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2020年3月 2日 (月)

DreamsUniverse~その2~

休みを利用して相当やった。相当やってたどり着いた答えは、

 何でもは出来ない。

「操作が難しい」というのは、文字にすればたった6文字。でも、何をもって難しいと言うのかは、全くもってニュアンスは様々。確かにすさまじくいろんなことが出来る。僕はコレ系のコンストラクションツールを本気で触ったことが無いので、これもまた「何が出来るか」「何が出来ないか」の比較をするのは難しいのだけど、本作は、

 基本ポリゴンのアクションゲームを作るソフト

と言う気がする。確かに音楽やらムービーやらも作れるし、やり方次第で2Dのシューティングもレースゲーム作れるけど、たとえばドラクエのようなRPGが作れるとは思えないし、
※もし作れるとしてもとんでもない工夫が要りそう
ほぼ止め絵で構成されたエロゲーも、たぶん作るのは無理だろう。

なので、そのチュートリアルは勢い「ポリゴンアクションゲーム用」であり、たとえば僕のように、

 既存のキャラを自分でモデリングして、それを動かしてみたい

と言う人には、全くもって難儀な内容だった。具体的に言えば、

 10時間以上プレイしているけど、未だに「キャラクターを描く」ところにたどり着いていない。

と言うかこれはもはや、

 チュートリアルをやるゲーム。

操作を習熟していくと言う「上達」を「楽しむ」「ゲーム」という感じ。

もちろん他のプレイヤーが作ったゲームやら何やらを楽しむことも出来るし、ストーリーモードとも言える「アートの夢」なる相応のボリュームを持った「お手本ゲーム」も、相当しっかり作られていて関心はさせられる。でも、ラクガキ王国のような「ゲームとしても」楽しいツールというわけではなく、マリオメーカーのように、「誰でも思い通りのマリオが作れる」わけでもない。

 いろんなゲームに対応しようとしたあまり、明確に目標とする一つのスタイル、たとえばマリオであったり、2DフィールドRPGであったりと言った特化型コンストラクションツールには、遠く及ばない「やりにくさ」を持ってしまっている。

本作は実は既にアーリーアクセスとして、低価格で1年近く前にリリースされていて、だからこそ発売間もないこのタイミングでも、相当の完成度を持ったインディーズ作品が発表されている。でもだがしかし、見方を変えればマリオメーカーの作品リリース速度とは比較にならないほど「ゆっくりペース」でのリリースであるし、前述のメーカー制作ゲーム「アートの夢」を作るのに、どれだけの人数が完全に操作を習熟し、時間を掛けて仕上げたのかと思う。

 単純に、もし自分がこのソフトに本気で傾注し、本気で理解し、本気で制作に取り組んだとしても、操作の理解には3年以上掛かりそうだな、と思ったし、さらにこれだけのボリュームのゲームをこれだけのクオリティで仕上げようとしたら、

 人生3回分あっても足りないだろうと思った。

と言うか、そもそも次から次へと教えられていくチュートリアルに、

 なぜ英語音声日本語字幕でボリュームが異質に大きなモノが含まれているのか。

意味がわからない。順番にがんばっていこうという意志を砕く構成だ。そしてそれを除いたとしても、

 覚えていくそばから忘れていく。

でも向こうは、「教えたことは知っていること」として進めるし、たまに教えてもらってないことも平気で含まれていたりする。「それいつ言った?」って感じだ。もちろんその「いつ言った?」には、しっかり序盤で言ってることも含まれているのだけど、

 49歳のジジイにはその全てをカバーし続けるのはほぼ不可能。

でもだからこそ、自分のモチベが高そうな「モデリングだけでもがんばろう」と思ったのだけど、それすらも「起点が違う」。「素体」としてポーズを付ける人形の「動かし方」から入り、一向に「絵を描く」ところにたどり着ける気配がない。「そのレクチャーをしてくれるメニューから入っているのに」だ。

もちろんツールの操作が最重要で、全てはソレありきなのもわかるから、そこから始まること自体は何にも悪くない。それすらわからなかったらホントに何も出来ないから。

でもやっぱラクガキ王国のようには行かなかったってのが本音の本音。

 全く別物

って感じだ。

ちなみにタイトルは「ドリームユニバース」かと思ったら「ドリームズユニバース」だった。失礼しました。

・・・

●アートの夢

時にはアクションだったり、アドベンチャーだったり、終盤はレースゲームやシューティングもあり、音楽をただ見せるだけのミュージカルな側面もあるという、このツールで出来ることをこれでもかと押し込んだストーリーモード。

主人公を含めた人間キャラクターデザインは「癖ありまくり」で、正直洗練されているとか、「独自の世界観」と言うより、一言「荒い」。ただ、ゲームは刻々と動かせるキャラが変わる。時には小さなロボットであったり、メカニカルな豹であったり、ハンマーで攻撃するぬいぐるみのようなキャラであったり。

それらによってゲーム性も全然変わってくるし、隠しキャラ的に、ツールで使うことが出来るアイテムが179個ほど隠されているのを見つけるのもちょっぴり楽しいのだけど、たとえば1つ取り損ねたものを取りに行く、みたいなことが凄くしづらかったりするし、どう考えても不自然な四角いドットが表示されていたり、昨今の市販ゲームではまずあり得ないような「やりにくい視点でのジャンプアクション」が散見されたりする。

 結局「凄いことが凄くたくさん出来る」ことをアピールはしてくれる一方で、それが必ずしも楽しいや面白いに繋がってるわけじゃない。

たとえば先日から僕が傾注していた「迷宮伝説」。僕はあのアプリに360円課金してCMをカットしたけど、実際あれは僕にとって360円の価値だったかと言われると、

 1500円以上の価値があったと思う。

では、このアートの夢というDreamsUniverseに含まれたメインゲームにいくらの価値を見いだせるかと言えば、

 100円にも満たないと言ってしまう。

なぜなら、やっていて全く面白くはなかったから。結局「こんなことまで出来てしまうのか」と言うことと、「必ずしも出来ることで面白くなるわけじゃない」と言うことを、これでもかと見せつけられただけだった。「出来ることが増えることが、こうまで特化型のマリオメーカーと出てくる答えに差が出るんだな」って感じ。

 これだったら、同じインターフェイスで全てに対応しようとせず、2Dなら2D、RPGならRPG、アクション、シューティング、カーレースと、ジャンル別にそれぞれ特化型のツールを積んで、寄せ集めた方が、むしろやり込める、楽しめる人は増えたんじゃないかと思った。

 全ての人が全てのことを望むわけじゃない。

何だろ、僕は高卒だけど、社会に出て全く使わない知識を学んで、その評価が合否に影響する受験のような違和感を感じたわ。ひとつずつを覚えてクリアしていく課程は、確かに相応の面白さもある。でも、覚えながらも忘れていくほどのボリュームでは、結局最終的に、「役に立つスキル」として残らない。

レビューでも書かれていたけど、「チュートリアルをやって、繰り返し繰り返し使って手に覚えさせてからじゃないと、まともなモノは作れない」。まさにそんな感じ。

今ふと思い出したけど、マリオペイントが我が家に来たときも、曲線一つまともには描けなかった。でも、しばらくやっていて、気づいたら友達が、

 「その線には意志が感じられるな」

と褒めてくれたんだよね。つまり、

 「ずっとやっていれば見えてくるもの」が、凄く多くて、深い。

でも、それは、必ずしも自分が作りたいモノとは合致しない。そんな感じを受けたよ。

・・・

細かなところで、え?って思った点として、サウンド関連のチュートリアルでサーチして見つけることが出来る素材のアイコンに「曲」に関するカテゴリーアイコンがあるのに、その中には「エフェクト」と同じモノが入ってるってのがあった。先に書いた「チュートリアルがいきなり外人音声になる」のとか、そもそも説明してくれる音声の「声優さん」に違和感があるとか、その脚本にも相当抵抗があるとか、

 枝葉末節の部分でも気に入らないところは少なくない。

どう聞いてもジャンプアクションのBGMとしては、違和感しかない環境音で、「これで一気に雰囲気が良くなりましたね!」と言われてもって感じだ。

あと、これは操作の根幹に関わることなのだけど、「視点を動かさずに、チップの位置を動かせない」気がする。説明が凄く難しいのだけど、

 たとえば球体を描くとする。その球体に「目」を付けようと思ったとき、球体との距離感が全く得られない。全体が見える視点まで離れたり近づいたりして「目」を置くと、その目は顔から離れてしまっていたり、埋もれてしまっていたりする。微調整とか全く出来ない。

もちろん、全てのチュートリアルを完璧に習熟すれば出来るようになるのだろうけど、「チップだけ動かしたいんですけど!」ってのが、今のところ一切教えてもらえてないのがもどかしい。もし出来るのであれば、かなり序盤に教えてもらっていいことだと思うのだけど。

・・・

アーリーアクセスの発売時に一緒に買って、一緒にがんばっていれば、今とは全く違う景色が見えていたと思う。

 可能性として、全くやってないと言う景色の可能性も多々あるけど。

単純に「誰かと一緒に競い合い、磨き合いながら進めて行かないと、まともに動かせるようにはなれない」かな、って思った。ひとりでがんばるには「重すぎる」かな、と。

一方で、世界中のユーザーが作ったコンテンツに関しても、マリオメーカー同様僕は非常に懐疑的。

 一般の人にも、プロをうならせるような作品を生み出せる可能性はあるとは思う。でもそれは、サハラ砂漠で星の砂を見つけるような、海に落ちたコンタクトレンズを探すようなものだと思う。

 別に、タダだからいいじゃんなんてことは微塵もない。

なぜなら、「お金より時間の方が価値がある」のだから。

でもそんな中にあっても、スターウォーズエピソードIVのオープニングを再現したショートムービーには感服した。実際のスターウォーズのメインテーマに乗せて、手書きのタイトルからエピソード紹介、そしてスターデストロイヤーが背後から流れてくるあのオープニングシーン、、、

このソフトでこれが、と言うより、単純に「よく作ったなぁ」って感じだった。特に音楽が。

動画貼り付けたかったけど、パッと見つからなかったな。

・・・

クリス評価は★★。少なくともまともに遊べるようなゲームが僕の手で生み出せるとは到底思えない。かと言って、ただ見るだけの彫像みたいなのも描けそうもなく、さらには世界中のユーザーの作品にもさしてそそられない。

ここまで書くと、「全くのハズレ」だったのかと思われそうだけど、もしそうなら4点も付けない。

何かを生み出したり、生み出された何かを楽しんだりすることは出来なかったけど、

 「ツールの使い方を習熟していくゲーム」として、他のソフトにはない異質にして個性的なゲーム性と達成感があるのだ。

もしかしてもしかしたら、これらを全て「修了(≠終了)」する頃には、自分の手で全くこれまで作ろうと言う気にはならなかったアクションゲームやレースゲームが作りたくなっているかも知れない。可能性は低いだろうけど。

とりあえず、最初から覚悟の上の投資だったので、後悔は微塵もないし、やはりこれだけ凄まじくいろんなことが出来る、、、いろんなことが出来なければ、ポリゴンのゲームは作れないのだなぁとシミジミ思った。

 ぶっちゃけマリオメーカーの方が1000倍面白いとは思うけどね。

・・・余談

テラリアとかマインクラフトみたいな、サンドボックス型のゲームも作れたりするんだろうか。全く同じは無理でも、ただブロックをプレイヤーキャラが運んで積んでいくだけでも、、、。

やはりLBPのスタジオが作ったんだなぁとはシミジミ思った。ツールの使い勝手とか、かなり似た感じ。てか、ごくごく単純に、コントローラを傾けてターゲットを次から次へと打ち落としつつ、その操作に慣れていく、みたいなゲームが複数あって、「楽しみながら習熟させる」ような仕組みになっていたら、もっと違ってたんじゃないかなぁって思った。

今のままだと、ツール:ゲームの割合が、「9:1」って感じなんだよな。まぁその僅か「1」が、そこそこ楽しいから4点なんだけども。

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コメント

クリスさん
こんにちは。

なんだか、UnityやUnityの各種アセットに皮を被せただけのような……
プロがMAYAでモデリングやレンダリング、Photoshopなどで静止画を描き、それらをUnityの上でゲームに作り上げる……を、制限や自由と引き換えに、一般ユーザのレベルまで下げたのかなと思いました。
それでも知識も経験も多大に要求されるのは、あまり変わりが無いのだろうとも思いました。

その方面に進みたい人が、最初に触ってみるには良いかもですが^^;

投稿: 月ノ丞 | 2020年3月 2日 (月) 01時01分

詳しい知識が全然無いので、UNITYとかアセットとかのキーワードについて行けてないのですが、他でもその単語は目にしましたし、

 作ろうと思えば、本作より容易に組めるツールとかもあるのかな

とか。

てか、本作のアキレス腱は、間違いなく「マウスが使えない」ことだと思うんですよね。慣れてくればモーションセンサーでもそこそこ使える印象はありますが、精度と速度の点でマウス以上のインターフェイスは難しいと思いますし。
※一点を狙い撃ちするだけならタッチセンサーのが速いんですが、範囲選択とか「離す方」がタッチは弱いんですよね

クリエイティブなツールは、何かが出来上がって初めて満足するものだと思うので、何でもいいから作ってみなくちゃ始まらないんだろうなとは思います。レゴも同じですね。作る楽しさは完成しないとなかなか味わえません。

そう言う意味では、正直お手軽さに欠ける印象が強いです。でもUNITYとかにもそれは言えるのかなぁとか思ったりですけどね。

自分が高校生とかだったら、友達と一緒にガシガシ習熟して何かを作ったりもしたのかなぁって思うんですけど、、いかんせん今は環境が無いです。残念ながら。

投稿: クリス | 2020年3月 5日 (木) 00時42分

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