シン・エヴァンゲリオン劇場版(リピート)
ユニコーンも一段落したし、7番スクリーンでやってるウチに見に行かないと!と思って慌てて行ってきた。てか「行こう」と思ってすぐ翌日行く機動力の高さは、まだまだ若いモンには負けんぞい、と思う<若いモンはそんな言い方しない。ちなみに最後の「リピート」は楽譜に使われる記号のこと。てか今日見た時は付いてなかったような気もしないでもないけど。
予告でフックしたのは、
・モンスターハンター ポール・アンダーソン×ミラ・ジョボビッチのバイオハザードコンビというだけで、「最低限の面白さ」は保証されている。3/26公開らしいけど、たぶん見に行く。てかかなり楽しみ。
他は、なんかあったかなぁ、あメモしたんだった。
・竜とそばかす姫
・ゴジラvsコング
前者は細田守作品。夏と言うだけでなく、サマーウォーズっぽい映像に少々フック。
後者で気になったのは「善玉が明らかにコングなのに、コングの名前が後ろ」。過度な期待をしなければ、無難に楽しめるかな、と。
まぁそんな本編と無関係な話は置いといて。
まずネタバレ一切無しの感想をズバッと言うなら、
面白かった!キレイに終わって凄く良かった!
クリス評価は★★★★☆!極めて高い。てかなんで満点じゃないかと言えば、単純に僕の理解が追いつかなかったところが多々あったから。全部わかれば満点もあるかもってくらい良かった。
少なくともテレビ版最終回や、シト新生旧劇場版とかは目じゃない。
事前情報は一切無い状態で、さらに言えば「Q」のストーリーも全くと言ってイイほど覚えてなかった。一応序盤に「これまでのあらすじ」的なダイジェストカットが入ったけど、それ見てもあんま思い出せないレベル。
ジジイ過ぎんだろ
と思いつつ、そんな状態で見ても十分しっかり楽しめたし、
そこそこ泣けた。
当たり前だけど続き物なので、これまでの作品を見てない人にはお勧めしづらいとは思うけど、逆に言えばこれまでの3作品を見てきたなら、
絶対見た方が良い。それも出来るだけ大きなスクリーンで。
以下ネタバレを含んだ感想に入っていきます。てか、
世界に誇れるのは鬼滅じゃなくてヱヴァじゃね?
って僕は思う。なんて言うか、「世界に誇れる日本のオタク」は、このヱヴァを作った人たちだろって思う。なんて言うか、アニメがアニメである理由、アニメであるからこその魅力や、その表現の可能性ウンヌンをいろいろ考えると、
才能がある人間が才能がある人間たちと、時間を腐るほど使って、こだわれるところを全てこだわり抜いて仕上げていった結晶が、このシン・エヴァンゲリオン劇場版だと思う。
細かいことだけど「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」ではなく「シン・エヴァンゲリオン劇場版」なんだよね。まぁ最後にリピートマークが入ってるのはともかく、
なぜ「シン」なのか「なぜヱヴァではなくエヴァ、ヲンではなくオンなのか」
・・・たぶん理由があるのだろうけど、僕にはよくわからない。でも、見終わったあと、なんだろ、
その方がしっくり来る気がした。
よくわからないけどしっくり。よくわからないけど納得。
映画を見るのは好きだけど、自宅のテレビで見るのと違って映画館だと逐一感想を書いていけない。頭の中で何度も繰り返して、この感想はあとで絶対に触れたいと思うことを覚える努力をしながら見る。そのキーワード一つ目は、
「正解」ってあるよな。
これまでのエヴァは、どちらかと言えば僕の中で「凄み」「新しさ」がまず際だってたと思う。見たことがないクオリティのアニメ映像表現で、これまでの既成概念を打ち砕いてくれる気持ちよさが魅力だったと。
でも今回冒頭部分で感じたのは、その引きつける映像の完成度の高さ。新鮮じゃないわけじゃない。見たことがあるわけでもないただただ、
見ていて「見とれてしまう映像」。
このシーンの仕上げ方でベストな答え、つまり「正解」がこれなのだろうな、と思わせる絵作りの美しさ。
最近ゲームだけじゃなく、映画でもアニメでも漫画でも、あとプラモでも「黄金律」ってものがあるとシミジミ感じる。ちょっとズレたらそれはもう美しさが減っていく、面白さや楽しさが限界いっぱいまで磨き抜かれた状態。「最高で最良」なチューンが、序盤の展開でにじみ出るように感じた。
ついにエヴァが始まった。
これはある種スターウォーズエピソード7の冒頭でも感じたことかも知れない。「終わりの始まり」が持つ最後の煌めき。強くて堅い期待感に光を注いでくれる。幸せの始まりと、消えゆく寂しさ。
その後、シンジが社会復帰出来ない一方で、レイがどんどんフラグを立てていく。「ああこれで消えてしまうのだろうな」と悲しくなる一方で、
このままこの平和な農村暮らしのままで、物語が終わってしまってもいいのに。
シンジは社会復帰して、アスカとレイの二人を嫁に娶(めと)り、楽しく幸せに汗水垂らして暮らしていく世界。きっとその中にも幸せや笑顔はあるだろうし、
オレはそれでも全然構わないよ?と画面に向かって語りかけてしまう。
※声は出さないけど
でももちろんそんなわけはない。
現実はやはりシビアで、切ない。でも一縷の望みが残るのは、消えてしまった彼女の記憶は、この物語においてだけは、もしかしたらどこかで生き続けているのでではないか、と期待出来ること。
まぁうやむやにされたわけだが。
でもホント、この農村シーンのためにブルーレイを買ってもいいと思うほど、「庵野監督らしくない穏やかさと、庵野監督らしいこだわり抜いた世界構築」にウットリしたよ。
・・・
先ほど新鮮みが無いみたいなことを書いたけど、それはあくまで序盤の話。話が展開する過程で、きっちりとそしてたっぷりと、「見たこともないアニメ」を堪能させまくってくれた。アスカとマリがプラグスーツで移動するシーン、何気ないのに、ゾクっとする違和感が心を貫いたのは、間違いなくこのシーンが「普通じゃない」からだ。CDのモデリングを人体で行い、それをモーションキャプチャーで動かしたものにアニメーションの彩色をしたのか、はたまた単純に人の手で仕上げられた天才の仕事か、もしくは、
天才が技術を徹底的に理解して努力もしこたました成果か。
本作の時間は、見る前は1時間半くらいかなぁって思ってた。見ていてあまりにも密度の高い映像が紡がれすぎていて、このままではあっという間に終わってしまうのではないか、なんて不安すらよぎった。
でも違った。しっかりと2時間半。この広げまくった世界、設定、物語を畳むのに、必要十分な時間が取られ、描き尽くし、語り尽くしてくれた。
ありがとう庵野監督。やっぱアンタはスゲェわ。
相変わらずの電柱や電線だけでなく、廃墟のような町と街。なぜか「巨大特撮ヒーロー」が戦う場所のような世界。戦艦型の武装に何の意味があるのか。レイが銭湯に入るシーンが果たして必要なのか。異質なCG、実写のようなラストシーン、最高に最高だった、
クライマックスで掛かるボイジャー、、、
この曲を知ってる人は、見てる人の中にそれほど多くは居なかっただろう。
●VOYAGER ~日付のない墓標~ 松任谷由実
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38138352
でも僕は知ってた。この曲が大好きだったし、名曲なのもわかってた。
そりゃ泣けちゃうよ。グッと来ちゃうよ。
ニコ動の書き込みで「この曲の印象が強すぎて宇多田さんかわいそうまである」とはまさに至言。てか「さよならジュピター」をもっかい見たくなるレベル。まだ歌詞をしっかりかみしめ直してないけど、きっとエヴァの物語で「意味がある歌詞」になってるんだろうと思う。
庵野監督、そういうとこ隙がない人だから。
物語がクライマックスにさしかかる頃、息苦しくなって、切なさが加速する。次々に死んでいく顔馴染みたちに、ともすれば旧友の死にも近い感情が湧く。「今回はハッピーエンドじゃなかったのか」そんな疑問がよぎる。
・・・正直物語の2割くらいしか僕には理解出来なかったと思う。
・綾波はどうなったのか
・ユイとゲンドウはどうなったのか
・なぜここまで近代化したのか
・ネオンジェネシス=新世紀の意味とは
・アスカはケンケンと結婚したりしたのか
・委員長のそばかすはなぜあの歳になっても消えないのか、、、
謎は尽きぬばかりである。
だがしかし、
見終わったあと、とても清々しい気持ちになった。
シンジとマリがくっついたのは正直意外だったけど、でも不思議と違和感はなかった。初対面からあそこまで顔を近づけたマリは、もしかしたら既にシンジに恋してたのかも知れない。ずっと好きだったのかも知れない。「必ず迎えに行く」という言葉に込められた熱量は、彼女なりの愛の告白だったのかも、、、。
シンジはマリによって孤独から解放されたのかも。シンジにとってのマリは、ゲンドウにとってのユリだったのかも、、、
・・・まぁよくわかってないんだけどさ。
ともかく、間違いないのは、
この映画が「間違いない」「間違いなかった」と言うことだ。
泣いて、笑って、切なくて、苦しくて、でも感動して、スッキリして、しっくりして、でも疑問も残って、いろんな感情がてんこ盛りになってこそ、
エヴァンゲリオンという、不世出のアニメにふさわしい幕引きだ。
これこそが、僕が求めていたクライマックスだ。Qは1回しか見てない。なぜなら面白くなかったから。シンエヴァを見たあと、序の序盤を見直したら、その世界の軽さに違和感しかなかった。僕と共にエヴァの世界も歳を重ね、重みを背負った。
その重みにふさわしい結末が、こんな形だったんだろうなって思う。
ああ早くブルーレイが欲しい。てか、またフィルムの細切れとか入れてくれたらいいのにな~。デジタルだから存在しないんだろうけど、
祭りがこれで終わりになるのは、ちょっともったいない気がするんだよな。
「エヴァの学園ラブコメ」とか撮ってくれまいか庵野監督よ。
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VOYAGER~日付のない墓標
松任谷由実
傷ついた友達さえ
置き去りにできるソルジャー
あなたの苦しさを私だけに
つたえていってほしい
忘れない 自分のためだけに
生きられなかった淋しいひと
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから
冷たい夢に乗り込んで
宇宙(あおぞら)に消えるヴォイジャー
いつでも人々を変えるものに
人々は気づかない
行く先はどれくらい遠いの
もう二度と戻れないの
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを…
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから
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ホントずるい。泣くしかない。感動するしかないわ。
「映画の感動の9割は音楽によるもの」。まさにソレだったわ。
ちょっと追記。
ふと思ったけど、「ユイ」ってのは漢字で書くと「唯」。つまり「唯一の存在」って意味で、「レイ」は霊、つまり、「ユイの亡霊」って意味「も」含まれてたのかも知れない。
シンジが庵野監督の右腕とも言える監督「樋口真嗣」からってのは有名だけど、きっと僕が知らないだけで他の名前にも意味があったりしたのだろうな。なぜ綾波なのか、なぜ式波、真希波なのか。てか勝手に想像するに、「綾」を辞書で引くと、、
物の表面に現れたいろいろな模様。特に、斜めに交わった線が作り出す模様。解きほぐして現れる、物事の入り組んだ筋目。また、それを作り出すしくみ
とあった。彼女は「まっすぐではなく斜めに交わって出来た物」だったのかも。「式波」は漠然と「弐」に似てる。よく見ると「二」が「エ」になってる。惣流にもきっと意味はあったのだろうけど、弐号機パイロットである彼女がエヴァに一番固執してて、でも理由としては弱いな。
真希波は最後まで見て彼女がある意味「真の希望」だったのかなぁなんてことを思ったりする。前向きで「365歩のマーチ」、♪幸せは歩いてこないだから歩いてゆくんだね、は、彼女が、旧劇場版には無い「希望の結末」を示唆する役割を担って登場した「WAVE~波~」だったのかな、とか。
シンジを幸せに出来るラストピースにしてハッピーエンドに着地させるキーパーソン
てか一人で勝手に考えてるだけなんだけどさ。
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