アクアマン
僕は昔から大げさな映画が好きだ。いわゆるブロックバスターとか、ビッグバジェットとか言われる、ハリウッド超大作みたいな映画が大好きだ。同じ映画なら少しでも大きなスクリーンで見たいし、同じ時間ならより濃密に過ごしたい。貧乏性だけど、お金を掛けてる映画と掛けてない映画なら、掛けてる映画の方が「得した気がする」。
アクアマンはDCユニバースのヒーローだ。マーベルと双璧を成す、、、とまでは今のところ行けてない気がしないでもないDC陣営。正直その最大の理由は、
スーパーマンの魅力が弱いからではないか。
と思ったりもするが、まぁそれはともかく。
アクアマンはそんなDCヒーローの顔見せ的作品「ジャスティスリーグ」で招集された新顔の一人。作品では特に細かなエピソードまで掘り下げることも出来なかったから、
ただの毛むくじゃらのオヤジ
くらいの印象しかなかったが、本作を見ていろいろ氷解&理解。
なかなか大きなバックボーンを背負ってる人だった。
まず一番驚いたのが、
最後のスタッフロールで、プロデューサーが「ロブ・コーエン」だったこと。
監督のジェイソン・ウォン?だっけ?は知らないし、主演のジェイソン・モモアも、アクアマン以外知らない。サラッとウィレム・デフォーやニコール・キッドマンを使って来た辺り、それなりの本気は感じたものの、
特に見知ったスタッフでもないのに、思いの外面白かった理由が、「ロブ・コーエン」の文字で全てスッキリした。
僕は氏の作品が大好きなのだ。お金を湯水のように使って、派手な絵作りをし、細かなつじつま合わせは「まぁいいじゃないか」と言わんばかりのご都合主義。
ご都合主義にもいろいろあるけど、僕的には、氏のさじ加減が丁度いいのだ。
なるほど面白かったわけだ、と。
他にもいいところは一杯あった。
・ヒロインがそこそこキレイ
・ヒロインと恋仲になる
・ヒロインも強い
・ヒロインの谷間を強調しすぎ
・ヒロインの出番が多い
・・・「ヒロイン」って言いたいだけじゃん、、、。まぁそう。
主人公は「アーサー」という。そんな名前だったのかよって感じだけど、それについてはちょっとした伏線というか、、、
もうそれだけでネタバレになってるんだよな。ぶっちゃけ。
もう公開して、レンタル開始して、さらにネットフリックスに入ってしばらくたつから、ネタバレに関しては許して欲しいとも思うけど、
特に他のDCヒーローと絡めなかったのが凄くいい。
僕がぶっちゃけマーベルを「あんま好きじゃなくなった」のは、あまりにも続き物的アピールで、「一見さんお断り」なテイストを打ち出したからだ。シリーズ物はファンにはより楽しめるが、いきなり見た人には強い疎外感を抱かせる。ゲームでもそう。導入部で初心者を蔑ろにしたゲームに名作は少ない。
※本音では「ない」と言いたいところだが
ジャスティスリーグのあとの作品なので、ちょっとでも気を抜けばワンカットでも他のヒーローのニオイを「入れたくなった」と思う。でもあえてそれをせず、しっかり本作だけ、アクアマンだけで仕上げたのはホントに良かった。それによって物語に集中出来たし、アクアマン=アーサーの魅力を強く打ち出せたと思う。
とは言え、彼(ジェイソン・モモア)のあの「瞳と瞳の間の距離」はどうにも戴けない。
世間一般でどういう言い方が一番通じるのかわからないけど、「離れ過ぎ」。今ひとつ感情が伝わりづらいというか、「目力を感じにくい」。
たぶん意識すればそう見せないことも出来たのだろうけど、ちょいちょい「離れてるな~」って感じてしまって、「映画の外にはじき出されてしまった」気がする。
でもまぁそれ以外は、普通にイイ人。
ジャスティスリーグでは、「アベンジャーズエンドゲーム」の時のソーみたいな「無頼漢で我関せず」なキャラだった記憶があるけど、
本作では正義感に溢れ、人命を尊重し、責任感も強い。
やっぱ彼だけでメインを張る以上、不都合なマイナスは不要ということかも。
SFXも相当凄い。時にアバターのようで、時にマトリックス、時にスターウォーズのようなSFXは、もはや全編通して使われていないシーンは無いのではないかと言うレベルで怒濤のエフェクトまみれ。ただ、
では(過去の作品である)スターウォーズエピソードIより映像が素晴らしかったかと言われたら、それはそれで違う。
なんだろ、物量は凄いけど、ソコに至までの「ブラシュアップ」がSWとは全然違う。
SWにあんなクソダサイ兵隊は出て来ないし、ブラックマンタだっけ?ダークマンタ?あのデザインもひどすぎる。
戦艦一つ、乗り物一つ、魚やタツノオトシゴに付けた装具一つ取っても、「徹底的なセンスの磨き方」がされてる感じじゃない。
雑多であり、混沌であり、贅沢ではあるけど、美しさに欠ける。
もっともそれが良い意味でのケレン味であり、ロブ・コーエンの気楽さ、居心地の良さでもある。
実際、SWはそう何度も見たいと思わないけど、ステルスは何回も何回も見てしまう。
映画は芸術作品であっても構わないが、芸術作品でなければならないなんてことはない。エンターテイメント、民衆の娯楽作品があっても全然問題無い。
海が舞台の作品で、「映画が青いなぁ」と思ったら砂漠のシーン。「え?どうして?」と思いながらも「海中で溶岩や爆発の赤」。街中の格闘シーンもあえて青みの少ないところを選んでるんだろう。
それで何にも問題はないのだ。
ライバルのマスクデザインが地味にカッコ良く、「銀は脇役の色だよなぁ」と思いつつも嫌いじゃない。
ウィレム・デフォーは味方なのか敵なのかよくわからない感じだったけど、まぁ当たり障りのない役で、ちょっぴり物足りない。
主人公の子役時代の男の子が爽やかでかわいく、好印象。
ママがあまりに歳を取らなすぎてビックリ。ヒロインのパパがどっかで見たことがあるけどなぁと思ったら、まさかのドルフ・ラングレンでもっとビックリ。あんな顔だっけ?
怪物がイイ感じにでかくて強くて良かったし、長尺の割りにメリハリに富んでて、飽きさせない工夫が随所に見られた。とんでもない傑作ではないけど、見て損したと思うこともない、イイ感じの大作。クリス評価は★★★☆。紙一重で6点より上かな、って感じ。
ヒロインが良かったからな。
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以下蛇足。
見終わって、ブログを書き終わって、しばらくしたら、悪い癖が浮上。
何となく妄想してみた。
ヒロイン:メラは、何を考えたんだろう。
途中まではライバルであり、次男であるオームの婚約者として、政略結婚を強いられる立場だったが、それに関しては特に不満があるようでもなかった。その世界ではそれが当たり前という「文化」だったからだ。
しかし、長男であり、アトランティスの真の王位継承者であるアーサーが出てきて、さらにこいつは全ての海の統治者であるマスターオーシャンに最も近い男。さらに善人と来ている。
善人はともすれば女性に対してマイナスの印象を抱かせかねないが、メラはそこまでスレてるわけでもない。
徐々にアーサーに惹かれ、ついには自分からキスしちゃう。つまりは愛の告白である。てか、
もしオームが人間達と戦争を起こそうなどとよこしまな考えに至らなければ、たぶん彼女はそのままオームと結婚し、子を授かって、それなりに幸せな家庭を築いたに違いない。
だがしかし、新鮮で魅力的な地上の世界に現れた毛むくじゃらな男に、メラはついつい心を奪われてしまう。
「こっちのがいいわ」
もちろんそんな言葉ではないだろうが、どこかで取捨選択をしたからこそのキスではあっただろう。
「このままオームを亡き者にしちゃってくれれば、ワタシ的にはスムーズに相方をバトンタッチしてもらえるわね」
もちろんそんな言葉ではないだろうが、事実はそうだ。政略結婚とは言え、一度は結婚の約束をした男性から、別の男性に心変わりするなど、普通どの世界でもあまりよろしいことではあるまい。「状況が状況だから・・・」と、自分に言い聞かせた面もあるかも知れない。
「でも、女王様、オームをお許しになっちゃったわ」
「ってことは、、、ワタシ、ちょっとヤバくない?」。
あ、でも今はもう裏切り者=アーサー寄りだから大丈夫かな。大体女王様もワタシのこと助けてくれたわけだし、「息子の嫁の本命」は間違いなくワタシよね?
まぁブロンドイケメンのオームも悪くはなかったけど、、、
でも個人的にひげ面が好みなのよね。
別にアーサーが王様じゃなくても、ワタシ的にはちょっとアリって言うか、がんばって!って言うか、、、好きになっちゃったって言うか、、、
あ、でも、もしオームが改心して言い寄ってきたらどうしよ、、、二人の間でワタシ、揺れちゃうかも、、、。あ、でもその前にまずは子供よね!アーサーとの間に子供!てか、
それってクオーターよね!能力とかどうなんだろ。
ちゃんとトライデント継承出来るかしら、、、。ちょっぴり不安だわ。でもワタシだってまんざら弱いわけじゃないし、王族なんだから、血統的にはバッチリよね。でもアーサーのお父様って普通の人間でしょ?隔世遺伝で「人間っぽいアトランティス人」になっちゃったらどうしよ、、、まぁその時考えればいいか。
いや、、、むしろ、ワタシ的に、人間界でアーサーのご両親と一緒に暮らすってのも悪くないわよね、、、。まだまだいろんな美味しい物がありそうだし、キレイなところとか、アーサーが言ってた「小さな海」にも行ってみたい。
やっぱアーサーを選んで正解だったわ。
さすがワタシ、見る目があるわね。あ!もし子供が女の子だったらどうしましょ。でもって人間の男性に心を奪われちゃったりしたら、、、
ガールズトークが楽しそうでいいわね!
何にしてもひとまず一件落着してよかった。これからしばらくは彼とラブラブ新婚生活ね!彼のお父様にもご挨拶しないと。あ、胸元はもう少し隠した方がいいかしら。
「ねぇダーリンどう思う?」
おしまい。▲▲▲。
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