光のお父さん
相も変わらずネットフリックス動画。たぶん2年くらい前の作品だったと思うけど、日本の連ドラ。いつもはあんま日本のドラマにピンと来ないのだけど、たまたま目について解説を読んでみたら、ちょっと面白そうだったのでそのまま視聴。現在2話目を見終わった程度。
いろいろ思うところがあるな~って。
主演は千葉雄大。どこかで見たことがあると思うけど、日本人の役者には全然うといので詳しいことは知らない。さわやかで優しい表情が出来る、主役としてはやや小柄な好青年。そして彼のお父さん役が、
故大杉漣。
僕はそこまで大杉漣のことが好きだったわけではないはずなのだけど、今こうして動いて、演技をする彼を見ると、何とも言えない切なさがこみ上げてくる。それは単純に彼が他界してるからと言うだけじゃなく、
他界した自分の父親を彼の中に感じるからかも
と思ったり、同時に、(父と子が同じゲームを遊ぶという)この設定に、僕と長男を重ね合わせる側面もあるのかも知れない。
本作は、子供の頃ちょっとだけFF3を一緒に遊んだ父と、成長する過程で距離を置いてしまい、でもまた仲良くしたいと思う社会人になった息子が、ファイナルファンタジーXIV(以下FF14)を通じて絆を取り戻す物語。
主人公は、定年前にいきなり会社を退職した父に、PS4とFF14をプレゼントし、父には内緒で自分もその世界に入り、父を助け、父を支えつつ、ラスボスに相当する敵を一緒に倒すと言う「光のお父さん計画」を思いつく。
「お父さんと一緒にゲームがしたい」。子供の頃置いてしまった距離を悔いつつも、大人になってその時の父の気持ちや、自分の気持ちを思い出し、かつFF14の世界で出来た仲間達にも協力してもらって、「失われた時間」を取り戻していく。
何が上手いって、「FF14のドラマ化」が絶妙に上手い。
主人公はマイディーという名前のミコッテ♀なのだけど、まずこの子がかなりカワイイ。そして(オンラインゲームを嗜んだことがある人ならわかると思うけど)、今日日女性キャラを使っていても、
女性的な言葉遣いをするネカマがそうそう居るわけじゃない。
マイディーは普通に男性的な口調。キーボードで打ち込んだセリフは、本来音声になることはないのだけど、ドラマの中では女性が声を当てていて、
その感じがとっても自然。
たとえて言うなら、「FF7以降のシリーズにあるCGムービーのデモシーン」をFF14の世界で作り上げてるような感じ。
※実際作り上げてるわけだから、決して「くだらない日々のプレイ動画」ってわけじゃないのだけど、「くだらなくない日常」のプレイ動画になってるところがミソ。見ていて、
こういう「ドラマチックじゃないCGムービー」が、とても心地よく、主人公の優しさに満ちた気持ちと相まって、こちらをじんわり癒してくれる。
ゲームの映像を直接吸い出してるのか、もしくは加工しているのかはわからないけど、登場するゲームキャラは「ちょっとテンポがズレつつも」とても表情豊かに演じてくれていて、
まことにそれっぽい。
自分が遊んでた頃はここまで細かな機微は出せなかったと思うけど、それでもリリース当時一度は触れた世界。いろんなことがわかるし、逆にわからないことが面白かったりする。大杉漣のお父さんは僕より10歳ほど上の設定だが、特にずっとゲームをしてきたわけじゃない「普通のお父さん」をよく表現しているし、「何もわからない世界に投げ出された感じ」も、自分がFF11を始めた頃の気持ちとシンクロして楽しい。感謝の気持ちを伝えたいのにキーボードがなく、方法がわからないから、
相手の廻りをグルグルと回って去っていく
リアルな話をしてしまえば、開始間も無い不慣れなお父さんが、あそこまでスムーズにキャラを動かせるのか、ってこともあったのかも知れないけど、
その時は何の疑問もなく、「だよな~」って口元が緩んでしまう。
最初はある種FFのプロパガンダみたいなドラマなのかとも思ったけど、少年の頃の主人公と、今の彼のルックスがとてもしっくりと来て、それでいて要所要所で流れるFFのメインテーマアレンジにもグッと来てしまう。てか、
OPテーマも相当イイ。
調べたらGLAYが歌ってて、これまたしっくり。僕の中のGLAYのボーカルと言えば、つまりはFF8の主人公スコールのモデルでもあり、キャラデザイン野村哲也のDNAを紡ぐFF14の世界とも絶妙にリンクする。
良くできてるなぁと素直に感心するし、その完成度だけじゃない、もっと情に訴えかけてくる要素、前述した既に死別している父や大杉漣、子供と遊ぶゲーム、自分がやっていた頃どうだったか、みたいなことも幾重にも重なって、
こういうドラマって、他には無いよな
と思った。てか、僕はみなさんもご存じだと思うけど、昔っから子供とゲームをやりまくってきているので、決して劇中のお父さんのような気持ちや行動はしないし、したくても出来ない。でも一方で全くゲームをしてこなかった「今でも普通のお父さん」が見るのとはまた違う視点で、彼とその子供の関係を楽しむことが出来る。
誰が見ても同じ気持ちになるわけじゃないことがわかる。
そして、
僕が見て感じたことは、きっと僕だけのもので、それって結構貴重っていうか、かけがえがない事なのかも知れないな、と思う。
でも、
だからと言って一気に全話見るには、どうにも重そうな側面もある。先々どうなるのかわからないし、物語には往々にして「マイナスの溜め」が付きものなのだ。お気楽極楽だけで紡がれていくようにも思えないし、まぁこれは僕が日本のドラマに不慣れなせいもあるとは思うけど、、、
ちょっと落ち着かなかったりする。「楽しみ方がわからないところもある」と言うか。
・・・
それでも僕の評価は結構高い★★★。とにかく(ゲーム中のキャラも含めて)キャストが素晴らしく、独特の一瞬ズレるところもリアルでイイ。FF14経験者、子供の頃でも今でも、自分の子供と一緒にゲームをあそんだ経験のある父親、今でも遊べる可能性がある人なら、これを見て何か思うことがあるんじゃないかなぁって思ったよ。
てか、ちょっと長男とFF14を(最初から)始めるのもイイかも知れないなって思った。まぁ今のFF14がそう言ったマルチにどう向き合ってるのかは知らないけど。てか、今エクスヴィアスを一緒にやってるフレンドの人とかでも、一緒に遊べたら楽しいんじゃないかなぁって思ったりもしたな。
物語がハッピーエンドになってくれればいいなって思う。▲▲。
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コメント
FF14かー いいよー
今公式で安く買えるキャンペーンやってるみたいだし
あれだったらお誘いは夜23時ごろに電話してください
投稿: 長男 | 2019年3月30日 (土) 03時02分
クリスさーん!こんばんわー!ヽ(・∀・)ノ
光のお父さん・・・懐かしいですね!
私のFFBEの師匠だった人に「FFのドラマだよー」って教えてもらって見たのを覚えています
確か深夜枠だったと思いますが、凄い良かったです!
また見たいなぁー(*´-`)
投稿: まぐろ | 2019年3月30日 (土) 22時45分