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2020年9月24日 (木)

海街diary

映画を見て、いろんなことを思う。景色がキレイだな、とか、この表情イイな、とか。グッと来たこととか、キュンとしたこととか。

別に最後にどんでん返しやカタルシスが待ってなくたっていい。誰かが死ななきゃダメってこともないし、「ドラマがドラマティックである必要もない」。見終わったあと、何となくいい気分になれれば、それはそれで十分2時間を費やした価値がある。

 海街diaryはそんな映画。

元々「そう言う映画」だろうと思ってた。特にギスギスしまくるでもなく、切なく哀しい涙が溢れるでもない。感動のクライマックスが待ってるわけでもなければ、味気なくて「普通」って感想が出るわけでもない。

 でも見て良かったな、って思う。

主演は、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの4人。ついさっき「感動しない」みたいなことを書いたけど、

 見終わったあと、軽く泣いてる自分が居た。

何だろ、ただのフィクションなのに、4姉妹の1年を見ていたような感じ。機微に触れていた感じ。ほとんど何も変わってないけど、でも確実に何か変わってるのがわかる。

 ただのフィクションなのに、気持ちが4人に近づいてる感じ。

 心地よい感じ。

あらすじとしては、ちょっとわかりづらい血縁関係に触れなきゃイケナイのだけど、つまりは家を出て行った父親の浮気相手との娘が、3人姉妹の家にやってきて、一緒に過ごす話。それぞれのエピソードがそれぞれそれなりに丁寧に綴られ、
※強いて言えば3女の夏帆がかなり薄口だったけど。てか夏帆は「みんなエスパーだよ」の時がかわいすぎて、なんだか別人みたいだった。でも役柄的にはとても大事な潤滑油って感じで、見ていて「欠かせないな夏帆」って思ってたけど

 それぞれの気持ちを丁寧に拾い上げるように見る感じ。

人気もネームバリューも相当に高すぎる4人。でも作中ではなんだかホントに仲が良くて、後日談として毎年のように4人で会ってるって話も聞いていたから、

 「ステキなオーラ」がにじんで見えるようだった。

4人の住む家は古い木造で、趣があって「夏が似合う」庭付き一戸建て。海沿いの街並みはそんなに人が多くなくて、4女の学校もどこか田舎臭さが残る。時々出る電車のシーンが妙に丁寧で、「鉄オタ」じゃない僕もちょっぴりグッと来たり。

3人の姉には3人とも彼氏?っぽい相手も居て、でもそれぞれの関係があって。

 ホントに、何だろ、「海の街の日記」という名前にふさわしい内容だったと思う。

何だろ、どことなしか橋本愛の「リトルフォレスト」にも通じるような、「ユルいのではなく穏やか」な時間を感じたりした。

面白くも楽しくもなかったけど、「心地いい」映画だったな。クリス評価は★★★。見て良かった。期待を全く裏切らない内容だったよ。

・・・

以下ネタバレを含む蛇足的な感想箇条書き。

・綾瀬はるかは、バラエティとかに出るとホントに天然というか、ポンコツというか、どこか間が抜けてる感じなのに、劇中、女優スイッチが入った状態だと、どうしてここまで「凛々しく」なるのか。「学級委員もやってた」と言う一言がとても板に付いてる感じ。

 この物語の主演は、先に挙げた4人だけど、一人挙げるとしたら彼女がメインだったと思う。

しっかりしてるから余計にそれを維持しなきゃって思ってるのが痛いほど伝わってきて、こういう女性は大変だなぁって思った。ホントに行き遅れそう。

・広瀬すずが(スタッフロールでは4番目だったけど)実質二人目のメイン。まだ若くて、今やってるCMの「女性としての広瀬すず」とは全く別人。メイクもナチュラルというか、ほぼスッピンに見えたし、髪型も「髪の艶も」どこか田舎娘のよう。でも、時折見せる顔はかなり魅力的で、

 そらこんな転校生来たら、クラスどころか学校中の男子が好きになっちゃうでしょ

って感じ。てか実質相手役とも言える男の子が、これまたイイ感じに冴えなくて、

 「そこだ!そこで告れ!」

と何度言ってしまったことか!。笑。結局最後まで告らなかったけど、あと3年もしたら、あの男の子も背が伸びて、イイ感じにかっこよくなって、すずと並んでも恥ずかしくない感じになるのかも知れないな~って思った。

・実の母親は、父親が家を出るのとほぼ同時期?に実家に自分だけ逃げちゃって、子供たちを置き去りにした「ダメな人」なのだけど、

 まさかの大竹しのぶ!適任過ぎる!!

でも見た瞬間に「この人ならやりかねない」でも「この人なら憎めない」みたいな気配が一瞬で感じられて、

 上手いなぁ、と。

・梅酒や花火や浴衣、砂浜や雨のお墓参り、ツクツクボーシの蝉の声、ちょっとしたファンサービスの「扇風機のシーン」、、、

 夏の映画の心地よさがこれでもかと押し込められていて、何だか凄く良かった。

嫌な人もひとりも出てこなくて、まぁ多少波風が立つシーンはあったけど、もしまた同じような映画があるなら、是非また見たいなって思うような映画だった。

・フェードアウトのシーンが多かった。ある意味唐突な場面転換も少なくなくて、でもそれによっていろんな「日記」になってたと思うから、タイトルに則した演出だったのかな、って。

・ともすれば「歌入りのBGM」とか、エンディングにされそうな題材だったけど、そう言うのが一切無かったのも良かった。てか、

 エンディング、砂浜を歩く4人の横に、4人の名前が順番に出てきて、

それで次は誰?って思ってたら、、、

 ブラックアウト。

そこにグッと来ちゃったわ。「4人が特別」な感じが、こんなところでも演出されていたとは、って感じ。特に感動する場面の無い映画だったけど、そこだけはホント「やられた」って思った。

・・・

まだいっぱい見ていて思ったこととかあったはずなのだけど、全然思い出せない。凄くもどかしい。あ、

 仏壇に手を合わせるシーンが結構あるのだけど、みんな「小指と親指が、他の3本から離れてる」のは妙に気になった。

あれは「普通離すもの」なのかな?

他は、、、パッと思い出せないかな。

強くオススメはしないけど、4人が好きな人なら、全然見て後悔する映画じゃない。「心が温まる」と言うより、

 気持ちいい海風が吹き抜ける

そんな映画だったよ。

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