ペンギン・ハイウェイ
★★★★☆。
こんなことがあるから、人生って楽しいって思う。教えてくれたゴローさんに最大の感謝を伝えたい。
本当にありがとう。
名も知らぬ監督、名も知らぬアニメーションスタジオ。いつの映画かもよくわからず、どんな映画か、トレーラーすら見ていない。
でも、勧められて、躊躇わずDVDを借り、休日、真っ昼間から雨戸を閉め切り、28度でエアコンを付け、足下に扇風機を当てて、再生ボタンを押す。
最初はスマホをいじりながら「ながら見」をしようと思ってたけど、始まって数秒。
たまにしかない、「確かな感じ」が画面から流れ込んできた。
僕はすぐさまスマホを脇に置き、画面に集中する。
こんなことがあるから、自分の窓はいつも開けていたいと思う。
楽しめる映画、面白いと感じる作品は少なくない。でも、普通に生きていて必ずしもそれをベストな状態で触れられるとは限らない。たまたま見てしまったバラエティにネタバレがあったり、体調が悪くなってしまったり、、、。
そもそも存在を知らずに毎日を過ごし、そして老いて、その楽しさがわからない年齢になってしまったかも知れない。
出会えて良かった。
どこぞの映画批評では、5人のユーザーが全て満点の評価をしてた。知ってる人は知ってるのだろうけど、少なくともジブリやディズニー、新海監督ほど有名じゃない。僕のこのブログを読んで初めてタイトルを知った人も、少なくないんじゃないかと思う。
見た人全員が感動したり、満足したりするとは限らない。
でも、
僕がこの映画を勧められる人は、、、
凄く多い。
「彼方のアストラ」がそうであったように、僕の中の楽しいや、幸せを、誰かにも共有してもらいたいって思う。見た人に、「面白かった」と言って欲しいなって思う。自分と同じ価値観で、自分と同じ視線で、最初から最後までずっと画面に釘付けになって欲しいと思う。
現実がつらかったり、キツかったり、凹んだりしてる人でも、
この映画を観て、笑顔になって、ちょっぴり涙を流してもらえたらいいなって思う。
今から借りに行こう。あなたの記憶から消えてしまう前に。「ペンギン・ハイウェイ」。一つ一つの単語は至って普通。二つ合わせても特筆する個性がにじんだりもしない。だからこそ、忘れてしまいやすい。でも、
忘れずに見てくれたら、きっと、幸せな時間が過ごせる。
最高の映画だった。
季節も夏にピッタリ。
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以下蛇足。ネタバレはないと思う。
とにかく主人公のキャラが良かった。「頭が良く、感情的にならない。クールと言うより冷静な小学生」。何でも分析して考えて答えを出そうとするそのスタンスが、どうにもかっこよく僕好み。「魔法科高校の劣等生」の司馬達也を思い起こしつつも、彼ほど身体的に優れてるわけじゃない。
また、出番は少ないながらも彼の父親がまた最高。わずかな情報しか子供に与えてないようでいて、それが常に正鵠を射つつ、これまたかっこいい。こういう父親だから、「アオヤマくん」は、こんな風に育ったんだろうなって思う。
友達のウチダくんもとてもイイ感じ。最初は女の子かと思ったけど、こういう子が居ると居ないじゃ全然違う。
二人のヒロインも最高。「おっぱいが大きいお姉さん」と、「頭が良くてチェスが強いクラスメート」。なにやらアオヤマくんは、将来お姉さんと結婚する予定らしいけど。笑。
こういうアニメだと、芸能人を声優に使いたがるもので、お姉さんなんかは、多少の違和感が残ってたりもしたのだけど、ギリ及第点。美人でスタイルが良くて、面倒見もいい年上の歯科衛生士。
実生活なら100%彼氏が居る。
でもこれはファンタジーなので、そう言うのは無い設定。ありがとう監督。夢を見させてくれて。
キャラクターの作画は、細田監督っぽい。実際関係があるかはわからない。背景はさすがに新海監督には及ばないまでも、雰囲気はとても良く、見ていてノイズにならない。綺麗過ぎる背景は、時として物語を楽しむ邪魔になることもあるし。
話ももちろん悪くないのだけど、それ以上に心を奪われたのは、
その展開、過程。
子供中心で進むジュブナイルテイストの綴り方に、キレイなお姉さんがイイ感じにブレンドされて、マイナスの溜めも、テンポのよどみも、嫌なヤツも出て来ない。
※バカは出てくるけど
すごくしっくり来る。
このままずっとこの時間が続いていけばいいのに、って思うほど、彼らの毎日がステキで、心の中がどんどんキレイになっていく感じ。いい人になっていく感じがする。
この映画を楽しめる自分で良かったなって思う。
誰かひとりでも、僕のブログきっかけで見てくれたら嬉しいな~。
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コメント
こんばんは、クリスさん。
オススメした甲斐があると言うものです(笑)。
私などは思わずプレミアがついてる完全設定資料集を買ってしまいました。
つーか、アオヤマくんシリーズとか続編が書かれても良いのでは?!と思うほど、彼の魅力が際立つ物語でした。
あ、ストレンジャーシングス大解剖、クリスさんの記事で興味持ってみましたよ。サイコロを振る彼への総ツッコミに私も爆笑です。
大人も子どもも楽しい映像作品、ジュヴナイルこそ愛すべきジャンルであります。
投稿: ゴロー | 2019年8月 9日 (金) 23時32分
ちすゴローさん、「考察」は読んで下さいましたか?実はあのあと「その2」も書いています。近日中にアップすると思いますが、
クリスって妄想結構派手にするよな
と思って貰えると嬉しいです。てか、むしろゴローさんとLINEとかで3時間くらいペンギンハイウェイの話をしこたましたいくらい。同級生の女子にひとり視聴済みの子がいたのですが、
お盆でお孫さんが来てて忙しく、僕の相手をしてくれない(^^;。
そもそもリアルタイムに劇場視聴組なので、細かなところは(年齢もあって)忘れ去っていそうってのもありますけどね~。
ちなみに、まだ読んでない「その2」の先に、さらに今思い浮かんだファクターもあったりします。ゴローさんは山崎監督の「ジュブナイル」は見られましたか?もしかしたらアオヤマ君は、「本当に凄く偉い人」になるのかも知れないな~なんて思ったりもしますよ。
と言うか、確かに凄く魅力的なキャラクターなのですが、続編に関してはなかなか難しいと言うのが僕的な思いです。理由は、
お姉さん以外のメインヒロインは、彼には不似合いというか、お姉さんの存在を希薄にして欲しくないから。
物語を紡ぐなら、どうしてもヒロインの存在は不可欠。ハマモトさんもとても魅力的だし、ラストにアオヤマ君に抱きついたところを見ても、友情以上の好意を抱いているのは明白なのですが、それによってアオヤマ君のお姉さんへの思いがグラ付いたりはして欲しくないのです。
人の思いは時間と共にどんどん薄れたり変わったりしてしまうけれど、彼の信念、彼の思いは、何としても結実までこぎ着けて欲しい、そう思うんですよね。
まぁだから考察を二つも書いてるわけですけど!笑
ストレンジャーシングスはまだ3rd見始めていません。何かきっかけがあったらガッツリ見るだろうな、とも思うんですが、2ndで割と綺麗にカップル成立してるので、そこからまたヒビが入るのがイヤなのかも。まぁ近々見るとは思いますが。
ジュブナイルストーリーはホントにイイです。と言うか、オトナになったからこそ余計に惹かれる部分がありますね。と言うか、そもそも僕は子供が好きなんですよね。しょっちゅう言ってますけども。笑
投稿: クリス | 2019年8月13日 (火) 01時44分