プロメア
自分の若さを感じる時。
昨日知った映画を、今日見に行った時。
誰と行くとか、いつ行くとか。いろんなしがらみを捨て、すぐ翌日、、、正確には、その映画のことを知ったのは既にその日の上映が終わってた後だったわけだから、「最寄りのレイトショー」で、片道30分ほどの映画館に車を走らせる。
メガドンキと併設されたユナイテッドシネマズ豊橋は、18の映画館が固まったシネコンだが、
駐車場に止められなくてまず困る。
立駐の1階を一回り。2階を二回りして、ヘッドライトを点けた車の前でゼスチャーをする。「出ます?」「出ますあちらへ」。
車を降り、まずはチケット売り場へ。5/24から始まったこの映画が、今でも混雑しているとは到底思えなかったが、指定席ならば、あらかじめ自分の好きな席を取っておきたい。
開始が21時15分。僕が到着したのが、20時30分。
こんなに早く着いたのに、不満の残る席では浮かばれない。
そんな気持ちでチケット売り場へ着くと、、、
「!!!」
なんだこの大行列は!今日は「君の名は2」の初日か!?
ポールによって仕切られたルートは尽き、あまつさえ屋外にまで行列は伸びていた。
こんなのいつぶりだろ、、、。
なんだかちょっと嬉しくなりつつもスマホをいじりながら順番が来るのを待つ。ちなみに自分の番が来てその理由の片鱗がわかったのは、
どうやらカード会員は金曜が1000円らしい。
レイトショーでも1100円。7/19以降は1200円になる。1000円で見られるなら、
※7/19以降は1100円
確かに狙ってくるのもわからないでもない。
それにしても長い列だったけど。
お目当てはアラジンか、はたまたX-MENか。
ともかく、今更プロメアを見る人も居ないだろうと思いつつオーダーすると、席は自由席だという。
ほら。大したことない。
時間がありまくったので、1階のゲーセンを一回り。キャッチャーがあり、音ゲーが死ぬほど大量にあり、対面筐体のオーソドックスなビデオゲームもあったけど、
そのゲーム以外のゲームが画面に映っててビックリ。
軽い浦島気分。ついでに、
ガシャの価格が「400円~600円」とかになってて、
これもビックリ。当時は高くても300円とかだったのに、、、重度の浦島気分。
ともかく、たばこ臭いゲーセンは好きではないので、適当にその場を後にしつつフロアを移動。18スクリーンの席数は知らないが、少なくとも多いってことはないだろう。
全18スクリーン中の、№18なんだから。
トイレのあと、ロビーで№18を探す。きっと物置のような扱いを受けているに違いない。もしかしたらスクリーンは2m四方くらいしかないかも、、、
「しばらくお待ち下さい」
看板が立っていてまだ入れない。真横のベンチで時間を潰していると、ほどなくしてアナウンスされ、いざ入館。
席数は確かに多くはないが、スクリーンはイオンの一番小さいところよりは全然大きい。いつも通り、なるべく視界いっぱいにスクリーンが来るように、割と前の方の、通路手前センターに座る。僕的にはここがベストポジションだ。
果たしてその後、僕が結構なカルチャーショックを受けることになる。
なんと、
ビックリ!
席がどんどん埋まっていく!!
こんなに埋まってるのは、君の名はを見て以来じゃないだろうか。
確かに僕の前に座る人は居なかったが、ざっと見て60%くらいは埋まってるように見える。
「そうか!」
つまりはそう言うことなのだ。さしてメジャーでもないアニメ映画。続編でも無ければ、大作でもないし、ジブリでもしんちゃんでもドラえもんでもない。山崎貴監督でもないし、ホントにコアなファンにしかわからないような作品だ。
それが、開始1ヶ月を過ぎても上映しているのだ。
「人気がある」証拠なのだ。
ともかく、そんな内容に無関係な情報にはさほど踊らされない。予告を見ながら、、、
・ターミネーター、、、まぁまぁ面白そうだな
・ドラゴンクエスト、、、オレはフローラと結婚したいんだけど?
・ライオンキング、、、ファブローだけど、DVDでいいや
・天気の子、、、新海監督の新作。死ぬほど面白そう。見ずに死ねない
そんなことを考えつつ。てか、トイストーリー4は全く一切これっぽっちもそそられなかったが。
てか、本編の感想に一切入る前にすでに100行超えているが、もちろんそんなのはノープロブレムだ。
「プロメア」は、アニメスタジオトリガーの作品で、監督は今石洋之。脚本は中島かずき。グレンラガンやキルラキルのコンビが送る、2時間弱の劇場版オリジナルアニメだ。
結局トレーラーも見てしまったが、正直言ってあまりピンと来なかった。
果たしてホントにこれが映画館に行くと面白く思えるんだろうか、、、
そんなある意味マイナスの印象すら受けるトレーラーだった。
だったのだが、、、
・・・
・・
・
全く一切ちっとも、問題はなかった!!!!!!
トレーラーの映像は、ハッキリ言って本編の良さの、
「0%しか伝えてない」。
つまり、一欠片も伝わってない。
著しくエネルギッシュで、呆れるほどハイテンポで、思わずこみ上げる笑いと、震えて目頭が熱くなる展開。
ある意味新海監督の対局にあるような作品だった。
一枚の絵の情報量は極めて薄い。さらに言えば秒間のカット数も決して凄く多いわけでもないだろう。ある意味紙芝居のようなパラパラ感を伴って、
怒濤の「アニメーション」が展開する。
かなりの量CGも使っているし、
※人物はトゥーンレンダリングっぽくはない
ともすれば、何がどうなってるかわからないシーンも、
多々ある
ものの、
「瞬きが惜しい」
「意識が逸れることが許せない」
何一つ残さず見なければ、、、。
アホウかと思われるかも知れないけど、今回見ていて初めて、、、
口も開けてみようとすら思った。
なんか、「口からも情報が得られるんじゃないか?」そんなワケの分からないことすら浮かんでくるほどに、
一瞬で持ってかれた。
始まる直前の予告では、あまりに「天気の子」が面白そうで、
「プロメア来たの、失敗だったかなぁ」
なんてことすら思っていたのだけど、今は違う。
「天気の子、プロメアは超えられないな。間違いなく」
好みは確かにある。どこまで言っても今石洋之は「ロボットアニメの監督」だし、トリガーのキャラデザインや声優選定は、一般層のウケを狙ったモノじゃない。だから、女の子と一緒に来ても、その子は僕ほどにはきっと楽しめないとも思う。そうは思うのだが、、、
僕の10分の1しか楽しめなくても、満足するんじゃないか。
そこまで僕の中の満足感は高かった。
ああ、僕の後ろにいるお客さんは「みんな2回目か、2回目の人に連れて来られた人なんだな。あ、3回目ってこともあるか」。
見る前は、友達やパートの子供を連れてこようと思ってた。そんな映画はそうそう無いのだけど、
コレはイケルと、なんの根拠もないのに、自信があったから。
見終わって思ったのは、
やっぱり誰かを連れてくれば良かった・・・。もったいないことした。
連れてきていれば、その子がきっと、「連れてきてくれてありがとう!」と満面の笑みで、僕に感謝してくれただろうに、、、。あーもったいないことした!
てか、200行以上書いていて、未だに一切のネタバレを書いてない。ただ面白かったってことだけを書いているだけ。よっぽどクリスは楽しんだんだろうね。この映画。
全くもって楽しんだ。現(うつつ)の悩みやストレスを全て忘れて、今この瞬間に自分のリソースを全て注ぎ込んだ。僕は映画館にひとりだけ。僕とスクリーンの間には、空気すら無い。僕の体には意識が末端まで届いて無くて、目と耳と口だけが映像と音声にリンクしてた。
主人公がかっこよかった。
ライバルがかっこよかった。
ヒロインがかわいかった。
悪役もイイ感じだった。
話も面白かった。
メカも笑っちゃうくらいよかった。
セリフは、ちょっと恥ずかしかった。
音楽も震えるほどよかった。サントラが欲しくなるほど。
・・・
決断して、見に来て、本当によかった。
「プロメア」クリス評価★★★★☆。今年のクリスアワードは同窓会に決まりだと思っていたが、対抗馬が現れた。
グレンラガンやキルラキルが好きな人は、心臓が止まってても行こう!
きっと動き出すはずだ。
・・・
最後ひとつだけ、ネタバレというか、ネタバレじゃないコメント。
敵のロボが最高にかっこよかった。あれは、ここ5年で1番かも知れない。惚れたわ。
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