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2019年12月 7日 (土)

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

 スゲェ良かった!

よかったマジで借りてきて。一瞬「ハードでダークすぎる展開だったらツライから借りるのよそうかな」と思った気持ちを払拭して借りてきて良かった。既に発売から数日経ってて、さらに1本しか置いて無くて、さらにテレビ版の全巻貸し出し中だったけどこれだけ残っていてくれて、

 ホント良かった!

詳しい感想をもちろん書いていくけど、とりあえず一切ネタバレにならないレベルで言うなら、

 コレ、テレビ版の続き、てか最終回だから。

なので、テレビ版を見てない人が見ても全く楽しめないと思うし、完全に見てる前提、見てない人用のレクチャーは一切無く、同時に、

 1時間半の尺が全て最終回として仕上げられている。

1話30分、実質20分強とすれば、スタッフロールを5分として85分はおよそ4話分。テレビ版も相当濃密であったけど、あの密度で「新作4話分」を見られるだけでも相当幸せなことだったけど、

 期待を裏切らない内容に、大 満 足 !!

クリス評価は★★★★☆!。ラブストーリーとタイムパラドックスが好きで、アニメに抵抗がない人なら、テレビ版から通して全部見て欲しい。9点は行きすぎだとしても、それなりに満足してもらえる、、、かな。てか、

 正直「タイムパラドックス映画」としては複雑過ぎる感もある

ので、気楽に楽しむと言うより、本気で向き合う感じにはなるかも。

 それでも本当に面白くて、見てる最中「ああ、終わらないで欲しいなぁ」と何度も思った。てか、スゲェ充実してたから、

 これって、2時間以上尺があったっけ?

とすら思ったけど、見終わってチェックしたら1時間半にも満たない時間だった。

 スゲェ。マジで。一切飛ばしたいとも眠いとも思わなかったし、展開の高密度さにグイグイにのめり込まされた。

 さすがすぎて白旗しかない。

もう一度言うけど、

・テレビ版の続きなので、それを全部見てることが大前提

・ラブストーリー、タイムパラドックス、アニメ

この条件を満たしてないと、たぶん全く楽しめない。逆に言えば、「テレビ版が大好きで、映画版は、大好きだったテレビ版を冒涜するとか、汚すような内容だったらイヤだから及び腰になっちゃうよな」と言うような、

 僕のような人

は、絶対見たことを後悔しない内容だと保証するので、ぜひ借りに行って下さい。もちろん買っても大丈夫。素晴らしい内容です。

てか、一点だけ気に入らないところを言うとするなら、

 「作品終了後に新作案内があります」

と最初にアナウンスされたにも関わらず、終了後に、

 「サラリーマンのリッピングダメCM」が流れたこと

それまでの興が削がれすぎ。ヒドイわ。だったら最初に見せられた方がマシ。余韻が台無し。最悪。つまり、

 スタッフロールが終わった後は特に物語はなくスッと終わるので、そこで再生を止めること!

でないとせっかくの良作が減額されかねない。

◆以下徐々にネタバレ◆

 絶対テレビ版を見てない人は読まないように。まずはテレビ版を見たあと、この映画を見る前でも大丈夫なレベルのネタバレ。

・・・

話は、テレビ版でもちょいちょい出てきたキーパーソンの「牧之原翔子」メインの話。小学生か中学生くらいの翔子ちゃんと、高校生で主人公咲太の先輩になるはずだった翔子さん、その二人の彼女が今回のヒロイン、、、なのだけど、物語は「完全にテレビの続き」になっているので、

・麻衣さんとは恋人同士で、両親や妹との関係も修復済み
・妹は既に「本来の妹」に戻ってる
・双葉や古賀も、テレビの経験を踏まえた関係
・家には2匹のネコが居て、中学生の翔子ちゃんも遊びに来る間柄

これだけ書いても、見てない人には全く通じないであろう「予備知識」がてんこ盛り。でも大丈夫。この映画は元からそんな大それたCMも無かったし、上映された映画館の数もそれほど多くない。

 完全にファン向けというか、「知ってる人向け」なので、自分が「内側に居る」認識の人には、むしろ余計な雑音がなくて、一気に話に入って行ける。テレビで見慣れた背景にちょっとニヤっとしたり、

 あの続きがどうなるのか、ずっと覚えて気になっていた人に、完全に応える形で物語は始まり、そして進んで行く。

作画は、正直「ちょっとキツい?」と思えるところも無くはなかったけど、破綻してるってほどでもなく、音楽も声優も全く問題無し。テレビと監督が同じかどうかわからないけど、

 同じかわからなくても問題無いくらい、テレビ版の良さをキッチリクリアしてくれた。

最近思うことだけど、監督の名前を最初に知っちゃうと、それによって色眼鏡で見ることになるケースがある。例えばスターウォーズの最後のジェダイとか、JJエイブラムスじゃないからって駄作になるとは限らないのに、「ちょっと下に見てしまった上で映画を見始めてしまった」。続編の場合は、知らなくていい。見終わった後、「やっぱり違ってたのか」とか「違ってたとは思えないくらい良かった、むしろこっちの監督のがイイ」という感想を出せばいい。

そんなこんなで、さらに具体的なネタバレに入って行く、、、

◆具体的なネタバレ感想◆

思い出せるままに箇条書きに。

・キスシーンがないのは不満、、、だけどしょうがないのかな~。

・「死んじゃった妹」が出て来なくてよかったけど、だからこそ切なかった。「元の妹」があまりにも普通で、でも物語に深く絡ませない「配慮」がありがたかった。

・麻衣さんがメチャメチャ感情を爆発させてくれて、もうそれだけで見た甲斐があった。

・双葉も凄く良かった。てか、ヒロインでは麻衣さんに次ぐステキさ。双葉ファンも納得の内容。一方国見が薄味だったのが残念。国見ファンはブーイングの内容。

・タイムパラドックス映画としては、複雑過ぎて正直「2割くらいしか理解出来てない」気がする。それでも面白くて上手いと思ったし、何度も見たいと思わせる「手際」を感じた。

・何よりハッピーエンドだったのが素晴らしすぎる。終盤残り時間を確認せずに見ていたので、「前科:妹殺し」があるので、このままバッドエンドなのか!?そうなのかぁ!!!???と言う疑心暗鬼をキレイに払拭してくれて、

 ホントーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーに良かった!!

・(これは本当にネタバレだけど)映画のラストシーンは中学生の翔子ちゃんの笑顔なのだけど、タイトルメニューから起動した際の、メニュー表示前には、「大人の翔子さん」の笑顔から始まる。同じ人物の違う笑顔から始まって終わると言うのは、まことに憎い演出。
※ちなみに最初に再生したときは、そのシーンはなくそのまま物語に入るので、一度見て、さらにそのままメニューを表示しようとしないとこのことには気づけない

・エンディング曲がテレビ版の長尺版だったのもよかったけど、歌ってるのが「翔子ちゃんと翔子さん」なのかと思ったら、ヒロイン全員になってて「ホントかよ?」って思った。ちなみにオープニングは無い。

・キュンキュンするシーン、感動するシーン、切ないシーン、笑えるシーン(少ないけど)など、感情に訴えるシーンがてんこ盛り。素晴らしく気持ちよく翻弄してくれる。

・登場人物、特に咲太の行動や感情の移り変わりに違和感が無く、「オレの知ってる咲太ならそうするだろう」と言うことをキッチリやってくれたのが凄く良かった。「そこはそうじゃねぇだろ」みたいな行動をする主人公の映画の何と多いことか!

・麻衣さんがドナーの映画に出たってエピソードが、ささやかだけどじんわり効いてきて良かった。記憶が錯綜しつつ更新されていくのが本作のキモだと思うので、そのご都合主義に違和感や抵抗感はない。

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とにかく、テレビ版では物足りなかった麻衣さんの咲太への愛情が、これでもかとアピールされていて、かつしっかりハッピーエンドに持っていってくれたことが何より嬉しい。咲太の決断も納得だったし、脇もみんな良かった。テレビ版で「不協和音感」を感じた麻衣さんの母親や、咲太の父親など、「大人」が凄く控えめになっていたのも良かった。

 テレビ版が好きだった人で、この劇場版を見ないって選択肢はない。

そして、

 テレビ版を見たことがない人でも、劇場版まで一気に全部見る価値がある。

そんな映画だったな!いや、ホントによかったよかった!黒歴史はテレビ版の妹だけだわ。てか何とかならなかったんだろうな~。そこだけは思い出すだけで悲しくなるよ。

・・・

返す前にもっかい見た。てかブルーレイ買おうかマジ迷う。一切飛ばさずに最初から最後まで2回目を見るなんて、そうそうあることじゃない。残りの人生は短いのだから、そんな「鮮度の落ちたコンテンツ」に使うのは、ともすれば「もったいないこと」なのかも知れないけど、

 たぶん今の僕に、「2回目の青ブタより有効な使い道」はそんなにはない。

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