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2020年3月19日 (木)

未来のミライ

映画も行かなかったし、レンタルが始まってもすぐに借りなかった。ぶっちゃけ、細田監督の作品は、

 もう「袂を分けた」かな、と思ってた。

でも、最近結構アニメづいてたし、せっかくそれなりの大作だとわかっててスルーするのもなんだなぁと借りてきた。

結果は、、、

 やっぱもう無理。

確かに良かったところもある。でも、

 それ以上にマイナスが多すぎる。

未来のミライを一言で、僕が言うなら、

 ストレスフル。

序盤から中盤後半まで、とにかくストレス≒マイナスの溜めが無茶苦茶多い。見ていてイライラするし、ムカムカする。さらに序盤はテンポも悪く、

 このシーン、こんなに長く要らないだろ

が多発。もうどこをどうひっくり返しても、最後に「スゲェ良かったとはならない」くらいのマイナスが溜め込まれ、

 結果、泣けるいいシーンがあっても、

クリス評価は★。10点満点で2点って感じ。

これはもう価値観が違うとしか言いようがない。何でこんな風に作ったのかとか、疑問も納得もない。

この映画は、タイトルこそ「未来のミライ」だけど、実際の主人公は赤ちゃんの未来ちゃんのお兄ちゃんである「クンちゃん」だ。彼に新しい家族が出来て、家中がその子を中心に回り出すことで、自分の立ち位置が揺らぎ、でもまだ幼いが故に納得も出来なければ解消も出来ないストレスに苛まれまくる。

別にクンちゃんに感情移入してるからストレスフルなのではもちろん無い。と言うより、むしろイライラするのは、

 子供の扱いが悪い両親の不手際だ。

僕はかみさんに罵声を浴びせられるような「ほったらかしの父親」ではなかったし、特に子供、、、つまり長男から、妹が出来てから「孤独や独占欲」をアピールされた記憶もない。

ウチの長男と長女は4歳違いで、長男は2歳の頃に、つまりまだ長女が生まれるより前に、ヨッシーアイランドをクリアしている。僕は昔も今もゲームが大好きだったし、長男のよだれでべとべとになって使えなくなったゲームキューブのコントローラの記憶もある。でもだがしかし、長男と一緒にゲームを遊ぶのは普通に楽しかったし、下の娘が生まれてもそれはたぶんずっと変わらなかったと思う。

だから、イベントに行ったり、同じゲームを遊んだりと価値観の共有も出来たし、自分の中で彼らを蔑ろにした記憶もない。運が良かったとも言えるが、

 僕の楽しいと、彼の楽しいは、結構近似値だったからだ。

だからこそ劇中の父親や母親の行動に強いいらだちを覚える。子供が補助輪を外してと言ったからすぐ外すとか、仕事中で子供の声に生返事になったりとか。「片付けておいて」と頼めば片付けるなど、

 学べよ、と親に言いたくなる。

俺に言わせれば、「その部屋に赤ちゃんを入れなければいい」だろうと。片付けることによる「プラス」が何かあるのか、と。

僕は基本子供(うちの子に限らず)が大好きだが、その理由は、子供がとても「自分に正直」だからだ。子供は常に利己的で、あくまで自分の楽しさが満たされていることが重要。そこをしっかり見失わなければ、子供たちは僕をまっすぐ見てくれるし、会話も成立する。

 子供はあやしたり、なだめすかしたりして言うことを聞かせるもんじゃない。

 共感と、共有と、楽しいが重要だと思うのだ。

だから、とにかく本作にはイライラが尽きず、最終的にクンちゃんが成長していく話であることは序盤で理解したにも関わらず、

 その成長を感じさせる場面でも、結構な温度で白けてしまっていた。

 「でしょうね。」

ってなもんである。

だからこそ評価もとても低いのだけど、それでも2カ所だけとてもグッと来てしまったシーンがあった。てかソレがなかったら当然のように0点だったくらいなのだけど、、、

 ・・・以下ネタバレ。まぁ結構前の作品なので、見てる人は見てると思うし。むしろ忘れちゃってる人も少なくないと思うけど。

・・・

シーンは二つとも「ひいじいちゃん」とのシーンだ。

 二人でオートバイに乗って走るシーン

 ひいじいちゃんとひいばあちゃんがかけっこするシーン

前者は、実は僕もおじいちゃんのカブに乗せられて、何度も何度も海まで連れて行ってもらった「らしい」と言う話を、両親に聞かされていた記憶が「揺り動かされた」から。

実際はじいちゃんの前ではなく、後ろにくくりつけられたサブシートだったはずだし、決して福山雅治が声優を当てるようなイケメンのじいちゃんではなかったが、

 きっとこのクンちゃんのように、気持ちいい風を感じてたんだろうな、と。

かけっこのシーンは、もう普通に号泣。ティッシュ二枚が丸めて小さくなるくらい泣けた。ズルいとも思いつつ、かっこいいとも思った。

 てか、どこら辺が「未来のミライ」なのかって話。

「未来ちゃん」は、確かに重要な役所ではあるけど、決して主役じゃないし、もっと言えば、

 居なくても話をまとめることは出来たレベルの存在感しかなかった。

むしろひいじいちゃんにフォーカスした方が、物語としてもっと楽しくて気持ちいい作りに出来たのではないか、感動を大きく、ストレスを小さく出来たのではないかと。

 ただ、据わりのいいキャッチーなタイトルというだけで「未来」をフィーチャーしたんだな、と。

その辺も評価が下がった理由かな。

・・・

細田作品は、「デジモンアドベンチャー」「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみ子供の雨と雪」「バケモノの子」と、ほとんどの作品を見ているけど、ぶっちゃけサマーウォーズ以外は、「さほどでもない」と言うか「好みじゃない」と言うのが正直なところだ。その思いは、本作を見てさらに強く濃くなった。

必ずしも好みから乖離した作品になるとは限らないけど、次作も映画館で見ることは無いだろうなって、コレ見て思ったな。

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