« FFBEエクスヴィアス~その493~ | トップページ | 思い出せないもどかしさを楽しむ »

2019年3月14日 (木)

ワンパンマン

アニメ版全12話の感想。マンガの方は1冊読んでそれなりに楽しかった反面、

 ちょっと(僕の好みとは)違うかな

と距離を置いた。世間の評判がいかに良くても、「好きになれないものは好きになれない」。

ではなぜ今更アニメを見る気になったのか。理由はいくつかあるが、一番の理由は、

 ヒマだったからだ。

いつもやってるゲームがスタミナ消費系イベントで特に時間を費やせず、かといってニーアオートマタをやるテンションにもなれず。まぁ細かな理由としては、

 ネットフリックスが執拗にプッシュしてきて、ちょっと見てたら、

 「これ、マッドハウスじゃね?」

チェックしてみたら案の定マッドハウス。1話の内容は1巻の内容にさほど差がなかったが、

 作画は相当素晴らしい

まぁ惰性で続きを見てもいいかな、と。ヒマだし。

ただ、見始めて間もなく、

 ああ、そうかだから好きになれなかったんだ

と言うことを痛感させられる。

 主人公が報われない。

主人公サイタマは確かに強いし、そこを軸に話を組み立てるのは「アリ」だと思う。性格的にも基本善人だし。ただ、感情に乏しく、こちらの気持ちを「載せづらい」。でもって単純に、

 ムカつく誤解をされまくるのにイライラする。

パワーレンジャーが大好きなのは、主人公が報われるからだ。たとえ怪獣を倒す為とは言え、町中を無茶苦茶に破壊しまくったとしてもみんなから褒められ、称えられるからだ。性格も素直でわかりやすく、裏表がない。

 だからこそ僕の中の子供の心が「素直に楽しめる」。

そこ行くとワンパンマンはあまりに不遇。あのテストの結果でなぜC級なのか。そもそもなぜ学力テストと体力テストがイーブンなのか、試験官は何を見ていたのか、何も報告されなかったのか、映像として残っているものを見て何とも思わなかったのか、

 だいたいそれまでに成してきた善行を、誰もチェックしてないのはなぜなのか。

全ては、「作者の都合」。そして、それが「気に入らない」。

マイティソーのロキが、場面毎に都合良く善玉と悪玉を使い分けられるのも、作り手、脚本家、監督が「彼をそうさせているから」だ。ロキ本人の意志でやってるわけじゃない。

 だから本作のサイタマが不遇なことに対する怒りやイラ立ちも、本人や周りの住人や、、、

 監督に向けられるべきではない。

僕の怒りの対象は「原作者」であり、素晴らしい作画とアニメを作り上げたマッドハウスに罪はない。アニメを見続けようと思ったのは、

 100%監督と作画が素晴らしいから。

「この絵のためならイライラもガマンしよう」。そんな感じだった。殺意も全て作者に向ける方向で、サイタマ(と制作スタッフ)のがんばりを応援する気になった。

 そして、いつかはこのストレスが解消される日が来るハズ、、、

そう願って信じて見続けた。

結果、かなり時間が掛かったが、後半に入ってようやっと「スッキリし始めることが出来るようになっていった」。ひとつはシルバーファングのじいさん。彼が僕の溜飲を大きく下げてくれた。あとは、

 尻上がりに良くなっていく作画の力。

「ワンパンマン」はどんな強敵もワンパンチで片付けてしまう、ある意味味気ない男の話だが、その裏には当然「そいつがどれほど強いのか」を見てる者に印象づける必要がある。

 まるでバキのように。

また、実際の戦闘シーンにおいてもそれは同様で、

 既にドラゴンボールを経験している僕らが、見ていて「こいつはマジ強ぇぇ」と感じさせなければならない、そのハードルは極めて高かったはずだ。

マンガ版でその部分を読んでないので、元がどうだったのかはわからないが、アニメで感じたのは、

 ドラゴンボールに対するライバル意識。

実際ハンマーヘッドの顔がナッパソックリだとか、ボロスのヘアスタイルが劇場版ドラゴンボールに出てきたサイヤ人みたいだとか、

 何か過去鳥山先生を信望してらっしゃったのかな?

と感じる絵柄もあったりした本作だけど、戦闘シーンに関しては、

 マッドハウスがドラゴンボールを作るとココまでやるんだぜ?

と言わんばかりの絵作りオンパレード。

 一言で言えば、

 無茶苦茶素晴らしい!

ぶっちゃけつまんないシーンやイライラするところはガンガン10秒スキップ。そんなん要らないから。オレの人生には不要だから。それによって本作の評価が上向いたりはしないから。

 でもラスト2話はガチで良かった。

それまでの評価もそこまで低いものじゃなかったけど、最終2話、特に最終話前半の戦闘シーンは、

 ★★★★!※戦闘シーンに関して

思わず何度か声が出たし、グッと来た。この感じは「トップをねらえ!」や、「ジャイアントロボジアニメーション地球が静止する日」にも通じる。

 マッドハウスのDNAには、間違いなく出崎統の血が流れてることを感じさせた。

それは、僕が原作よりアニメのあしたのジョーやエースをねらえが好きだったり、あれほど原作が大好きなコブラのアニメを、一切抵抗なく違和感なく受け入れられたことにも繋がる。

 アニメで原作を越えられるのは、出崎イズムが残るマッドハウスだったからなんじゃないか、と。

もちろん氏が世を去って何年も経ってるし、今のこのスタッフに言わせれば「出崎さんなんて過去の人」なのかも知れないけど、

 ワンパンマンの最終話には、間違いなく「僕が好きなアニメ」、その血が流れてた。

原作が続いてるのか終わってしまったのか知らないし、「アマイマスク」みたいにウザい雑魚が居るのもムカ付くが、
※鳥山明だったら出さないタイプのキャラだしな。ワンパンマンの作者の小物感が見え隠れする。もしくは担当の価値観が僕とズレてるためか。

 面白くするためにマイナスの溜めは要らないことに気付いて欲しいわ。

たとえそれをすることで話を先に繋げにくくなってしまうとしても。

 ただただ気持ちよく勝利し、賞賛され、ちょっとだけ笑顔になるサイタマ。それだけでも、本作は十分面白かったんじゃないかって思ったからな。

全体通しては★★★くらい。ジェノスだっけ?弟子がノートに書きまくってた台詞は、確かにカッコ良かった。もう忘れたけど。

|

« FFBEエクスヴィアス~その493~ | トップページ | 思い出せないもどかしさを楽しむ »

コメント

こんばんは~

ttps://tonarinoyj.jp/episode/13932016480028985383

↑で146話まで漫画が公開されていますよ。
公開は不定期ですが楽しく読まさせてもらっています。

投稿: みむ | 2019年3月19日 (火) 20時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« FFBEエクスヴィアス~その493~ | トップページ | 思い出せないもどかしさを楽しむ »