THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB
リストに入ってるのは結構前から知ってた。でも主人公がルーニー・マーラでもダニエル・クレイグでもない別の人だと思ったら、なかなか見る気になれなかった「ドラゴンタトゥーの女」の続編。ちなみに「ミレニアム」版は、既にドラゴンタトゥーの続編もリリースされていたけど、こっちも結局借りただけでそのまま見ずに返してしまった。
それほどまでに僕の中のリスベットは、=ルーニー・マーラだった。
でもだがしかし、ドラゴンタトゥーの女は、決してキャストだけが全ての物語ではない。映像的にも脚本的にも、思わず前のめりになる展開と、「世界作り」は秀逸で、
見てみたら存外楽しめるかも知れない。
腐ってもコロンビアピクチャーズ。駄作に金を出す会社じゃないはずだ。
ってことで、重い腰を上げ見始めたのだけど、、、
今回のリスベットは「クレア・フォイ」という女優で、出演作は何一つ見たことがなかった。ルックスは、
一言で言えば「ウエンツ瑛士」、、、に似てると言えなくもない女優。
このときの年齢は推定33歳。ドラゴンタトゥーの時のルーニーとは一歳違いだけど、撮影された頃の年齢で言えば10歳以上年が上であり、
正直ヒロインとしてと言うより、女性として「若く張りのある体」でもなく、ハッカーとしてのキレも、どこか様になってない感じだった。
本作はハリウッドで作られた続編だけど、撮影が始まる前には、てっきりダニエルとルーニーで、監督もデビッド・フィンチャーがまた撮ってくれるものだとばかり思っていた。
でも違った。
その理由は、見終わる寸前になってようやくわかった。てか僕が勝手にわかったと思ってるだけかも知れないけど、
今作のリスベットは、前作(ドラゴンタトゥーの頃)の彼女とは別人だった。
大いにネタバレとなってしまうので、詳細は覚えていたら下の方に書くかも知れないが、とにかく、
キャラが違うのだから、キャストが違うのも当然。
また、話の筋としても、前作がミステリーだったのに対し、本作はどちらかと言えばサスペンス要素が強く、特に「誰が犯人かわからない」と言うこともなく進んでいった。再三書いているが、ミステリーとサスペンスの違いは、犯人が早い段階で明かされるか否か。
まぁ序盤ですぐわかるってこともなかったけど。
また、ルーニーだけでなくダニエルを使わなかった理由も明白だった。
ダニエルでは出番の割にコストが掛かりすぎる。
出番が無いわけではないが、ほぼリスベットのサポート役で、前作ではかなりイーブンな関係で謎解きを進めていったが、全くそんなレベルではない。画面に出てるウェイトでも、謎解き以外の部分、例えば失脚した理由や報酬、その見返りなども含め、前作とは全く別の扱いだった。
これでは、ダニエル自身、出演依頼があっても断るかも知れないな、と。
ちなみに監督はリメイク版「死霊のはらわた」や、動いたら殺される「ドント・ブリーズ」を撮った人。つまり、ホラー監督。まぁドラゴンタトゥーも幾分ホラー要素の濃い作品だったので、方向性としては間違っちゃいないけど、、、
フィンチャー監督ほどのオーラはなかったかな、と。
ただ、BGMで緊張感が煽られる感じは悪くなかったし、特に飛ばしたくなるようなテンポの悪さもなかった。言葉は悪いけど、
無難に仕事をこなしたな、って感じだった。
だからこそ、
赤字になっちゃったのかも知れないけど。
結局キャストのしょぼさは、予算の低さにも繋がったけど、そのままさらなる興収の悪さにも繋がってしまった感じ?
これでは、誰に訊いても「ルーニー×ダニエルの方が魅力的」だと言う気がする。
ちなみにスウェーデンで最初に映画化された作品は、(僕の記憶では)エイリアンシリーズにも出てたナオミ・ラパスが主演だったけど、そっちより何より、ミカエル役がハゲてたのが印象最悪で、続きを見る気が失せた。
てか今調べたら、本作THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB「蜘蛛の巣を払う女」は、
シリーズ5作目らしい。
2作目も3作目もすっ飛ばして5作目を映画化したのは、たぶんつまりきっと間違いなく、「そっちのが金になる」と値踏みされたからだと思うが、
言うほどの結果が残せなかったのは、やっぱりキャストが弱かったからだろうな~と思った。
てかおっぱいも出なかったし。竜の刺青がある背中も、ぶっちゃけルーニーの方が魅力的。さらに言えば、太ももも無駄に太くて、ライダーススーツもあまりバチッと決まってない。好みと言ってしまえばそれまでだけど、
一から十まで魅力に欠けるリスベットだったわ。
これではミカエルも恋には落ちないぞ?
ただ、そんなケチョンケチョンに言いつつも、クリス評価は★★★と結構高い。見ていて、「ああ終わらないで欲しい!」と思いながら見ていたし、ルックスは微妙でも、展開は悪くなかった。脇を固めるハッカー仲間ほか数名のチームも、どこかミッションインポッシブルみたいで、「良い意味の既視感」があってニヤリとしたし、
総合したら十分及第点の映画だったと思う。
ただただ、惜しかったな、と。
・・・
以下少しネタバレ。見るつもりの人はこっから先は読まない方が良い。見ないつもりの人は、そもそも興味もないだろうし、読むのは既に見ている人だけになるとは思うけど、、、
覚えていたので触れるけど、今回のリスベットは、
涙を見せる。
前作はぶっちゃけ泣くような「弱い女」の部分はほぼほぼ無かったように思う。最後失恋してしまう切なさはあったにせよ、それで自暴自棄になるような弱さは微塵も感じず、
だからこそ、今回のリスベットは別人に見えた。
確かにトラウマになった出生からの秘密にメスを入れる展開は、彼女の最も触れたくない部分だったのかも知れないけど、それは同時に、
強くて賢く、そして冷たくさらにかっこいいリスベット像を壊すキャラでもあった。
どこをどう取り繕っても、「そこが残念だった」としか言いようがない。
自分が好きになったキャラが、別のキャラに変わってしまっては、、、
せめてキャストを代えることでそのショックを和らげたというのなら、それはそれでアリだったのかも知れないけど、、さ。
・・・
ミレニアム版を見るかどうかは迷う。借りてもまた見ずに返すことになりかねないし、やっぱりイメージと違うリスベットを見るのはツライから。
でも、今回既に一度「別人」を見て、「幻想が崩れる」ことを体験したのも事実。物語そのものはやはり魅力的であったし、そこに注視すれば、十分「イイ感じの時間」が過ごせるかも知れないしね。
見た人はオススメしてくれないかも知れないけど。笑
てかOPは移民の歌のがよかったな~やっぱ。
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