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2020年1月22日 (水)

傷物語

原作を読んだ数少ない化物語シリーズ。だからアニメ化されたらぜひ見たいとも思っていたのだけど、実際にはちっともなかなかアニメ化されず、気付いたら距離を取っていた。
でも最近たまたま何となく最初のシリーズを見始めたら、
 これが存外面白い。
伊達に当時毎週楽しみにしていただけのことはあるな、と。てか何でこれほどまでの傑作を、それこそほとんど小説を読まない僕が原作を買ってまで摂取していたシリーズを見なくなったのか甚だ疑問に思っていたのだけど、、、まぁそれは覚えてたら後述。
ともかく改めて調べてみると、傷物語は3部作の劇場版として公開され、既にDVDも出ている。出ているのだが、、、
 結構最近の話でビックリ。
化物語が最初にアニメ化されたのは2009年。今から10年も前の話で、原作がリリースされたのが2006年。件の傷物語も2008年にリリースされている。
 それがなぜつい最近(2016年~2017年くらい)までアニメ化されなかったのか。
傷物語は、化物語シリーズの中で最も時系列が古い。つまり、いつ読み始めても、いつ見始めても、シリーズ作品をそれなりに見ていれば特に違和感なく入っていける話だ。特にキャストの少なさは特筆もので、
 アララギくん、羽川さん、忍野めめ、キスショットほか3名。
特に一話とも言うべき「鉄血篇」では、「ほか3名」すらセリフなし。「4人だけの舞台」。
と言うことはつまり、特に後日談を知っておくべき人も多くなく、さらにハードルも下がる。この4人は、化物語でも必要十分に登場していて、「馴染みのあるメンツ」だ。
 一体なぜアニメ化が遅かったのか。
これは僕の邪推だけど、つまりは「儲かる」からだったと思う。傷物語は、シリーズの中でも孤立していて、他の何かを見ている必要がない。だから、「いつ誰が見てもそれなりに楽しめる作りにしやすい」=「劇場版にしやすい」。さらに、化物語を知る多くのファンは、その「生い立ちの物語」に興味があるだろうし、ただテレビやネットで公開し、DVD化するより、映画館での収入も、それも出来たら1回で終わらせずに数回に分けて回収出来れば、、、。
もちろんそれだけの「重要な作品」だけあって、テレビ以上にコストを掛けることが出来ると言うメリットも、劇場版にした意味としてある。さらに、制作にはそれ相応の時間も要するし、「いつでもいい」と言うことはつまり「ずっと先送り出来てしまう」と言うことでもある。テレビシリーズが好調で、それに傾注するのも、まぁ無理からぬ事だったということなのだろう。
・・・
比較的最近の話であるとは言え、原作自体は2008年。相当前の作品だから、ネタバレ等に関してはあまり気にせず書いていくけど、もし僕のように「アニメ版はまだ見てない」という人が居たら、
 ぶっちゃけ見ても見なくてもどっちでもいい
と伝えたい。と言うか、僕的には正直ちょっと裏切られた感が否めなかった。なぜなら、、、
 キャラデザインがかなり違う。
「作風」と言っても良いし、「経年変化」なのかも知れないけど、化物語を見てからすぐ傷物語を見ると、「パトレイバーの1を見てから3を見るような」、「劇場版999を見てからテレビ版の鉄郎を見るような」、何とも言えない居心地の悪さを感じる。
もちろん作品の特徴のひとつである「ちょくちょく古い満画のようなデフォルメカットが差し込まれる」のは本作でも継続しているし、声優は全てテレビ版と同じ。当たり前だけど原作も同じだから、「言わなそうな言葉」をキャラクターが口にするわけでもない。ただ純粋に、
 見た目が違う。
一言で言うと、
 羽川のバストサイズが大きすぎる。
もう一言付け加えると、
 まるでタツノコのような「目」の描写。
かなりリアル志向で、ある意味劇画調と言っても良く、作品の方向が化物語以上に「オカルティックでバイオレンス」なことに沿った画風になっている。
 羽川のオッパイが大きく、そして少したれている。
・・・何としたことか。
僕は決して巨乳好きというわけでも貧乳好きというわけでもないつもりだけど、テレビ版の彼女のスタイルがここまで「デフォルメ」されているというのは、正直違和感を禁じ得なかった。ぶっちゃけ「善し悪し」で言えば後者寄りの印象すら抱くほど。
ただ、それでも本作はやはり化物語シリーズなのだなぁとも思った。それはつまり、
 十分過ぎるほどエロい。
てか、化物語の特徴はなかなか一言では言い表しにくいモノだとは思う。ラブコメであったり、ラブロマンスであったり、バトルモノであったり。オカルトをベースにしてはいるものの、それらのセクションはかなり明確に切り離されていて、笑いがあるセクションとスプラッターなバトルシーンがクロスすることはない。
 エロもまたしかり。
「偽物語」の9話の凄さは語りぐさだが、あれとて「ほぼ1話まるまるエロ」だった。普通アニメに限らず、1話の中に起承転結を折り込むが如く、発端があり、展開があり、少々のガス抜き的サービスカットを経て、クライマックスの戦闘で勝利をする、みたいなある種の「お約束」があるのが普通じゃないかと思うのだけど、化物語の各エピソードを振り返ってみても、それぞれがオカルトのテイストを持ちつつ、「ひたぎクラブ」は+ラブコメ、「なでこスネーク」は+エロ、「するがモンキー」は+バイオレンスと、エピソードごとのカラーは全然違う。
 まぁそれもまた化物語の魅力でもあるのだけど。
ともかく、本作偽物語もまた、そうした複数のジャンルやテイストが「ぶつ切りになって押し込められた」作品だった。1話の長さは1時間ちょっととそこまで長くはないし、決して「2本立て」で公開されたわけじゃないので、個々の作品内でそうした複数のテイストを続けざまに投入している。それもあまり見慣れてないキャラクターが。
 何というか、、、ちょっと窮屈というか、居心地が悪いというか。
また、全体的なテンポも決して良いとは言えなかった。尺をある程度伸ばさなければならない都合もあっただろうし、バトルシーンを冗長にするのは、コスト的にも展開的にも難しい。だから結果穏やかなシーンをさらにスローリーな展開にしてる感じがあり、
 ダレる、、までは行かないまでも、正直「もっと早くてもいいのに」とは思った。
感想をザッと箇条書きにすると、
・羽川のおっぱいが大きい
・リアル時の人物アップの顔がタツノコみたいでリアル過ぎる
・エロい
・バトルの気合いがスゲェ
・全体的にテレビより作画のクオリティが高い
・やや展開が遅い
・主題歌はテレビの方がずっといい。と言うかそもそも無かった
・見て損はしなかった※早送りも眠くもならなかった
で、そんな劇場版を見たあとで、テレビ版化物語をちょこちょこ見ているのだけど、なぜ僕がこのシリーズから離れたのかが、ある話でわかった。
 影縫 余弦と言うキャラが嫌いなのだ。
あの関西弁と、シビアで冷徹なキャラが、どうにも僕にはこのシリーズにそぐわない感じがした。傷物語でも3人の「バンパイアハンター」が出ては来るものの、そこまで「悪いヤツ」としては描かれない。掘り下げが浅いとも言えるけど、影縫を見たあとだと、「優しさ」や「世界観への迎合」を感じる。
化物語の1stシーズンが好きだったのは、登場人物に誰一人イヤなヤツが居なかったと言うことも大きい。羽川の両親は微妙だけど、テレビ放映には含まれなかったし、ひたぎさんのパパも、強面のようで居てとても娘思いかつ彼氏にも優しい。オカルトを題材にしつつも、内側には人の優しさとか、ぬくもりとかがあるアニメだった。もちろん主題歌やエンディングの素晴らしさも忘れちゃならないけど。
ともかく、影縫を見てテンションがガッツリ下がったけど、それでも数多ある「駄アニメ」と比較してどうこう言うレベルじゃない。十二分に素晴らしく、そして凄みがある。たぶんこのまま猫物語黒、白、2ndシーズンと続けて見ていくと思う。ネットフリックスにも傷物語以外はあったと思うしね。
※1st13~15話が無かったかな
傷物語のクリス評価★★★かな。羽川のおっぱいがあと2サイズ小さくて、主題歌がRYOさんで、キャラデザインが今まで通りだったら、あと2点加点もあったかな。

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