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2018年10月 1日 (月)

ソードアートオンライン

長男が連休で帰郷し、アニメの話を少々。ネットフリックスのリストを見ながら、「これは見た」「これはスタッフが、、」的な。

そんな中、これまで割と目に止まらなかったタイトルが見つかる。

 ソードアートオンライン、通称SAO(エスエーオー)

派生作品である「ガンゲイルオンライン」とか「オルタナティブ」とか「II」とかは割と目にしていたのだけど、一番最初の作品は気に止まらなかった。

 ラノベ物、特に異世界を舞台にしたラノベ原作アニメは、途中から見ても全然意味がわからない。

そもそも一番最初の導入がほんの数行でやっつけられていることが多く、
※気付いたらゲームの中の魔王になってた、みたいな
本作でもその流れは同様。

 現実世界で大人気のVRゲームを買ったら、始めて早々に制作者が、

 誰かがクリアしない限り、現実世界には戻しませーん!

「飯とかトイレとかは!?」という当たり前の疑問は一切受け入れられず、
※これもラノベ特有のご都合主義。文句とかはないです。

 VRゴーグルを第三者が外すと、「死ぬ」という設定。

ともかく、脳に直づけしてるのか、ゲーム内で食べたものの味とかにおいとかはわかるらしい。あと、

 ゲーム内で死ぬと、リアルでも死ぬという設定。

正直、それ言っちゃって大丈夫?という気も凄くしたが、ともかくそう言う設定で、開始時は1万人居て、一層をクリアする頃には2000人が死んでしまったという流れ。

 それで100層クリアって無理がありすぎだろ

とも思ったけど、ともかくそう言う設定で、特に一層ずつ上っていくというわけでもなく、

 唐突に50層とかに居たりする。レベルもサクッと40レベルくらい上がってたりする。

まぁ重要なのはそこじゃないし、と言わんばかり。

でも、さっきも書いたけど「ゲーム内で死ぬとリアルでも死ぬ、復活は出来ない」という鬼仕様があるにも関わらず、

 「死んで10秒以内なら死者蘇生出来る」アイテムがあったり。
 ※超貴重で、一回出てきたけど結局使わずに友達にあげちゃった
  →つまり面倒なアイテムだったので、実質なかったことにしたと思われる

正直その設定以外は全然面白い。主人公は誠実で冷静だし、小柄だけどそれなりに強く、見た目も普通。強いて言えば「はたらく魔王さま」に似てる。ヒロインの作画も極めて気合いが入っており、「エロマンガ先生」と同じA1Picturesらしくとてもかわいい。王道ツンデレでキャラ的にも入りやすい。

モンスター関連の作画も手が抜かれておらず、刊行当時他を圧倒する人気だった原作を「絶対アニメでコケさせちゃならない」という、ある種脅迫感にも似たクオリティで仕上げられている。はっきり言って、異世界物の作画ではトップクラスだと思う。

ただ、とにもかくにも「デスペナルティの大きさ」である。死んだらそこでおしまいであるにも関わらず、キャラたちはあまりに不用意で、あまりに稚拙。宝箱を見ていきなり開けに行ってしまうこと、訓練のためとは言え転移のアイテムを持ち込まないことにするという意味、あまつさえ「我々に撤退はない!」とか。

 だったら死ねよ、と言いたくなる。

命が重い世界で、そんなこと言うキャラ出しちゃダメだろ、と。それも74階層とか、、、そんな愚者はとうの昔に淘汰されて然るべき階層だ。ただ、

 この世界で人を殺しても、実際にそのプレイヤーが死んだかどうか確認する術がない

というのは、なるほどと思った。「人殺しをしたいようなサイコ野郎」でも、そこに「リアルな人間の死が直結してなければ」、それは所詮ゲームの中だけのことなのかな、と。

ちなみにプレイヤーをキル、PKをすると、そのキャラのカーソルはグリーンからオレンジに変わり、第三者から「悪いヤツ」だと認識されるようになるのだが、それが毒殺でもそうなるのかどうかはわからない。直接手を下したのはそいつじゃないかも知れないわけだし。

あと、「オレンジ」は殺してもグリーンがオレンジになることはない。つまり、人殺しを殺しても人殺し扱いにはならないということ。あと、死ななければ手首を切り落とされるような部位欠損をしても、すぐに直る。さっき見た話でわかったこと。プレイヤー同士同意の元で対決するデュエルに関しては、オレンジとか「死」とかはないみたい。詳しくは語られなかったけど。

要は徹底的に慎重にプレイすればよほどのことがない限り死ぬことはないだろう世界なのに、ああも簡単にリスクを負えることがとにかくイライラするという話。つまりは、

 その設定がそもそも馬鹿げている。節々で説得力を欠いてしまう。

「この世界で死ぬと1週間は復活出来ない」とかその程度のデスペナでよかったんじゃないの?って思った。まぁ本気で悪いヤツや愚かなヤツまで復活しちゃうのが「作者的にそっちのが面倒」って思ったのかも知れないけど。

・・・

ともかく、その一点のマイナス以外はとても良い。主人公とヒロインはイイ感じに恋仲になるし、キスシーンもある。
※個人的にとても重要で大きい。ラノベ原作アニメで、まともなキスシーンがあったのはこれが初めてじゃないかと思った
→ノーゲームノーライフはキスではなく「循環呼吸」とかだったと思うし

全体的にシリアス仕立てというか、おちゃらけたコメディシーンは多くなく、笑った回数も数えるほどだけど、気合いの入った作画と、魅力的なヒロイン。エロゲーばりに良心的かつ無個性な主人公が織りなす、

 ある意味王道とも言えるファンタジー。

今のところ9話か10話まで視聴していて、シーズン1が25話、2も24話と先が長いのがとてもありがたく、楽しみ。ともでもなくヒマがつぶせる経験値稼ぎの友としてピッタリなアニメだ。クリス評価★★★。
※デスペナルティ関連がもっと納得いくものならあと1、2点追加もあったかな

ちなみに、今調べてみたら監督の伊藤智彦は、

 マッドハウス出身で、サマーウォーズの助監督を務めたほどの人だった

人に歴史有り。良アニメに良スタッフ有り。面白いアニメは「面白いアニメが作れる人」じゃなきゃ作れない。ソードアートオンラインは、原作の人気をスポイルすることなく、しっかりアニメでも数字を残せるスタッフに支えられて、手堅くキッチリ仕上げられた良作って感じだったな。

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追記。15話目まで視聴終了。ちなみに原作で言うところの「第二章の1話」まで。

一章の終盤は、主にラブラブ要素で非常に盛り上がった。特に素晴らしいと思ったのは、

 この世界でずっと生きていくことが出来ない理由。

他の異世界物では、現実世界に戻って来る前提がそもそもない。現実の自分が昏睡状態、植物人間であるかどうかは語られず、あまつさえ生きているかどうかも不問になっているが、本作ではそこを蔑ろにせず、両方の世界での「生」の両立にしっかり着目している。

だからこそ、この世界の片隅でひっそりと幸せに暮らしていくことが出来ない、「クリアを目指さなければならない」理由付けになり、「今の幸せより、未来もずっと幸せになるために」主人公はがんばれる。

ただ、あまりにも二人の関係が良好過ぎた分、僕の中でラストの処理がとても大きなストレスになってしまい、

 二人幸せでいいじゃないか!

と、「将来的に訪れるかも知れない幸せな結末」をウィキペなりネットなりで探してしまった。

 その結果、見ない方がいいネタバレまで見てしまう始末。

自業自得と思いつつも、それほどの愚行を犯してまでも、

 キリトとアスナの幸せな未来が見たかった。

まぁどうやら「それなりに幸せっぽい」程度の答えしか見つからなかったのだけど。

・・・

ともかく、章ごとにヒロインが設定されている「エロゲー仕様」のようで、ネットの感想を見てもアスナに固執されると他のヒロインの居心地が悪いという意見が見て取れた。まぁそう言うもんかな、とも思いつつ、自分的にはあまりにも最初のヒロイン=アスナの印象が「良すぎた」ため、素直に他の子にシフトしきれない感じには、なっちゃったな。もっとも「人気」という点で言えば、そうは言ってもアスナが一番らしいにはらしいのだけど。

アニメが結構いろいろあって、個々のシーズンも長いだけでなく、原作→アニメの変換ペースが、自分のイメージしていたものよりかなり早い、、、つまり、極端な話1冊から5話分くらいのアニメが生成されているみたいだった。原作で大きな節目となるタイミングで、一旦話はしっかりと終わる。他のラノベアニメでは、まずそこまで行く前に1stシーズンが終わり不完全燃焼になるところが、SAOに関しては、きちんと節目まで描きつつ、その先へと進んでくれるようで、

 人気の高さを感じつつ、とてもこの流れに感謝する。

やはり物語が始まったら、その終わりを見届けたいと思うのは当然のこと。もっとも完全かつ明確な終焉というわけではないので、本当の終わりがどうなるのか、そこまでアニメで描かれていくのか、そもそも原作は終わっているのかすらわからない。言えるのは、

 伊達にこれだけの派生作品、続編が作られ続けているだけのことはある

ってことかな。ただ、15話には、、、というか過去何度か「極めて嫌なヤツ」が出てきて、スゲェ早送りしたくなったりもしたので、素晴らしさを認めつつも、「手放しで好み」というわけではないんだけどね。

 ただ、クリス評価は★★★☆に上げることにする。

「ニシダさん」とか超良かった。あの辺のエピソードで10話くらいあってもいいくらい。「ふしぎの海のナディア」で無人島生活してた頃みたいな。どうでもいいくだらない毎日がいかに「くだらなくない」のか、僕は知ってるから、、、。

ちょい追記。「II」の2話くらいまで見た。「I」はキレイに終わってくれてホント良かったけど、個人的に一番の山場は1-10後半。あそこだけは★★★★くらい好き。アニメや映画にはいろんな「はい」があるけど、あの「はい」は、その中でもトップクラスだと思う。

「II」は正直まだあんまよくわからない。エクストラステージみたいなのは、完全に金儲けの道具って感じで、幻滅。あれだけで言えば評価は★☆くらい。

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