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2019年11月23日 (土)

コブラ

寺沢武一のヤツ。ポケモン発売前、エクスヴィアスもやることがなくなり、あまりにヒマだったのでネットフリックスで動画を漁っていた。

ネットフリックスは、適当な肩書きを付けて、、、例えば「高木さんをマイリストに加えた人向け」みたいなカテゴライズでオススメを提案してくるのだけど、それが横に一巡して、カテゴリーを別のにずっと切り替えていって最後まで行っても、全ての動画を紹介してくれるわけじゃない。ワード検索で個別に検索すれば普通にシレッと見つかるとか、ある作品の「類似作品」とかを選んで表示させたりとか。

 たぶん、本数的にはDTVやamazonビデオよりあると思う。

もっとも、ハリウッド大作みたいなカテゴリーでは、随時リストに入ってるタイトルが移り変わって行くので、ついこないだまであったはず、、みたいなのがサクッと消えてたりはするけどね。てか「いつまで」って表示してくれよ、とも思うけど。

そんな折り、何をキーワードに探したか、もはや覚えてない中から、件の作品が出てきた。「スペースコブラ」はテレビ版のタイトル。「コブラ」は劇場版。一番顕著な違いは、テレビ版は野沢那智がコブラで、劇場版は松崎しげる。
※ちなみにPCエンジンCDROM版は、寺沢武一の希望(本来のイメージ)もあって山田康夫がやっている

タートル号のデザインがダサいとかもあるけど、声優の違いがやっぱり大きい。そして共通点は、監督が出崎統であること。そこはまぁ「そうだよな」って感じ。で、共通してるかどうかわからない点として、

 脚本を寺沢武一(単独ではないけど)自らが書いている。

それは知らなかった。「へ~」ってなもんである。寺沢先生が脚本を書いていると言うことは、それはもう「コブラである」と言って良い。てかまぁコブラなのだけど、

 そのストーリーがマンガと全く違っていても、それはコブラなのだな、と。

もちろん本作を見るのはこれが初めてじゃない。昔昔には当然見ている。その時に主題歌の「デイドリーム」がなかなか渋くていいなぁと思ったとか、やっぱ野沢那智のがいいよなぁと思ったことなんかもあるけど、

ぶっちゃけコブラの声優は、「昔の野沢那智」が一番であって、後期に焼き直しで作られた野沢那智版は、正直演技過剰みたいな感じで好きじゃない。つまり、

 誰がやっても「それなりの壁」はなかなか超えられないな、と。

山田康夫のコブラも悪くはなかったけど、これもまぁ同じようなモンだな、と。

ちなみにレディの声優は同じだったのだけど、むしろちょっと新鮮だったのが、レディがヤキモチを焼くこと。レディとコブラの関係は、とても子供には理解出来ない強い信頼と「何とも言えない愛」が感じられたけど、

 ぶっちゃけ大人になってもあんまよくわからなかった。

ただ、この劇場版のレディは、割とストレートにコブラに愛情を抱いてる感じで、

 寺沢先生もそう言ったイメージでレディを位置づけてたんだな~

何てことを思ったりもしたよ。

話的には、ジェーン、キャサリン、ドミニクと、クリスタルボーイが出て来るエピソードを、大幅に変えて、2時間の尺に収めた物。アレンジとかではなく、全くオリジナルのストーリー。3姉妹がコブラを愛し、コブラに愛されると、彼らの故郷の星を自由に動かすことが出来るようになる。ギルドは、その星で「第七銀河」の太陽を破壊させ、宇宙にその力を知らしめようと企むのだが、、、

 みたいな。

3姉妹の背中にはイレズミはなく、コブラのサイコガンは「腕を抜くのではなく、メタモルフォーゼするタイプ」。

 え?それじゃどうやってボーイを倒すの!?

あ、パイソン77マグナム久々の登場か!

 弾も吸収してしまう特別仕様。さすが劇場版。ボーイも強い。

どうやって倒すかは、、、たぶん借りてまで見る人、ネットフリックスで探して見る人も居ないと思うのでネタバラシしてしまうけど、

 コブラと戦った際に使ったボーイのあばら骨を武器にしつつ、それを突き刺したところへサイコガンをぶっ放して倒してた。

 ・・・そんなだっけなぁ、、一ミリも覚えてなかったわ。

まぁ最強のボーイはそう簡単には倒せないってことか。てか、見ていて思ったのは、

 出崎統らしさって、「新しさとは違う」んだな、ってこと。

いろんな演出やカット割り、カメラワークが多用されたのは、出崎監督が初めてだったと思う。有名な止め絵もしかり、コマ送りや、多重スクロールなんかも、たぶん監督が初めてアニメに取り入れたんだと思う。それを見て、多くのアニメーターが学び、習得し、アレンジして、今のアニメのいろんな演出の礎が築かれたと思うのだけど、

 今見ると、古くさいとか、新鮮という言葉ではない、「出崎統オンリーのニオイ」が強く感じられた。

ともすれば「やり過ぎてる」と言ってもいいような。
※オープニングとかも、妙に007っぽいみたいな感じだし

「エースをねらえ!」の方がこの作品より前だったと思うけど、あの時の方がしっくりと楽しめた気がしたな。

あと、

 ドミニクの声優、風吹ジュンが悪すぎる。

この当時何歳だったのかわからないけど、まるでアイドル声優のよう。ぎこちないし、一言で言って「下手」。全然愛せない。ソレと比べてキャサリンの藤田淑子さんの素晴らしさと言ったら、、、まぁ最後まで生き残ったのは彼女だったから、ある意味納得の配役だったのかも知れないけど。

全体通して古さを感じさせつつも十分楽しめた。クリス評価は★★★って感じ。ちょっとオマケ気味だけど、たまには昔のアニメを見るのもいいと思ったよ。

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