YESTERDAY オリジナルサウンドトラック
「オリジナルサウンドトラック」とは、つまりは映画に使われた音源をそのまま使ってるもののことを言うのだと思ったのだけど、存外そうでもないらしい。
YESTERDAYは、ついこないだ見た映画。ビートルズを題材にしつつエンターテイメントとして面白おかしく仕上げた良作だ。人に寄っては「傑作」とする人も居るかも知れない。
劇中では、ビートルズの曲をこれでもかと主人公が歌いまくるのだけど、決してミュージカルではないので、曲の最初から最後まできっちり歌うケースは少ない。なので、曲によっては、、、
歌い出すたびにチャチャが入って結局全くと言って良いほど歌ってもらえないLET IT BEなどもあったりする。
それがもどかしくてもどかしくて!
これはもしかしたら、「観客をモヤモヤさせてサントラを買わせるつもりなのか!?」と思うほど。
しかし、冒頭に書いたとおり実際に映画で使われた音源では「歌ってない」わけで、中途半端に歌いだしだけ繰り返してる音源がCDに収録されても、
んなの聞きたいわけじゃねぇ!
となる。なので実際は、映画に使われてない曲も多数収録された形になっている。
さらに言えば、普通歌入りのアルバムであれば、歌ってる歌手の名前がデカデカと出ているものだと思うのだけど、このアルバム、表から見て「ヒメーシュ・パテル」の文字を見つけるのは困難なレベル。
そりゃそうだ海外版だからな。カタカナで書いてあるわけない。
いや、そう言う話じゃない。
ただ、中のブックレットも全て英語なので、実際正確なところはわからないのだけど、件のヒメーシュが「歌ってない」曲もある。女性とのデュエット曲だけじゃなく、「これ、ちがくね?」みたいな。
映画でそうだったかはわからないが。
※劇中では全て主人公が歌ってる体
ともかく、そんな「やや不透明」な印象を残しつつも、
総じてイイアルバムだった。
曲リストで見ると、「INTERLUDE」と言う、騒音だか歓声だかわからないような20秒ほどの曲?があったりするが、通して聞くと、イイ感じに曲と曲の間を繋いでくれていて違和感はない。僕はビートルズにさほど詳しくないので「SUMMER SONG」という曲が彼らの楽曲にあるのかはわからないが、
劇中で「主人公の曲」として歌われるその歌も含めて入っていて、悪くない。
ただ、残念な点があるとすれば、いろんな曲がいろんなところからの寄せ集めなので、曲によっては映画から引っ張ってきてる感じであったり、ライブ音源な感じであったり、スタジオでも大きいところで録ったっぽいものから、そうでもないところのものなど、
結構ギクシャクしてたりする。
あと、同じ曲も何曲か入ってるし。
※劇中で1分30秒使われたものを、フルの3分別録が入ってたり
また、買う時に迷っただけで実際は同じだったのかも知れない「値段が全然違うヤツ」がいくつかあった。リアルなCD版なのか、MP3などのオンライン音源のみなのかもわからず、もしかしたら僕が楽天1885円くらいで買ったヤツがamazonで1150円くらいのヤツだったのかも知れない。
まぁアルバムそのものに不満はないので、損したとは思わないが。
とりあえず、そこそこ気に入ったものの感想を箇条書き。
02_THE WORLD IS UNIVERSAL
ユニバーサル映画の社名ロゴのバックに流れる短い曲。これもこの映画用にアレンジされて収録されていたのだけど、これを聞いて、
あ、博士ちゃんで(子供のアカペラとして)使われてるのってこの曲だったのか!
ってスゲェスッキリした。
03_SUMMER SONG
主人公の(たぶん)オリジナル曲。ビートルズファンには全く訴求しないだろうけど、そもそもこのアルバムを買う人はこの映画を見た人だと思うので、概ね問題ない。嫌いじゃないし。
06_SOMETHING
知らなかったけど、穏やかなバラードで嫌いじゃない。たぶんビートルズの曲には、僕が知らないだけでイイ曲がまだまだいっぱいあるんだろうな~。なにせビートルズだもんな。
07_LET IT BE
上でも書いたけど、劇中でのもどかしさは異常。見終わったあと、何が何でも続きが聴きたくなって、アルバムを買うに至った。まんまと術中にハマったけど、後悔はしてない。だってイイアルバムだったし。
11_THE LONG & WINDING ROAD
イイ感じのバラードで、劇中でも美味しい扱い。ズルい。でもそれがサントラの醍醐味だとも思う。「映画の感動の9割は音楽」だからな。
13_HELP!
劇中でのライブ一曲目ということで、非常に盛り上がった。でも歌い出しはちょっとアレンジが加わってて、軽い違和感が。嫌いじゃないって言うか、「何でも鑑定団」で掛かるから、たぶん「一番回数聞かされたビートルズの曲」はコレ。
14_YESTERDAY
正直映画のタイトルとして「コレしかない」のだけど、作中に折り込むには、「ちょっと浮く」扱いだったな。歌詞は全て訳されて表示されるのだけど、当たり前の話この映画のために作られた歌じゃないから、全てをしっくり収めるのは無理だもんね。
15_SHE LOVES YOU
耳馴染みのある冒頭、、、以外はほとんど覚えてなかった。でも「彼女は君が好き」を繰り返すのは、普通に結構切ない。他は何を歌ってるかわかんないけど。
16_A HARD DAY'S NIGHT
これも代表曲と言って良いと思うけど、音質が悪くてちょっともどかしい。
僕はビートルズに詳しくないだけでなく、そこまで傾注した経験もないので、アルバムも持ってないのだけど、この映画を通じて、改めて「ビートルズの方」も聞き込んでみたい気になったな。
18_IN MY LIFE
知らなかった曲。穏やかなバラードで悪くない。でもまぁ「知らないだけある」とも言えるかな。そこまで最高ってわけでもない。
20_I WANT TO HOLD YOUR HAND
女性ボーカルとのデュエット。劇中でそんなシーンがあった記憶はないけど、
曲が良いので全く問題無い。
普通に好き。でもビートルズの曲だとあんま認識してなかったな。
22_ALL YOU NEED IS LOVE
相当イイ。詳しくは知らないけど、「ジョンっぽい」。勘違いしてたら恥ずかしいかもだけど。
25_HEY JUDE
「ビートルズと言えば」で上がる3曲のうちの1つだと思う。
※他はLET IT BE、YESTERDAYかな
作中では「HEY DUDE」に変えた方がいいとプロデューサーとかに押し切られてしまう、「もどかしすぎるエピソード」があるけど、アルバムにはちゃんと「HEY JUDE」で収録されててホント良かった。
26_OB-LA-DI,OB-LA-DA
全くビートルズの曲だと思ってなかったので、軽く驚いた。でもイイ感じにハッピーで場面にもあってたし、凄く好き。
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重ねて言うけど、全部がヒメーシュ・パテルかどうかはわからないし、劇中で使われてないものも含まれてるけど、たぶんきっと間違いなく、
ビートルズが歌ってるものじゃない。
でも、僕は普通に居心地の良さを感じるし、これから何度も何度も聴いていくと思う。
スタンダードナンバーって、そう言うもんだと思う。
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