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2020年6月28日 (日)

掟上今日子の備忘録

見終わってしまったーーー。

うーむ何というか、、、、いや、見て損したとかつまらなかったってことは全然無い。見て良かったと思うし、飛ばしたシーンなんて逃げ恥より間違いなく少ない。てか無い。つまりストレスフルなシーンが少なかった。

一応全部見てる人向けの「ネタバレ有りの感想に入る前」に、ざっと書いておくと、

傷物語で有名な西尾維新のミステリーで、コミカライズもされている。年式はたぶん2018年とか2019年とか?あんまよくわからない。

 新垣結衣×岡田将生

で、ラブ要素を絡めつつ、、、

 一度寝ると記憶がリセットされてしまうと言う主人公の探偵掟上今日子の「備忘録兼事件簿」という話。

ちなみに「リセットされる」のは、生まれた時からではなく、数年前のあるタイミングから。それがどんな事件だったとか事故だったとかって解説は今のところ無く、一応それまでの記憶は残っている。

起きてからすぐ時計を確認するクセがある彼女は、腕に自分の筆跡で前日までの「覚えておかなければならないこと」を書き留めておく。起きて腕を見て「依頼人○○に会う」とか「(アパート)オーナーの○○は信用出来る」とかが書いてあり、「眠ると記憶がリセットされる」ことも書いている。

要は、イレギュラーな状況を強引にブレンドしたミステリー。主人公が天才とか、超能力者とかってのとさほど変わらない。違いがあるとしたら、

 彼女がとてもかわいく、相方となる岡田将生演じる隠館厄介が「とても不幸」で、事件を引き寄せることくらい。

基本1話完結の全10話。

以下ネタバレが含まれていきます。

僕はこれを見始めた時、この作品に関する知識が全くと言って良いほど無かった。てか月ノ丞さんにオススメ?された時も、

 主人公がガッキーだとも思わなかった。

さらに言うと彼女は銀髪のボブで、「パッと見ガッキーにすら見えない」。ヒロインのかわいさで作品の評価を上下する僕としては、

 正直これでは、、、

と言うのが第一印象だった。

で、見終わった今の一番の感想は、、、

 終わってねぇのかよ!!笑

逃げ恥が、一応でも綺麗にカタを付けてくれた直後、それもガッキーのドラマということで、ある種盲目的に「綺麗に終わる」と信じて見続けてしまった。

 よもや続刊が未だに出ているとは。

それではさすがに「終わらないわけだ」と。

・なぜ記憶を無くしたのか

・なぜ掟上今日子という名前なのか

・誰が天井にメッセージを残したのか

・なぜ探偵なのか

・なぜあのアパートに住んでいたのか
※スポンサーのお孫さんは別にいたので、今日子さんが理由じゃないし

・記憶を無くす前はどこで何をしていたのか

・彼女の両親は?

・お金に固執する理由は?

・・・表向きはこんな謎が残っているのだけど、それ以上に見終わって僕が痛切に感じたこと、たぶんみんな「言わぬが花だろ」と思ってるだろうこととして、

 なぜ書面に残さないのか

 なぜ気持ちを書き残さないのか

 なぜ「あんな太いペン」なのか

 なぜ「腕の次はふともも」なのか

・・・これに関してはちょいエロを挟んだ方が読者が喜ぶから、と言う明確な答えがあったわ。失敬。てかそもそも普通は「手のひらにボールペンで書く」と思うのだけどな。

最終話の「忘れたくないんです!」にはグッと来た。相当グッと来ちゃった。てかキスした瞬間は、

 みくりさん、それ浮気だから!

とかわけのわからないことを思ったりもした。「一日で忘れるからって浮気していい理由にはならないぞ!」とか思ったけど、それ別の作品だったってしばらーく経ってから気付いたわ。

そこまで強い気持ちがあって、なおかつ小説を読むことが好きならば、文章で長々と、「明日の私」に向けて「遺して」おけばいい。どれほど厄介さんのことが好きなのか、「信じられる」と言う言葉を信じられるなら、「私は厄介さんのことが凄く好きになってる」と一言遺すだけでも全然違うはずだ。たっぷりと長い睡眠を取り、「明日から3日間徹夜で厄介さんと愛を育むぞ!」とか書いたっていいだろう。

 物語を面白くするために必要だから。

 「一日で記憶がリセットされる」為には、「書面に残しておく」ことがジャマだから。

 体に太字で書き残すと言う行為のキャッチーさがあれば、他のツッコミは抑え込ませて貰えると判断したから

・・・どれもホントっぽく、かつどこか小賢しさを感じる。

僕は今日子さんじゃないので、彼女の本当の気持ちや、「気持ちの持って行き方」はわからない。でも、人は「コレだ!」と言うトリガーで恋に落ちたり、心を打たれたりする。物語の中、かなりの頻度で今日子さんは厄介に心を打たれている。ある意味一目惚れに近いものもあるけど、だからこそ、「今日の気持ち」を残しさえすれば、「明日その続きから育てること」も出来るはずだと僕は思う。

 まぁだからこそ「今日子」という名前なのだろうけど。

物語が綺麗に終わらなかったのが凄く悔しい。幸せな結末とは言い難い。やっぱり忘れてしまうんだ、、、と思う。普通の人、普通のカップルが得られるカタルシスを、厄介は今後手に入れられるんだろうかと思う。切なく、苦しい終わりだった。

・・・

記憶することを取り戻す日が果たして来るのかと思う。二人はハッピーエンドになりうるのかと思う。何ヶ月、何年とこの暮らしを厄介が続けて行った先に、「記憶出来る今日子さん」が現れたら、果たして彼は彼女のことを「改めて愛せるのか」と思う。いろんなズルをするに違いない。忘れることを利用する、いろんなズルをきっとしてしまうに違いない。今日子さんの信頼にあぐらを掻くに違いない。それでも彼女は同じことを言う。

 初めまして置手紙探偵事務所の掟上今日子と申します。

僕はハッピーエンドが好きだ。二人が両思いでキスした気持ちは、キュンとした。でもその先には、事実上の死別とも言える別れが待っていた。そんなことを繰り返していく、ただ作者の都合のいい設定に翻弄されて。

 かわいそう過ぎる。

「一日で記憶がリセットされるかわいい女の子探偵」。文字にすると面白そうだと思う。でも実際に「深く気持ちを理解しようとすると」、とてもじゃないけど辛すぎる。厄介も厄介だ、

 昨日までのことを今日子さんに毎日毎朝伝え続ければいいのに。

でも彼はしない。そんなことをしたら「物語の骨子がブレて崩れてしまう」から。

正直言って、西尾維新がちょっと嫌いになったわ。あと、

 最終巻だけ読みたいわ。

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