだはずのギャリー
※元の閉じ込められたグループのリーダー的な青年。顔がリバー・フェニックスを少しゴツくした感じで、「1」では凄く嫌なヤツだった

が「結構イイヤツ」に生まれ変わって再登場したときは、

 やっぱね~

ってなった。結構イケメンで、かなりキャラの印象が強く、「ここで使い捨てするには惜しい」な、と思ってたから、「まんまと生きてたことに」した感じ。でもホントイイヤツになってて、凄くホッとしたと言うか、「こういうフォローは悪くない」って思ったな。

 ぶっちゃけ「1」の彼は死んで当然みたいな役だったけど。

悪役が、女性の博士、このプロジェクトのリーダー格の女性の博士を簡単に撃ち殺したのは、正直「え?」って思った。その場の空気で「いかにも撃ち殺しそう」な感じはしたし、雰囲気に違和感は無かったのだけど、よくよく考えて「殺す理由」がわからない。その男は主に実行犯という感じで、科学的な知識があるようにも思えず、今一時的にワクチンが見つかったとしても、恒常的に供給、開発し続けられるスタッフを殺してしまうメリットがない。

 雰囲気重視で押し切ったのかも知れないし、僕が何かを見落としてるのかも知れないけど。

壁の中の大都市にしても、まるで東京並の人口密度で、外からの暴徒たちを鎮圧する警察に似た部隊も出てきたものの、普通に仕事して暮らしてるメンツまで全滅させる意味もないだろうし、暴徒達の目的も今ひとつよくわからない。重要なのはワクチンだろうし、最終的に(ワクチンの元になる主人公たちが)そこから逃げ出したあと、残された人たちはどうなるのか、相当な人数だったと思うけど、

 主人公達の仲間だけでこれからこの世界を生き抜いていくつもりだったのか?

悪くないヤツ、役に立つ知識を持ってる人だって相当居たと思うけど、

 そう言うのは言わぬがハナなのか?

思い返すとなんだかスッキリしきれない感じはした。逆に言えば「4」を作れる余地があると言えなくもないけど。

・・・

本作を見た人の多くが惰性だと勝手に思っているので、大ファンで超楽しみだった人の気持ちや感想とは大きな乖離があるかな、とは思うけど、3作全てが旧作になってからまとめて見る分には、悪くない三部作だと思う。キーワードは、

 「メイズランナーと言えるのは1作目だけ」

それさえ忘れなければね。

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