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2018年12月 7日 (金)

ウォリアー・ゲート時空を超えた騎士

誰かに勧められなければ、ほぼ確実に見ないタイプの映画。いかがわしいサブタイトルは、いかにもC級で、過剰な期待は御法度。

 でも過剰ではない期待には応えてくれる内容だった。

僕の期待値は「3/10点」。で、評価は★★(4点)。

パッケージからしてさほどでもないオーラが出ていたが、制作にリュック・ベッソンが絡んでることを裏面で確認し、

 ベッソンなら女の子は及第点だろうと。

彼の絡む作品をそれなりに見ているが、共通点は二つ。

 ひとつは、ケレン味たっぷりで、しゃらくささがないこと。

 そしてもうひとつは、ヒロインが日本人向けのルックスであることだ。
 ※概ね、としておきます念のため

ちなみに彼は一度「もう監督やらない」と言って、その2年後くらいにあっさり覆して監督をしているが、その時の作品は「アーサーとミニモイ」。CGの絵本のようなある意味子供向けの作品だった。正直評判が良かったという話は聞かなかったが、実際は金に任せて3部作作られ、

 ここでもヒロインとなるお姫様が、結構魅力的だった。亜人のCGなのに。

つまり、僕がこれを借りたのは一言で言って、

 ベッソンの作る姫≒ヒロインが見たかったから。

そしてその期待は概ね応えて貰えた。

・・・

主人公ジャックはさえない高校生。学校でもいじめられ、趣味はコンピュータゲーム※対戦系ゲームで腕はイイ。母と子の二人暮らしで、かなり貧乏。近々家を手放さなければならない状況は、

 どこぞの「グーニーなんとか」で見たことがあるような無いような。

そんなある日、行きつけの骨董品屋で、大きな衣装ケース、、、と言っても実際は3寸が1m×1m×1mほどの木製の瓶(かめ)に、金属製のフタが付いたものを貰う。
※どう考えても部屋の真ん中に置くには「ジャマ過ぎる」のだが、そこはベッソン節。「こまけーこたーいいんだよ!」炸裂だ。

そしてその夜、、、

 そこから異国の格好をした戦士とお姫様が登場。

なんやかんやあって、ジャックは彼の地へ行き、悪いヤツに奪われたお姫様を救う展開。

 序盤のマイナスの溜めが気に入らないものの、そこさえ抜ければほぼ鉄板のハッピーエンドストーリー。

ベッソンはそう言うところ裏切らないから好き。

異国はアジア系、、、てか昔の中国?みたいな、秦の始皇帝が居そうな、でも実際の歴史とは無関係な世界で、銃はないが魔法はある。でもその魔法でバンバン戦うってほどではなく、概ね剣と弓の世界。

そっちに飛ばされて間もなく、最初に姫と一緒に来た戦士と共に旅をする展開になるのだけど、その流れが、

 スゲェ西遊記っぽい。

実際は二人だけだし、西遊記とは一切関係ない。さらにジャックは普通にアメリカの高校に通う白人男子なのだけど、、、

 姫と悪者が待つ都までの展開に、堺正章の西遊記のニオイがスゲェした。

これもまた俗受け大好きなベッソン節だと思いつつ、ところどころに「そりゃご都合主義過ぎだろ」と笑顔でツッコミを入れたくなるところもありつつ、
※インドアなジャックなのに腹筋がバキバキに割れてたり、ただ「戦いは円が重要だ!」と教えられただけで、歴戦の悪漢達をバッタバッタと倒せる様になったり

 これはこれでヨシって感じに。

結局のトコロ僕はこういう「安っぽい展開」がかなり好きなのだ。そして、

 ネタバレになってしまうけど、

 最後にきっちりキスシーンを入れてくれたことが何より嬉しい。

これによって3点が4点になったと言っても過言じゃない。

元の暮らしに戻ったあとのエピローグもあっさりし過ぎず、
※これも監督によってはサクッと1カットで終わらせてしまうことが凄く多い。「凄く多い」のだけど、ベッソン節(ちなみに監督は別の人だけど脚本がベッソンなので、つまりはベッソンの好みだと思う)がばっちり炸裂して
しっかりアフターフォローもしてくれている。

エンターテイメント映画は「こうでなくてはな」って感じ。

では逆になぜそんな好みに映画が4点でしかないかと言われたら、

 別段感動もないし、意味のわからない「敵を巨大化する魔法」を使ったりしたし、映像的に素晴らしいわけでも、音楽で盛り上がるわけでもないし、お約束の積み重ねは嫌いじゃないけど、良い意味での裏切りも一切なかった。

 もちろんそれで全然問題はないのだが。

言っても僕にとってのブラックパンサーは1点の価値しかなく、ウォリアー・ゲートは4点の価値があった。10点にはほど遠くても、好みを加味した評価で言えば、

 必要十分に面白い作品だったよ?

見る前の期待が低ければ、かなりの高確率で「応えてくれる商品」だと思うな。こういう映画はいくつあってもイイ。

---------

書き終えてからしばらくして、オフの友人であるnori君からTEL。ひとしきり本作のことを語っていたら、

 なんだか随分いつの間にかこの作品のことが好きになってる自分が居た。

ありきたりな展開かも知れないし、社会風刺的な要素は皆無。ご都合主義の塊だし、特に有名な俳優も出ていない。でも、

 既に5回くらいクライマックスを見返している自分が居る。

 「やっぱり僕はハッピーエンドが大好きなのだ」。

評価は一気に★★★に上げる。ネットでも「思ったより良かった」「意外とよかった」という、「良い意味での裏切り」コメントを見かける。

 きょうび果たして、「良い意味で期待を裏切ることが出来るコンテンツ」がどれほどあろうか。

確かにベースは決してハイレベルではないかも知れない。シリーズ物でもないし、続編もたぶん作られまい。「仏中合作」ってことは、つまりはハリウッドではないし、当然マーベルでもない。売れたと言う話も目耳にしない。

 でも、僕は結構この作品のことが好きになってた。

昔のジャッキー映画のような、肩の力が抜けたジョーク。ともすればダサくて痛い展開にも思えるけど、そう言う野暮ったさも含めて、「イイ感じのぬるま湯」感があった気がする。

 大きな期待には応えない。でも、後味はとても爽やか。

それで十分だ。

みんなも「一切期待せずに」見よう!てかパッケージ手に取ると、

 これ、ホントに面白いの?

ってきっと思うと思うけど!てかベッソンやっぱ好きだ。

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