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2018年12月 8日 (土)

ブレードランナー2049

何かの予告で見て、スマホにメモが入れてあった。ただ、漠然と「2」だと思っていたので、借りに行ったときに見かけた「2049」という数字が、

 これ、パチモンだよな?
※「インデペンデンスデイ1999」みたいな

と思ったのだけど、パッケージを裏返したら「総監督リドリー・スコット」の文字が。

 どうやらこれだったらしい。

てか、予告がイイ感じだたので借りる気になったのだけど、ぶっちゃけ僕は「元祖ブレードランナー」の記憶がほぼない。覚えているのは、

・監督リドリー・スコット
・主演ハリソン・フォード
・車の名前がスピナー
・雨が多い暗い未来都市
・アンドロイドとかが出てきたような気がする

そして、

 小島秀夫監督がインスパイアされて、「スナッチャー」と言うゲームを作った。

こんな感じ。スナッチャーもアンドロイドが出て来る未来の話で、雰囲気的には完全にパクリ。当然「2049」とスナッチャーには繋がりはないはずなのだが、脳内でその印象がブレンドされ、「パクリなのにパクリ側に記憶が引っ張られる感じ」がしたりもした。

・・・

主人公はハリソン・フォードではなく別のブレードランナー。ブレードランナーとは、「旧世代のアンドロイド=レプリカントを見つけて抹消=抹殺する仕事をする新世代のレプリカント」のこと。

始まってすぐ感じたのは、そのインダストリアルデザインの良さ、世界観の完成度の高さ。新しい方の「トータル・リコール」にも感じたが、さすが本家の遺伝子を継ぐ作品だけあって、

 むちゃくちゃかっこいい。

正直特に元祖のファンでもない僕がそう感じてしまうくらいだから、元祖万歳!なファンには、まさに垂涎の世界だったんじゃないかと思った。何つかただスピナーが出てワクワクするというのではない、「らしい空気感」、暗くて雨が降ってて、国際色豊かな電飾看板がそこかしこにある、、、みたいな。漢字もカタカナもハングルもある世界。そしてそれらの完成度がスゲェ高い。

リドリー・スコットと言えば、「エイリアン」の監督としても知られ、その続編として「プロメテウス」や「コヴェナント」なども作られたが、その時にも「昔ミニチュアで構築していた世界をCGで、それもかなり「実在感のあるCG」で組み上げた過去がある。ただ、その時はむしろ、

 SFチックな、いい意味でのケレン味が薄れてしまって、ちょっとしゃらくさい感じが出すぎてる印象があった。

 その点2049は、しっかりケレン味タップリに仕上げてあり、むしろずっと好感が持てた。

てか、本作の評判はとんと目にしてないのだけど、ぶっちゃけどうだったんだろう。僕は元祖をほぼ知らないレベルの「にわか度」だったが、

 個人的には結構よかったと思う。

こないだ酷評したブラックパンサー同様に、暗いシーンが確かに多い映画ではあったけど、アレみたいに何をやってるかわからないということもほとんどなく、暗いシーンがずっと続いたりもしなかった。

未来の世界を構築すると言うのは、得てして狭い空間に終始してしまいがちだが、
※それだけ広い世界を作る方が大変なので
本作ではかなり遠目からの「異世界として迫力のあるカット」がかなり多く、ストーリーうんぬんを抜きにしても満足感の高い映像が目白押しだった。

ただ世界がイカスと言うだけでなく、話の方もサスペンス濃度、ミステリー濃度の高めな仕上がりで、むしろアクション要素は抑えめ。ただ、途中そうした「話の厚み」を持たせるためのパートで失速し、

 寝オチしかけたりもしたけど、

何とか持ち直して最後まで見ることが出来た。

てか、途中でかなり「これは長くなりそうだなぁ」と思ったが、案の定スタッフロールが始まった時点で2時間48分とかで、

 3時間の映画なんて結構久々だったな~

って。

ただ、クライマックスはなかなか盛り上がったものの、本当にスッキリした終わりだったかと言われれば、個人的な答えはNO。これすらもネタバレと言えばネタバレだけど、僕の理解力の乏しさを鑑みたとしても、もう少しわかりやすい終わりにならなかったのかなぁとは思った。特に序盤から中盤に掛けて「人類の命運を握る・・・」みたいなくだりがあったから余計に。

順不同で思い出すままに書いてしまうが、序盤から出てきた「マダム」の女優さんが、割とよく見かける人で、
※ハウスオブカードやワンダーウーマンでも出てきた知的なミセス

 最初1時間くらいずっと名前を思い出そうと必死になってた。

これである意味物語があんま頭に入ってこなかった可能性すらあるが、思い出せたときはマジで超スッキリしたけどね。

別段誰に遠慮するブログでもないので、思い出すまでの経緯も書いてしまう。

ア、イ、ウ、エ、、、と心の中で一文字ずつイメージしていき、しっくりする文字で、そこから「記憶の結び目をほどく」のが常道なのだけど、そこでヒットしたのが、「ワ」。そして「男性的な名前」さらに、「○○○・○○○」か「○○・○○○○」くらいの短めな名前だと言うこと。てかこれだけでもし僕が思い出そうとしていた女優の名前がわかったら、

 本気でスゲェ

と思うけど、ともかくそんなことをずっと考え続けた結果、

 ワイト

と言うキーワードに凄く引っかかる感じがした。「ワイト」。当然ワイトではない。ワイトではないのだが、記憶の中のささくれに、かすかに抵抗感を感じる、、ワイ、、ワ、、イ、、ト、、、

 !!!! ロビン・ライト!!!

このスッキリ感マジパ無かったのだけど、ではなんで「ワ」に引っかかったのか。

 英語で書くと、「ROBIN WRIGHT」!なるほど「W=ワ」の印象に引っ張られたわけだ!

ミステリアスな物語と平行して、モニターのこちら側でもそんな推理劇が繰り広げられていたって話。

閑話休題。

ヒロインはザックリ2人。
※ロビン・ライトは上司

主人公の家に居る「仮想彼女」。3Dホログラムで、実際に物を動かしたり触ったりと言うことは出来ないが、進化したAIはユーザーを個別に識別&記憶が積み重なっていき、「実体がないこと以外は普通の彼女」。

 なんだか在りそうな未来だと思わせた時点で、僕の負け、とも言える。

ちなみにルックスも日本人受けするかわいさがあり、「実体化、、、しないんだろうなぁ」と寂しい気持ちに苛まれながら、ささやかなラブエッセンスをエンジョイ。

そしてもうひとりが、いわゆる黒幕の側近で、「名前を与えられた数少ないレプリカント」。レプリカントは基本型番で呼称されるが、特別有能な者に限って、名前がある、、みたいな設定。

正直美人ではないが、身体能力が高く、ある意味トータルリコールの「ローリー:ケイト・ベッキンセール」。ただあそこまで「ダークサイドのオーラ」はない。てか今思いだしてもローリーの「悪のカリスマ性」は、近年随一だった気がするな。

話に関しては、読者諸氏のどれだけが小島スナッチャーの結末を知ってるかわからないけど、

 ソレみたいな終わりじゃね?

って何度も思った。まぁ違ったわけだけど。てか「違った」って書いちゃったら、スナッチャーの話を凄くしづらくなっちゃうんだけど。
※ザックリ言えばタイムパラドックス

特にネタバレらしいネタバレは避けたつもりだけど、もしカチンと来た人が居たら申し訳ない。とりあえず、

・ブレードランナー※見て無くても可。印象だけ知ってればそれで十分 が好きな人

・長尺に耐えられる人

・SFや未来のインダストリアルデザインが好きな人※オブリビオンとかトータルリコールとか

・VRの未来像に興味がある人

なんかは、見て損する映画じゃないと思う。特に何度も書いてるけど「未来世界の構築度」「撮れ高」はかなり高く、好みを考慮すれば、最近のスターウォーズやスタートレックの上を行く。

 スゲェお金が掛かってる感じがにじみ出てる。

タイトルはダサめだけど、紛れもなくブレードランナーの続編で、クオリティも負けてないと僕は思ったな。
※元祖がほぼ記憶にないのは、見始めて早々に寝オチしたからと言う気がしてきた。本作はそこまでじゃない

クリス評価は★★★。世界は素晴らしいし、ヒロインも嫌いじゃないけど、
※出番も少なすぎ
もう少しアクション要素があっても良かったかな、と。その点ではトータルリコールの方が完全に優ってたな。

リアリティとエンターテイメントのさじ加減が、前者に寄り過ぎなきらいはあったかも。ファン向けと言えばファン向け。でも全然知らないレベルからいきなり見た映画としては、とんでもなく大がかりな内容だったな。ウォシャウスキー監督のジュピターみたいなビッグバジェット感があった。

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