いぬやしき
店頭で初めて表紙を見た時は、まさにGANTZのあとだから、
エロ有りエロ有りのSF
だと思ったのだけど、
どうやら主人公が「じいさん」らしいと。
僕は正直「見苦しいキャラ」が嫌いだ。あれほど人気があるシリーズでも、「龍が如く」を遊ばないのは登場人物に見苦しい男が多いからだ。逆にFFが好きなのは、登場人物がみんな美男美女だからだ。
そしてこのじいさんはとても頻繁に泣く。鼻水も垂れ流して泣きまくる。
これはツライな、と。読めないな、と。
そんなこんなでアニメが出た時も「木梨」が実写の主演をやると聞いたときも、あんまピンと来なかったが、
実写版のトレーラーを見たら、興味が急伸。「有りかも」と。
SFXの出来が良く、木梨の仕上がりもイイ。もしかしたら面白いかも知れない、と。
そんな折り、ネットフリックスで見つけたのが2017年にやっていたアニメ版全11話。
実写版を見る前に、これで予習しておくのも悪くないだろうと。てか実写版は「既に公開しているのか、もうDVDになっているのか」すらわからなかったが。
開始直後、やはり主演の犬屋敷壱郎のルックスにガッカリする。「HEN」の頃から奥浩哉の描く女の子の素敵さに魅せられていた人間としては、いくら技術的にじじいを描く方が大変だったとしても、なかなか入っていけない抵抗があった。
しかし、スタッフロールを見ていて、
キャラクターデザイン 恩田尚之
劇画調のアニメキャラクターとして、僕が信頼するアニメーターのひとり。鴉-KARAS-や神撃のバハムートの記憶も新しい。そして、、
ってことは監督はもしかしてさとうけいいち?
期待してスタッフロールを見ていると、監督に別の名前が表示され、一瞬の落胆の直後、
総監督 さとうけいいち
「なら話は別」。ほんの一年ほど前に見たさとう監督のCG版「GANTZ」の出来は、まさによだれが出るほど最高だった。言っちゃ悪いが、
話がクソでもさとう監督なら僕好みに仕上げてしまうかも知れない。
結果は、、、
まんまと面白かった。
ただ「面白かった!」と「!」を付けるほどではない感じ。夜見始めて、朝5時過ぎまでに8話を視聴。朝起きて9話、昼休憩で10、11話を視聴して、一気に見終えるほどは面白かったが、
やっぱり人殺しが多すぎる。
ただ、(凄くネタバレだからニュアンスを濁すけど)今回もGANTZ同様「ワイルドカード」というか、「ジョーカー」がある。
ズルいと思いつつ、それでもホッとする。じじいであるがゆえのかっこ悪さ、ダサさは、序盤で語り終えられ、中盤以降はかなり「イイ感じのヒーロー」としての彼を堪能出来る。
キャスティングボイスが小声で、ある意味「らしい」と思いつつも、ちょっと弱いな、と思ったり、やっぱり涙と鼻水が大量に出まくってて、これまた奥浩哉らしいと思いつつ、「好きではない」と思ったりもしたが、CGで描かれたメカの出来は良く、マイナスの溜めをクリアにするカタルシスが相当デカい。
残念ながらエロはかなり控えめだが。
それでも女性キャラはそれなりに魅力的だし、
※奥さんはツライ出来だけど
2ちゃんねらーが惨殺されるところなんかは、日頃ソレ系のストレスに晒されてる身としては、爽快以外の何者でもない。
これは奥先生自身が感じてたストレスを爆発させたんじゃないかと思うような、ある種親近感すらかんじさせる描写で、見てる人全員に訴求するとは言わないけど、「グッと来る人は少なからず居そう」な感じではあった。
原作は超序盤した読んでないので、アニメの結末が原作のそれとどう違うのか、はたまた同じなのかはわからないが、ぶっちゃけ、
結末を楽しむ作品ではない
とも思った。GANTZもそうだけど、氏の作品は1話の中で十分な面白さや緊張感があって、オチはキレイならもちろんキレイなほどいいけど、それだけで善し悪しを語る感じじゃないと思った。
クリス評価は★★★
ちょっと甘めだけど、娘が父親に抱く感情がイイ感じにシフトしていったのは、なんだか人ごとじゃないような気がして高評価に。つか息子ももう少し丁寧に描いてやれよ、とは思ったけど、
まぁ奥先生の作品だからしょうがないよな、とも思ったり。
さとうけいいち作品はどれも映像が僕好みだけど、主人公のジジイがやはり足を引っ張ってしまって、氏の作品4作、、鴉、GANTZ、聖闘士星矢とこのいぬやしきの中では、GANTZ、鴉には及ばない。それでも11話はそんなに長くもないし、気楽に一気見出来る、続編もないスッキリとした終わりに安心出来る佳作ではあるので、
奥浩哉、さとうけいいちが好きな人には、普通にオススメだ。
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