ハンソロ
※読む人はそこそこネタバレあるつもりで読んで下され
うーむ何というか、、、。ハンソロは僕らの世代ではどうあがいてもハリソン・フォードわけで、例えば同じハリソンが演じたインディの青年期をリバー・フェニックスがやったとしても、それはそれで別世界というか、違う人なわけで。
肩をすくめる仕草や、表情の作り方、たぶん僕は気付かなかったけどセリフに関しても相当意識していたと思う。「ハリソン・フォードになるために」。
でもやっぱ違う。
なんだろ、前も書いたけど、映画ってのは、キャストと監督で作り上げる部分がとても大きい。
※言ってしまえば予算も音楽も重要だけど
だから、ルーカスのスターウォーズはエイブラムスのスターウォーズじゃないし、ハリソンじゃなければハンソロじゃない。
「ローグ1」のようにほぼ違うキャストで紡がれる物語であるなら、そこには違和感が出にくい。最終的な結末が決まっている分、「枷」はあるものの、新鮮なキャストと新鮮な世界は、新鮮な監督の映像を受け入れる土台になる。
でも、今回のように「ハンソロとは別人の誰か」がルーカスとは別人の誰かに撮られると、違和感はシナジーで広がって、どうにも居心地が悪くなってしまう。というか、僕にはそう感じてしまった。
最後スタッフロールが始まった直後に表示された監督の名前を見て、なんだか妙にスッキリした。
ロン・ハワード
ダヴィンチコード、バックドラフト、アポロ13、、、
ぶっちゃけ僕は彼が好きじゃない。
何とも言えないハッタリと、微妙な暗さ、細かな絵作りに関しても、見ていてどうもしっくり来ない。わかりづらいというか、見づらいというか。フラッシュが光るシーンも少なくないし。
結局のトコロ、さほど好きじゃない監督が、名も知らぬ俳優を中心に据えて、「大好きなハリソン・フォードの映画」を撮った。そんな感じだった。
だからもしハリソン・フォードを知らない人が、この映画で初めてハンソロを見たとしたなら、僕とは全く違う感想になったかも知れない。思い入れというのはプラスにも作用するが逆にもまた容易に反応してしまうのだ。
他のキャストにも違和感があった。
ルーカスはスターウォーズを撮る際、他でほとんど知られていない、ある意味マイナーな俳優を中心にしたと言われている。エピソードIでサミュエル・L・ジャクソンが出たと言う例外はあるものの、
スターウォーズに見知った俳優が出てくることは基本無い。
だがしかし、今回は結構な出演であった。
メインキャストである盗賊頭がウディ・ハレルソン。嫌いではない、むしろ好きな俳優だが、声優がいつもと違うだけでやっぱり違和感はあるし、
ずっと、「ウディ・ハレルソンだよなぁ」と思い続けながら見てしまう。
ヒロインのエミリア・クラークは、ターミネータージェニシスや、ゲームオブスローンズでオッパイ出してた人。最初小汚い格好してたときはわからなかったけど、めかし込んだらまんまと彼女。やっぱり「ターミネーターの子だよなぁ」と思いながら見てしまう。
ポール・ベタニーはメイクが強かったことより「激やせ」してたことが幸いして、本人だと認識するには至らなかったけど、「どっかで見たことがあるよなぁ、、でも画面が暗くてよくわからないよ、、、」。結局見づらいのがマイナスだったりした。
そんなこんなでキャストに関しては正直微妙で、監督も、、、そう、言うなれば、
肌に合わない感じ
だった。ただ、一方でしっくり来た部分も無くはない。今回だけのポッと出ドロイドである「L3」の妙に人間味溢れるセリフや行動。その結末もなかなかだったし、序盤に出てきた「ガーディアンオブギャラクシーのタヌキ」みたいな宇宙人も、結構居心地がいいキャラだった。でもやっぱ見づらかったけど。
チューイもとても良かった。中に入ってるのは当然初代ではないのだけど、相変わらずの彼らしいタイミングでの「一言」や、その挙動は、ある意味誰よりもスターウォーズっぽかった。
その横に立ってる男は誰なんだよ!?って感じはしたけど。
物語の終わりは、そのままエピソード1に繋がることになると思うのだけど、ぶっちゃけヒロインであるキーラがどうなったのかはよくわからない。クライマックスのネタバレにちょっぴりニヤリとしつつも、頭の中で物語がリンクしないというか、
殺さなかったってことは、殺さなかった理由があると思うわけで。
死ななかった以上、エピソード1や4に出てたと考えるのが普通だと思うわけで。
もっと言えば、
ハンソロと恋仲だったのなら、レイアとくっつく前に、一旦キーラとの仲を精算する必要があるんじゃないの?と思ったり。
僕が知らない別のスピンオフで語られるのかも知れないけど。てか、
「ハンソロ3部作」なのかも知れないけど。
クリス評価は★☆くらいかな~。セットにしてもエフェクトにしても、豪華は豪華なんだけど、今ひとつ「愛が足りない」感じがつきまとってた。何て言うか、
同じCGで作るにしても、技術が進化する過程で、より人の手から離れて作れるようになった分だけ、はしょられてしまった手間があるわけで、そこが結果より「作り物感」を助長してしまってるような絵だった。
同じCGでも、エピソードIのCGの方が遥かに愛が込められていたと言うか、結局コンピュータの性能が進化することで補える部分と、そうじゃない人の才能があるからこそ映える、活きる部分のバランスが、やっぱり最終的な出力結果に出てた、みたいな感じ。庵野監督以外誰もヱヴァ破のような絵は作れないみたいな。
今見たら、制作費はエピソード7のエイブラムススターウォーズより掛かってた。正直ホントかよ?って思ったが、まぁ「腐ってもスターウォーズ」って事なのかも。
そう言えば戦闘機らしい戦闘機、空中戦や宇宙戦みたいなのはほとんどなかったな。クリーチャーは出てきたけど、「らしい」と言うほどのカラミじゃなかったし、がんばって「スペースオペラ感」を出そうとはしてたけど、
結局のところ、ロン・ハワードよりエイブラムスの方がスターウォーズが好きだったんだろうな~って思ったわ。
ただ、音楽に関しては結構悪くなかった。メインテーマのことではなく、時々流れる曲が、僕の好きな「クラッシャージョウ」っぽくて、イイ感じに盛り上げてくれるな、と。
言っても「遙か彼方の銀河系で、、、」の直後にメインテーマを流さないってのは、明らかにスカしてるとは思ったけどね。
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