天気の子
※まずはネタバレなし、、、のつもり。警戒する人は読んじゃダメ
ネット予約解禁日を毎日チェックして、サントラまで予約&前日に届いたサントラの歌有り曲を相当聞き込み、あまつさえ日中は君の名はを再度視聴してテンションを高めると言う、
監督が聞いたらむせび泣くのではないかというほどの気合いを入れて見に行ってきた。
イオンシネマ7番スクリーンH16。
てか直前に確認したら、真ん真ん中はH列の場合は16じゃなく15だったかも知れない。よく見ると左右非対称なんだよね。あと、平日スタートだったこともあって、全然空いてた。これならG列のがよかったかなって。
→スクリーンは16:9で海外の映画にたまにあるような「さらに横長」じゃなかったから、H列では「視界一杯」という感じじゃなかった
予告は、ターミネーターと、引っ越しの時代劇、ドラクエ、山崎監督はドラクエだけじゃなく、戦争映画も。どんだけ撮ってるんだよこの人。
あと、三谷幸喜がなんか面白そうなの撮ってたみたいだけど、全然覚えてない。そして、、、
(スッキリ忘れてた)ヱヴァの新作トレーラーも。
「2020年6月」と言われても、正直ピンと来ないというか、彼のやることだから、
むしろ延期した方が質が上がっていいんじゃないの?
と言う気すらする。
天気の子は、既に周知とは思うが、君の名は。の新海監督3年ぶりの新作だ。あれからもう3年経ったの?って感じだけど、たぶん経ったんだろう。ちなみに僕は、
君の名は。→言の葉の庭→秒速5センチメートル→雲のむこう、約束の場所→天気の子
と言う順で見ている。全ての作品で美しい背景画が見られるし、定評があった雨や水の描写も当然「天気」を扱う作品なので、多々出てくる。
丁度梅雨のシーズンだというのも、あながち無関係じゃないのかも
と思いつつ、そう言う「仕掛け作り」に関しても、新海監督っぽさみたいなのを感じた。
5作品見て感じたのは、監督が意外と「僕の感性」に近いと言うことだ。オタっぽい回想のセリフがあったり、凄く細かな描写をこだわり抜く価値観、一作も見る前の印象は、「アンハッピーエンドの監督」という印象があったけど、実際は「秒速・・」以外は普通にハッピーエンドと呼んでイイ終わり方。
目立った「嫌なヤツ」はほとんど出て来ないし、
※天気の子の話じゃないデス念のため
キャラクターデザインに関しても、特にオタ向けってこともない。さらに言えば、多少の芸能人声優は使ってるけど、駿監督ほど露骨じゃない。てか、
違和感さえなければ、芸能人使っても構わないとも思う。
過去作で言えば、木村拓哉とかは全然しっくり来たし>ハウルの動く城。
まぁ好みもあるだろうけど。
ともかく、ネタバレを一切せずにこの作品の感想を書くとするなら、
新海監督らしい美麗な「背景と雨描写」がこれでもかと有り、
新海監督らしいJ-POPを巧みに活かした場面作りが凄く上手くて、
深海監督らしいキャラが、深海監督らしい話作りで展開する映画
だった。
面白かったかと訊かれれば、答えは間違いなくYES。ただ、君の名は。より良かったかと訊かれたら、、、
たぶん答えはNO。
でもこれは正直フェアじゃない。
君の名は。を見たときの僕は、新海監督の作品をひとつも見てなかった。監督の作品はどこかしら他の作品とリンクしていたり、雰囲気や、ジャンル
※SFとラブストーリーの繋がり方とか
が近い。それらをひっくるめて、
(見飽きてるとは言わないけど)鮮度が薄れてしまっていた感が否めない。
もし君の名は。を見る前に、他の新海作品を見る前に、天気の子を見ていたとしたら、
評価は逆になっていたかも知れない。
つまり、単体の映画としては、
十分過ぎるくらい面白かった。
一秒飛ばしたいシーンもなく、先が気になる展開で、、、つってもやっぱ二番煎じじゃないけど、君の名は。を見たとき衝撃を受けた都市の背景描写は、本作では普通に流し見てしまってたからな。音楽の使い方とかも、、、。
ちなみに、背景描写で「過去作には無かったよな?」という演出がひとつあった。
精緻な背景画の視点を回転させるシーンがいくつかあった。
たぶん、そこそこ多いポリゴンに緻密なテクスチャを貼って回してるのだと思うけど、
コレを動かすのかっ!
って思った。多くの視聴者はピンと来ない細かなところだろうけど。
クリス評価は★★★★かな~。ホントは9点を期待して行ったので、ちょっぴり裏切られたというか、
期待過剰になってしまってたのが申し訳なく思ったり。
まぁそれでも「8点」は相当高いけどね。他の年ならクリスアワードもあり得るレベルの内容だった。
・・・
以下ネタバレ入って行きます。
・・・
まだ見に行ってない人は、読んじゃダメ!
・・・
読んじゃダメよ?普通に数年に1本のアニメなのは間違いないから。
・・・
ブラックバックのスタッフロールの後にはシーン無し。「監督 新海誠」で終わりなので、急いでる人は席を立っても大丈夫。
・・・
以下ネタバレ箇条書き。
・キスシーン無し!まぁそれは雰囲気的に押し込めない感じだったからしょうがないけど、ちゃんとハッピーエンドになったのは凄く良かった。
・弟のキャラが素晴らしく良かった。そりゃモテるだろうなって思ったけど、重要なのは彼が「貧乏なのにモテる」と言うことだ。内面的なかっこよさがにじみ出てた。その、
違和感がなかったことが凄いと思った。
ただ「モテる弟」と言うだけじゃなく、主人公から「先輩」と呼ばれることに違和感を感じない完成度の高さが良かった。凄くしっかりしてるし。ジョークもわかってる。てかコイツは、
ガールフレンドにも「一緒にお風呂入る?」って言えるチャラ夫だろうな。
でもって最初は「えーーー!?ムリムリムリムリ」って言われて、「残念」とか言って、さらに彼女の気持ちをかき乱したりするんだろうな。
オレ、49歳だけど、先輩って呼びたいわ。
・声優は、とにかく平泉成が違和感ありまくり。アクが強すぎてすぐわかっちゃった。他は、ほぼ問題無し。神木君と比べたら、今回の主人公は今一歩ではあったけど、それは神木君が天才だからで、しょうがないところ。三葉の上白石ちゃんと、今回の子は同じくらいよかった。小栗旬は、相変わらず問題無し。上手い。
・音楽の使い方は、ほぼ君の名は。と変わらないレベルで、正直既視感にも似た印象を持ったけど、事前に訊いてた中の「グランドエスケープ」が、
本編での最大のカタルシスポイントで、最高だった。
震えたしちょっと涙も出ちゃったし。特に、家ではそこまでビッグボリュームで聴いてたわけじゃないから、劇場で「強めの圧」がブレンドされたときの迫力は、
相当タマラナイものがあった。
もうそのシーンで終わってしまってもいいんじゃないの?ってくらい。そこから先のシーンは、例えば言の葉の庭で言えば、劇中で語られない、ノベライズでのみ触れられるエピローグみたいな感じで、
「君の名前は?」
と訊く前作のクライマックスとは、ちょっと意味合いが違う感じだった。
確かに、言の葉の庭は、「あのあとの幸せな二人」が凄く気になったし、こうやって最後二人がしっかり再会するところまで描いてくれた方がスッキリすることは出来るんだけど、、、。
指輪を出すタイミングがなかったのもなんだかちょっと残念だったし。
「こうすればさらに良かったのに」という、「自分なりの正解」があるわけじゃないから、これはこれで良かったと思う以外ないのだけど、
この映画をさらに何度も見る為に通うかって言われたら、そこまでじゃないかなぁってのが本音なんだよね。
・水のシーンが多すぎる。確かにウリにしてるのもわかるし、決して同じものはないんだけど、ここまで出す必要性が果たしてあったのかって感じはした。何か、
キレイなのはもうわかったから。
って思ってる自分が居たんだよね。テンポが崩れたわけじゃないから、「繋ぎ」としての役割だったのかも知れないけど。
・ヤンキーの処理が上手いと思った。主人公をぶん殴ってくる、本作数少ないヒールだけど、途中警官に追われるシーンで「見てる側の溜飲を下げてきて」、さらに終盤家族と一緒のシーンを映して、マイナスの印象を払拭してた。
こういうとこ、新海監督めざといよな、って。
他の監督は絶対やらないフォローだと思う。嫌いじゃないです。
・圭ちゃんが娘とデートって言うのとか、娘のために晴れにして貰うとか、これがあったから、最後警官の邪魔をする彼の行動に納得出来るなって。まぁデートと順番は逆だけど。
あと、ナギ君(弟)が、圭ちゃんの娘と一緒にご飯食べるってのも、
さすがパイセン!って思った。
一方では帆高に気を遣って二人きりにさせるのだけど、もう一方では、「女の子を楽しませる為に残った」感じ。年下だけど、先輩ならやりかねない。実際娘とのデートでも顔を出してたわけで、
将来的に圭ちゃんの娘とナギ君が結婚する未来まで見えたわ。
てか、
言の葉の庭の先生が君の名は。に出てきたり、今回三葉と瀧君が出てきたりしたので、
次回はまた今回の帆高と陽菜の未来も見せてくれるのかな、って期待してしまう。
結構強く楽しみ(^^。
・サントラの曲目で多少ネタバレがあった。ここは見た人しか読んでないと思うので書いてしまうけど、「消えゆく陽菜」「真夏の雪」「晴天と喪失」なんかは、かなり直球。さすがに僕みたいにサントラを聴き込んでから見る人は少数派だとは思うし、言うほど強く覚えてなかったっちゃ覚えてなかったけど、それでもネタバレには違いないかな、と。
・中盤の幸せなシーンが結構辛かった。幸せなシーンは大好きなのだけど、君の名は。も言の葉の庭も、秒速・・も、どれもこれも「幸せな時間は長くは続かない」的な展開があまりに多すぎて、
もはや警戒警報しかない。
フラグと言ってもイイ。まぁ言うほどマイナスでもなかったかも知れないけど。
・生命感のある水を使った演出に、どことなしか「バケモノの子」を思い出させたり、巨大な竜に「千と千尋の神隠し」のハクを思い出したり。パクりってほどじゃないけど、鮮度は抑えられてしまったのは間違いない。
・今回はかなり早い段階で帆高が陽菜のことを好きだと認識してくれたのが良かった。何つか、「好きに決まってる」ってこっちが思ってるのに、それを執拗に否定するとか、
ウザいだけだし。
てか、まさかの15歳だよな~。だから最後高校の制服だったんだろうけど、
※ここで高校の制服を着せるために15歳にしたんだろうな、と
同い年じゃダメだったのかなぁ、、って。
「オレが一番年上」ってのは、言うほど効果があったとは思わないし。別に帆高が最年長じゃなくても、全然話は通ると思ったし。
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とりあえず君の名は。を見て面白かったって人は、裏切られるほど悪くはないと思うけど、でもやっぱり越えられなかったって人のが多いだろうな~とも思った。「面白かったけど」みたいな。
つか君の名は。の良かった点は、「まさかあそこまで大きな話になっていくとは思いも寄らなかった」という、「強烈な良い裏切り」だよな。男女が入れ替わってドタバタのコメディだけでも1本撮れるネタなのに、それが触りだったってのが、一番凄いとこだったと思う。そう言う意味では天気の子には裏切りがなかったからな。3ヶ月くらいはやってるカモ知れないけど、数字で越えるのは難しいだろうな。
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コメント
クリスさん、皆さん、こんばんは(*^▽^*)ノ
観てきました。
僕も君の名はの方が好きです。
確かに先に見たら違うかも知れませんが。
あの2人が出てきたのは嬉しかった(^-^)
黒ブラの奥寺先輩や夏美のようにヒロインよりサブの二人の方が好きです(笑)
投稿: KC | 2019年7月20日 (土) 19時54分