写真加工の話
僕には今、同窓会の写真を合成、加工して一枚の大きな写真を作るブームが来ている。ゲームやアニメと言うオーソドックスな娯楽を差し置いて、ともすれば作業、ボランティアとも言えるこちらを優先しているのは、何も僕が愛校精神溢れる出来杉くんだからではない。
単純にこちらの方が楽しいからだ。
古いフォトショップをヤフオクで買い、ベースとなる写真屋が撮った8Kの記念写真2枚(人数が多くて分けられた前半のクラスと後半のクラス)をひとつに押し込めつつ、その時撮った写真を切り貼りして貼っていく。
15年前にも似たような「笑顔だけ」を切り取って集めた合成写真を作ったのだが、今回は割と2人や3人で写ってる「仲良し」の写真が多かったことと、(前回手に入らなかった)ベースとなる写真があることが手伝って、
かなり面倒な手順を踏んで進めている。
具体的には、「外周部の人物を元画像から切り出して、重なった時に背景が見えないようにする」。
理由は不明だが、ウチのPCは「範囲選択中にいきなり決定される」症状があり、大きくて細かな塊を切り出そうとすると、
途中で泣きたくなるような状態で強制選択されてしまう。
つまり切り出しが最初からやり直しとなる。
今は多少学習して、一旦外周を囲むように切り出した後、余白をカットしてく方式にして、「絶望」は概ね退避出来るようになった。
まぁたまにはあるが。
僕は貧乏性というか、「高密度」が大好きなので、
※ブログのタイトルにも現れている
余白というのがどうも落ち着かない。芸術作品であるなら、「何もないところが語ること」があると思うし、テキストでもそれは僕自身意識することがあるが、
こういう記念写真は「話は別」である。
ちなみに僕らが高校卒業の頃、すなわち1989年の頃の卒業アルバムは、リアルな写真をハサミで切って、原稿にノリで貼り付けていく形で作った。当時一緒にやっていたメンバーが今回も中心となって一緒にやってくれたが、僕達にとっては、そして当時としては、出色とも言える高密度なクラスページに仕上がったと自負していた。
しかし、
先日母校の卒業アルバムから同窓会に使える写真がないか撮らせてもらいに行った際、最近(と言っても5年くらい前)の卒業生のページが、
僕らとは比べものにならないほどの密度感で仕上げられていた。
なぜか。それは、、、
プリクラがスゲェ貼ってあるのだ。
プリクラは大きさが小さく、情報量が多い。外周全てプリクラというクラスもあり、細かさと充実感、そしてデザイン的な統一感も「なかなかやりよるわ」と言う感じになった。てか、
結構羨ましかった。
そしてまた、たぶん時代として実際の紙の写真を切り貼りすることも無くなっているだろうことも想像に難くなかった。つまり、フォトショップであるかどうかは別として、デジタルパブリッシングな手順を経てクラスページが仕上げられるようになっていて、
それがちょっぴり悔しかった。
僕はフォトショップのスキルが1~10の中で2くらいしかない。「わかりにくい」例えをするなら、
かけ算が出来ないので足し算を繰り返して何とかするタイプ
だ。
なので、決して仕上がりはキレイとは言えないし、時間も相当掛かる。ただ、それでも楽しくやれているのは、
僕なりのセンスやレイアウト、物理的な作業量を物ともしないモチベーションの高さがあるからだ。
当時ハサミで切り貼りしていた楽しさが、まさに今蘇るよう。特に今なら大きさも明るさも、あまつさえちょっとした加工(目を大きくする、みたいな)すら出来てしまう。パズルのピースのように隙間を次々と笑顔で埋めていく。8K以上(二個イチにしているので)の解像度に、小さな小さな笑顔の写真を貼り付ける。
パッと見はその存在にすら気付かない。
だがしかし、拡大に拡大を重ねていくと、「辛うじて見つかる」。
魂はディティール(細部)に宿る。
僕以外の誰一人この子の笑顔に気付かないかも知れない。でも僕は知ってる。下の写真の指が、上の写真の鼻の穴に刺さっていたとしても、先生の話に露骨に「長ぇ」と愚痴をこぼしていたとしても、気付かない人は全く気付かないだろう。ただ、
誰かが細かなところまで見てくれるかも知れない。
弁当に貼り付けられた同窓会シールを10箇所くらい貼り付けてみようか。
集合写真を全て同じ顔にするのも面白いかも知れない。
こっそりとほっぺにチューしてるように配置してもいい。
間違い探しのようにソックリな写真を並べてもいい。
小さな女の子と大きな女の子の顔をすげ替えてやろうか。
隙間という隙間に集合写真の顔を切り貼りしていこう
・・・
見た人が絶句するような写真が作りたい。しばらくして、「スゲェな、、、」とボソッとこぼしてくれるような写真にしたい。さらに時間を置いて、
なんか、、、ありがとう。マジで。
と言ってくれるような写真を、同窓会の最後の記念にみんなに送りたい。
そんなの、楽しいに決まってるのだ。
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