ID-0
「アイディーゼロ」と読む。これまたネットフリックスのアニメ。全12話。年式は、、たぶん去年2018年。前にも「ちょっと面白そう」と触れたことがあったと思うけど、今回初めて視聴。
予想を大幅に上回る内容だった!!
と言うか、ネットフリックスで何かを見ようとしたとき、その動画を起動する前に確認出来るのはわずか二枚の静止画と、ささやかな文字情報だけ。静止画のうち一枚は時と共に変化する場合もあるが、メインの一枚はずっと同じ。本作はそのメインの一枚に3体のロボットが並んでいて、
言ってしまえば古くさい、タツノコで言えばゴーダムのようなニオイを感じさせた。
もしくは、月刊ヒーローズっぽさとでも言おうか。
ともかく、その静止画が何ともダサくて、言わば食わず嫌いのような状態だったのだけど、
いやいやどうして、素晴らしい内容だった。
監督谷口悟朗は、コードギアスの監督で、他には、
実は僕がこのID-0を見るまさに直前に見た「リヴィジョンズ」の監督
※超ビックリした。たまたま続けて見た作品が同じ監督だったから
他にもいっぱい撮ってるが、僕が知ってるのはその二つほど。てかコードギアスはほぼ見たことがないレベルで、リヴィジョンズも正直主人公の性格が「スゲェ嫌い」で、4話ほどで見るのを止めてしまった。
また、アニメーションスタジオの「サンジゲン」も取り立ててメジャーな作品、特に僕が見知った作品がほぼなく、
※ブラックロックシューターの1話くらい
よくもまぁこれだけ未知のクリエイターから、僕好みの作品が生まれたものだなぁ
と感心するやら驚くやら。
魅力的なところは本当にいっぱいあるのだけど、まず際だって特徴的で、かつわかりやすいのは、
・村田蓮爾原案のキャラクターデザイン
これがまず素晴らしすぎる。てか村田蓮爾が好きな人は、コレを見ずに死ねないレベル。もはやまんま彼の絵で、ただの動くアニメのワンシーンなのに、キャラ絵全てが静止画に耐えうる村田蓮爾イラストレーションズなレベル。特に瞳の作画は、
歴史が動いた!
と思うほど素晴らしく、多分きっと間違いなくCGなのだろうけど、その「強さ」をとても上手く活かしてる感じ。
村田蓮爾と言えばロリと言う感じで、正直本作でもロリキャラの作画にだけ特別な魂が宿ってる感じは否めないけど、
※特に船長:グレイマンの適当さはヒドイ。まぁ今はそれも味として許せちゃうけど
あまりにも凄すぎて、このアニメから画集が作られても不思議はないな~、いや、むしろ欲しいな~って思ってしまったほどだった。
そして魅力はキャラだけに留まらず、
・メカもイイ!
正直前述の静止画バナーでのロボットは、さほどかっこよさも感じなかったし、もっと言うと本編でも全てのロボット、メカデザインが秀逸だとは言わないが、
人間とロボット(身長13mくらいに見える。つまりガンダムくらい)が同じ画面に映ったときの「対比感」がスゲェイイ。
ある意味エヴァっぽいとも言えるし、あそこまで完成度は高くないものの、物語的にそのロボットの存在が「エヴァよりずっと日常的であり、(存在感が)凄く大きい」ため、
どんどん馴染んでくる。
さらに、カメラワークの妙で、、、例えばデザインだけならさほどかっこいいとは言えなかったグリッドマンも、見せ方次第で大いに化けたような、
絶妙すぎるアングルがかなりある。
正直4Kで静止画として切り取って、デスクトップの背景にしたいレベル。特にメインとなる「イド」はかっこいいカットが多く、
カッケェ!!
思わず口から出てしまったほど。
12話という1クール完結ながらも、最後しっかりラスボス的なのも出てくるし、メカ好きにも十分訴求出来る作品だったと思う。
・性格=キャラクターの内面もイイ!
キャラがとても立っていて、それぞれが魅力的。船長のグレイマンは、元軍人で絵に描いたような無骨さ。娘のクレアは見た目だけじゃなく性格も娘らしい娘。彼女がグレイマンを「パパ」と呼ぶのは、血が繋がってたから当たり前ではあるのだけど、
その筋のファンサービスなんじゃないの?
と邪推したくなるレベル。ほぼ主人公のイドも、とてもかっこよく知的で、リヴィジョンズのガキ主人公とは比較にならない。てか同じ監督の作品でも、こうもキャラが変わるのかよってくらい別モノ。
仲間のリックもイイヤツだし、途中で合流する軍人のお姉さんもツンデレで超カワイイ。大好き。てか、姫もヤローもホント素晴らしい。見ていて「彼方のアストラ」を思い出したほどだった。
・アノ人のニオイ
本編はたぶんCGメイン
※ポリゴンピクチャーズほどポリポリしてるわけではない。もちろんピクサーとかとは全然違う
なのだけど、エンディングなどで「水彩画」でキャラが描かれた場面があり、「なんかいいなぁ、コレ」と思ったら、
出崎監督のニオイだった。
確信犯なのか、たまたまなのかはわからないけど、それもまた居心地の良さを後押し。
・掘削船の船長グレイマンの声優が、ドウェイン・ジョンソンの声優が印象深い、、、と言うか、もうどこをどう聞いてもドウェインの声にしか聞こえない小山力也。もちろん他の声も充ててるのだけど、役柄のルックスがもう確信犯的にドウェインで、監督からもそう指示されてるとしか思えないレベル。開き直ってそのつもりで見れば何の問題もない。
・話も面白い
学術研究を目的とした宇宙探査船のインターンみたいな感じで主人公っぽく登場したマヤが、金目的で博士にハメられ、宇宙に投げ出されるところから始まる。上手く言えないけど、ともかく海賊まがいの掘削船に拾われ、人類の新たなエネルギー源であるオリハルトと言う鉱物を探して宇宙を飛び回る仲間になる、、、みたいな?
でも当然そんなのは序でしかなく、破も急も素晴らしく展開してくれる。
やるなぁと。面白ぇじゃねぇか!と。
正直厨二っぽい専門SF用語爆発で、思いっきり置いてけぼりになることも少なくないのだけど、
まぁコマケーこたぁガン無視でも何ら問題なし。
どのみち作者だってわかって書いてるわけじゃないだろうし。
ともかく、12話を上手く使った展開がとても良く、最後の4話は思わず前のめりになるレベルだった。てか、
たぶんもう一回最初から見る。
なぜなら、
嫌なヤツが居なかったから。
これも凄い。ラスボスですら嫌なヤツじゃないという、とても精神衛生上ありがたいキャラ設定。さらに言えば、続編すら作って作れなくもない終わりではあったのだけど、一応はキレイに閉じてるのも好感触だ。
てか、
キャラが良くて、メカが良くて、話が良くて、一体何が悪いんだよ、って話になるとするなら、
そこまで音楽が(OP、ED含め)良くはない。
EDは影山ヒロノブが英語の歌を歌っているのだけど、正直女性ボーカルに歌わせた方が良いんじゃないの?って感じがしたし、
※これはあくまで僕の好みね
BGMでも、例えばガンバスターやエヴァと比べて印象に残る曲がひとつでもあったのかと言われると、、、
ズバリひとつもない。
最後演出で「変わり種」をぶっ込んできたけど、正直それが奏功したかと言われたら、これもぶっちゃけ微妙だったと思うし。
でもまぁ音楽まで素晴らしいアニメなんてのは、20年に1本くらいしか存在しないわけで、そこまで高望みするのも良くないかなって感じかも知れない。
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クリス評価は、たぶん今年初の★★★★!バナーがカッコ悪いからってスルーしなくてホント良かった。SFと村田蓮爾が好きな人には、10割増しでオススメします!
※ちなみに「村田蓮爾」と聞いてピンと来ない人は、「快楽天の表紙」と言うと分かる人が居るかも。イメ検もオススメ。
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