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2020年10月24日 (土)

鬼滅の刃

何がきっかけになるかわからないけど、

 休日の今日(10/21)、朝から晩まで掛けて、

 全話視聴した。

キリオさんがテレビの方から見ろって言ったのも理由の一つだし、朝昼の情報番組で劇場版が「日本最大のヒット作」となる兆しが強かったのも一つ。もちろんネットフリックスにあっていつでも見ることが出来ると言うこと、健康上の理由で「見ることが許される体調であった」こともあるし、

 作画が著しく素晴らしい場面があるらしいことがわかった

のも大きな理由。僕は贅沢な絵作りをした映画(アニメ)が好きなのだ。
※劇場版はまだ見に行ってない

もちろん一気に全話(全26話)視聴したくらいなので、後悔はしてないのだけど、

 何カ所か寝落ちしそうになったのは事実。

まぁ全編通しでハイテンションキープってことはさすがに無い。それはしょうがないと思うし、そもそも、

 全26話=約10時間

をほぼほぼぶっ通しで見ていれば、眠くなることがあっても致し方あるまい。

 何をそんな必死にフォローしてるんだって話だけど。

全編通してのクリス評価は、

 ザックリ★★★。

例えばグレンラガン、例えばヱヴァ破、例えばトップをねらえ!と比べて、満足度が高かったとは、正直思わない。他の人の評価はともかく、自分の中では、

 ジャンプっぽい

あと、

 まだ(マンガ家として)日が浅い感じがする

でも同時に、

 スゲェ売れそう

そして、

 よく出来てる。

とにかく作画は崩れないし、ところどころにガス抜きの笑いもある。セリフや効果音もちろんストーリーも良くできてて、

 男性ファン、女声ファン、子供から大人まで幅広いターゲットを視野に入れつつ、原作の持つポテンシャルに見合うだけのコスト(予算と才能)が集められて仕上げられた「大作」感を強く感じた。

「君の名は」を見たときも、その「商品としてのポテンシャル」を強く感じたけど、鬼滅にもそれに負けず劣らずの「マーチャンダイジング」を感じた。

・主人公がピュアで、家族や友人、敵ですら情を掛けるイノセントなキャラクターであること

・妹がルックスだけでなく、とても魅力的な二面性を兼ね備えていて、シスコンとラノベ好きにもキッチリ数字を取りに行ってること

・毛色の違う男女キャラを多数品揃えして、より多くの嗜好にマッチした提案をしていること

・見た目でもキャッチーな衣装と、わかりやすい配色で「手の届くコスプレ」をイメージ&実現させること

・原作の作画とアニメの作画のズレが皆無で、原作ファンの期待を一切裏切ってないこと

・さらに声優と彩色のセンスが際立って高く、理想的なアニメ化になっていること

・ネットフリックスほか動画サービスで「巣ごもり中」の全日本人に訴求しやすかったこと

・(朝テレビでやってたことだけど)コロナ禍にあって勇気づける、元気づけるフレーズが散見されたこと

・悪役にもしっかりとバックボーンを描き、「作品の奥行きがある感じ」を上手く演出してたこと。
※個人的には全く「来なかった」けど。ぶっちゃけこの点に関しては「あざとい」としか思えなかったわ。特に蜘蛛の子。何を今更、一点でも同情出来るところがあれば、何百人も殺して構わないわけ?なわきゃ無いだろう

・キッチリと努力友情勝利を織り込んでいること

・強さのカタルシスがキッチリ描かれていること
※義勇とかねず子とかゼンイツとかの晴れ舞台

たぶん画力のある原作マンガ家に、とても才能のある担当が付いて、二人三脚で「売れるマンガ」をとことんまで磨き上げた「結晶」がまさにこの鬼滅の刃だと思った。この言い方だと、まるで他にもこの手の作品が量産出来るかのように聞こえるかもだけど、

 その上で、非常に運が良かった点も否めない。

上にも書いたけど、コロナであることが、「この主人公のピュアなキャラクターを受け入れさせ評価させる大きな土壌になってた」点がある気がする。同時に、バスタード
※ある意味画力では一線を画していたジャンプ作品
と全く違っていて、時代が時代なら「どこかしゃらくささ」を感じさせてしまったかもとも思った。

 イイ人過ぎるのだもの。炭次郎さんは。

原作者の絵の上手さが5割、担当との両輪が上手く回った物語が2割、アニメのクオリティが3割って感じだったかな。

 とにかく絵が上手いマンガ家さんだなぁって感じ。

・・・

そんな中、見た人はみんなわかってることだけど、

 19話のクオリティだけは異質だった。

終盤のたたみかけるような展開が凄いのはもちろんだけど、前半から作画のクオリティがこの話だけ特別に高く、原作でとても人気があり、重要なエピソードであることを鑑みて
 「ここで心を戴く」と言う明確な意志を感じた。

挿入歌も最高レベル。作画、エフェクト、展開、セリフ、全てが高次元で、

 思わず笑ってた。

この話だけ言えば★★★★☆(9/10点)。笑っちゃうほどの満足感であり、見終わった直後に、

 もうテレビシリーズでこの話を超える回は無いだろう

と確信出来るほど。ある意味今から鬼滅に入るつもりなら、

 テレビシリーズ第19話を見るつもりで見始めなければ意味がない

とすら思うほど。劇場版は「ファン査定」が多分に入ってるだろうから、果たしてこれを超えられるかはわからないけど、

 折しも「19話」と言えば、エヴァンゲリオン第19話「男の戰い」と同じ回だったりする。

たまたまなのか、意図した物なのかは全くわからないけど、もし劇場版がこの19話を超える内容になっているとしたなら、

 そりゃ、記録も出るわ。

思わず納得してしまう。もちろんそれには種々雑多なファクターが混ざり合ってのことだけど。

マンガは既に完結しているらしく、劇場版がここまでの数字を残してしまった場合、残りのエピソードが全て劇場版になってしまう可能性も少なからずあるとも思うけど、例えそうだとしても、ファンはきっとみんな尻尾振ってついて行くだろうし、

 比較的短期間でこれだけの数字が出せる映画を作り出せた
※グッズやらなんやらを引っくるめた全ての経済効果も踏まえて
ことは、とても大きな偉業だと思う。これは、新海誠や庵野秀明、宮崎駿ですら為しえなかった「イレギュラーバリュー」な商品であり、

 ここからいろんなことが学ばれ、フィードバック出来るところはガッツリとフィードバックされて、「フォロワー」が量産されていくと思うから。
※これはマンガもアニメも含め

・・・

ぶっちゃけ僕個人の主観では、今まで見てなかった人に手放しでオススメ出来るほどの作品だとは思わない。実際僕に勧めた人もほとんど居なかったし、
※ある面では自分が大好きな作品を叩かれるリスクを嫌ってのことかも知れないけど
僕自身、そこまで「全世代」特に「僕らアラフィフ」に訴求する内容だったかと言われたら、答えに窮する。

 良くも悪くもジャンプっぽさが残ってる作品、つまりは「子供っぽい」作品で、それがどうしても受け付けない層は、やっぱり居ると思う。

伊集院が見たかどうかはわからないけど、彼がこれをもし見ていても、きっと手放しでは褒めてないと思う。
※褒めてたらゴメン
それはつまり、「大人でも楽しめる」のではなく「大人でも楽しめる人が居る」の域を出てないからだと思う。比較対象として不適切かも知れないけど、

 個人的には「ウォーリー」「ヒックとドラゴン」の方が「大人でも楽しめる」に近い気がした。
※邦画なら「君の名は」の方が

まぁあくまで僕個人の感想ではあるけどね。てか、

 ゼンイツがぶっちゃけウザ過ぎ。

彼をもっと上手く料理してくれたら「より大人寄り」になったかと思うけど、それによってはじき出される層も絶対的に居るわけで、現状最も数字が出せる「黄金律に近い作品」であるとするなら、僕のこの感想は「否定されて然るべき」かも知れないと思うんだけどさ。

・・・

劇場版も一応見に行きたいとも思うけど、今はまだ時期尚早かなぁって気もする。別段特に急いでみないと話題に取り残されるってわけでもないし、

 コロナだけじゃない普通の風邪も怖いしね。

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コメント

クリスさんこんばんは♪
鬼滅見られたんですね(*^^*)さすがの辛口評価(笑)
19話は炭治郎のうたも相まって泣かせに来ますよね~。義勇が助けに来た時は泣きました(笑)
善逸がやかましいのはあれですが、個人的には善逸の鎹烏のチュン太郎が最高に可愛くて好きです♪ 

自分も劇場版はコロナリスクを考えるとブルーレイレンタル開始されるまでに行かないと思いますが、気長に楽しみにしていますよ(^^)

投稿: なおなお | 2020年10月24日 (土) 01時02分

クリスさんこんにちは

一気見は凄いw
しっかりと評価なされて流石ですw

19話はほんとに凄かったですよね
神回とかいろんなアニメでよく言われますけど、あれこそまさに!って感じですよね。
個人的には善逸の17話の活躍もすげーと思いましたけど。

善逸は女性ファンもあと小さな子供のファンが多いみたいですね。
うちの娘もあの叫びや霹靂一閃の真似を良くしてます。

大人がみても少し寒いようなギャグシーンは逆に子供に刺さるようで、こういう世代によって楽しめるところが幅広くあるのも売れた要因ですかね。
まぁ少年漫画なんだから子供たちに向けて作ってるんだから当然っちゃあ当然ですがw

ちなみに善逸のあの叫びは、単行本で叫ぶシーンの注釈に、汚い高音って書いてあって
声優さんのオーディションで、汚い高音選手権というのがあって、それを見事制した下野さんが、善逸の役を射止めたそうですよw

あとはソードアートオンラインでキリトやってた松岡さんが、伊之助のあんな野生感あるガラガラ声で演じてるのが、声優ってすげーなって思いましたw

映画はほんと19話を自分の中では越えたので、ほんと是非見に行って下さい!
(もう行くことは決めたとのことですが)

クリスさん、単行本は読んで無いんですよね?
わたしはそれが羨ましい。
結末もどんな話しになるのか知らないであの映画を観れるなんて!逆にどんな感想を持つのか楽しみです!

私は19話は原作より前にみて、純粋にストーリーも知らずにみて、神回でした。
映画は完全にストーリーを知った状態で行きましたが、それでも私の中で19話を超えた出来だったので、とにかくお勧めできます!
良い環境で映画を堪能できますように!

投稿: キリオ | 2020年10月24日 (土) 01時58分

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