プラモは一生の趣味になりうるか
まぁそこまで大げさな話でもないのだけど、昨夜ふと「ぷらもっち」さんと言う方のサイトを見てて思った。
●ぷらもっち
http://pla-mochi.com/
この方、もっちーさんは、アンリーシュドガンダムの超上手い作品をヤフオクに「コンスタントに」掛けてらっしゃって、完全にプロモデラーとして「職業」にしてらっしゃる方。
クオリティがとんでもなく高いのは言うまでもないのだけど、僕がフックしたのは、
プラモブログ?の内容がとても穏やかで、「プラモを楽しんでる感じ」が強く流れ込んできたことと、
年齢が僕と同い年だったこと!
もちろんファーストガンプラ世代だったことは間違いないのだけど、ずっとプラモを作り続けてきたわけではなく、普通に就職したり、他の趣味を経験、継続している中で、ガンプラもガッツリ作ってらっしゃると。
同い年なことが親近感を沸かせたと思いつつも、知識面技術面、特に知識面での差が著しく、さらに環境やスタンスも「さすがプロ」と思わせる凄みを感じさせた。
僕は別に職業モデラーになりたいわけではないし、もっと言えば雑誌の、それこそもっちーさんのような作例が作りたいわけでもない。だから、言われた通りに作れるとも作りたいとも「そこまで」思わなかったのだけど、
氏の文章を見ると、不思議と「そう言うのやってみたいかも」と思えてきた。
いろいろ読みふけってしまった中で、例えば、、、
「下地白は悪くない」「黒は隠蔽力が高い」というのは、初心者にとっては正解。でも上級者にとっては、白はそこまで下地として適正が高いわけじゃないし、黒はムラになりやすい。
つまり、「自分の技量」に応じて正解は変わる。「フレキシブルな視点」にグッと来た。
また、例えばデザインナイフを複数新品の刃で用意し、「刃を替える時に集中力が途切れるのを防ぐ」だとか、ピンバイスは径によって用意し、「微妙な相性」も重視することで自らがステップアップしたことを感じた、みたいな話も、
「どんなに上手い人、凄い人でも、ステップアップしていくんだな」と、妙な親近感を覚えた。
僕はサイズ毎に変えるどころか、一本もピンバイスを持ってないし、デザインナイフの刃も、結構気分でしか替えない。
※刃先が折れてもしばらく使ってたりするし
プラモデルを作る全人口を、等間隔に3分割し、初心者、中級者、上級者とした場合、僕がどこに属するかと思った時、
以前は「中級者」だと思ってたけど、どうやら「初心者」かも知れないな、と。
てか、初心者はたぶん「色を塗らない」「スミイレしかしない」「付属のシールやデカールまでは貼る」だと思ってたけど、たぶん中級者以上は「エアブラシ塗装をする」人になっていくのかな、と。ゲート処理や合わせ目、ヒケとかを処理するのも中級者で、その上でオリジナリティを織り込んだり、異素材のパーツをガンガン投入したり、あまつさえデカールを自作したり。まぁそこまでいくとごく一握りだろうから、3分割したらやっぱ中級者かな。
塗料は、買った段階で既にシンナーが飛んでいて濃度が製造段階より濃くなってしまっているので、買ってきたらすぐ「ビンの中のこのくらい」まで薄め液を入れて、その上で保管した方がいい、、、なんて話ひとつでも、
塗料だとビンを「塗ってしまう」と思い透明なシンナーで適正量の写真を撮ったけど、見えにくいので多少色を付けた。でもやっぱりわかりにくいので絵で描いて載せてくれた。
そう言う配慮が素晴らしい。
僕も普段ブログを書いたり、他の人の文章を読んでたりして「ここはもう一歩説明不足だろ」と思う事が多々ある。自分の場合はそれなりに咀嚼しつつ、多少長くなろうと説明的になろうと、わかりやすくすることも出来るし、気付けばそうしたりもするのだけど、
そう言うのって、結構難しいって思う。
自分の「技術力」は一定じゃない。やればやるほど慣れて行くし、上達もする。そうするとどうなるかというと、
過去の自分とは別の人間になってしまいがち。
以前は当たり前だったことが当たり前じゃなくなって、逆もまた起こる。でもプラモデルを作る人の「上達度」は、たぶんピラミッドみたいな形で、裾野は広く、上級者は少ないはず。
なるべく初心者のことを考えて文章を組み立てるのは、ともすれば「最も大切なこと」かも知れないって思う。
特に「初心者にプラモを楽しんで貰いたい」と言う気持ちが強ければ強いほど、「プラモの楽しさを広めたい」という気持ちが濃ければ濃いほど、説明は勢い長く、丁寧になると思うのだ。
・・・
一夜にしてもっちーさんのファンになってしまい、その勢いでファンレターなるものを書こうかとも思ったのだけど、僕も彼と同い年。誕生日を細かく見れば僕の方が5ヶ月ほどお兄さんである。
その書かれた文章から、今までの間に、心境や環境の変化が起こってる可能性は低くない。
たまにウチのブログでも居るけど、10年も前のネタに感情的に噛みつかれても、劇的に感動されて戴いても、こっちとしては「もうそれ過去の話ですから」だ。
大人なら大人なりの距離感や温度を大切にしないと。
・・・まぁウチのブログに関してだけ言えば、全く「大人ではない」「大人げない」のだが。
もっちーさんのスタンスでかっこいいな、と思ったのはまだまだたくさんある。
アンリーシュドガンダムの足は、爪先とかかとを曲げることが出来る。少しいじるだけで、上側だけじゃなく下側にも可動するように出来る。
が、接地性と安定性を重視して、固定とした。
この「固定にしちゃう」ところがかっこいい。拙作ながら、僕がユニコーンのサイコフレームを塗装した時の感覚にとても近い印象を持った。
「その方がかっこいいから塗る」。
重要なのは「最後に何が残るか」であって、「バンダイのセールスポイントを活かす」ことではない。
氏のアンリーシュドはメインカメラ(目)の発光をオミットしている。せっかく光るのだから、それを残したいよな、という僕の「ヨコシマ」な考えを見透かしたかのように、
光っても光らなくても暗いのだから、塗っちゃった方がいい
、、、かっこええ!オレもそう言う大人になりたい!
またその塗装が素晴らしい。せっかくの発光ギミックを捨ててまで塗装するのだから、それなりの発色、それなりのインパクトは当然とも思いつつ、実際にそれが思い通りの結果に繋がるかどうかは、
センスと技術力、そしてトライ&エラーを繰り返す「向上心」があってこそだ。
もっとも、それを僕が真似るには、まずエアブラシを買うところから始まるし、実際に実物を見てない分、イメージもしづらかったりはするのだけどさ。
※特に最近お気に入りのユニコーンを「やや薄暗い屋外」で撮ったときみたいなエフェクトは、さすがに発光しないメインカメラでは難しいだろうし
現在は制作依頼を受け付けてないそうで、さらに定期的にヤフオクに作品を投下してらっしゃるようだけど、ぜひ一度本物を見てみたいなぁと思った。もっとも、いざ見たところで僕がいきなりエアブラシやコンプレッサーを買うってことはないと思うし、作品その物を大枚はたいて買いたいとは思わないとも思うけど、
氏の仕事が趣味としての側面を持ちつつ、ずっと続けて行ける可能性を持っているとしたら、僕もその道(仕事として成立するかは置いといて)をもっと深く掘り下げて行くのも、まんざら悪くないかも知れないな~などと思った次第なのだ。
てか、別にゲームだって60歳越えてやってる人も居るし、別にアニメやまんがを嗜み続けたっていい。もちろん一言で「プラモを作る」と言っても、石坂浩二さんみたいにタミヤ系を作り続けてるおじいちゃんも居るし、カーモデラーだってバイクモデラーだって居る。
「老眼だから」を理由にするのは、たぶん「老眼じゃなかった頃の作り方しか選択肢がない」と思い込んでるからだと思う。もちろん指先だって老化するし、カサカサで指紋も無くなっていくかも知れない。でも手袋だってあるし、
「意識」と「意志」がしっかりあれば、プラモはまだまだずっと作り続けていけるんじゃないかと思った。
てか「あの」ガンダムが、まさか個人モデラーがどんどん生産し続けてるものだとは、ホント驚きだ。きっと待ち時間は他のキットと平行してキャンセルしてたりするんだろうな~と思いつつ、クオリティが全く落ちてないことにも感心する。
てか何でファンレターを書きたくなったかと言えば、この人なら「今の僕のスキルから、どこをどうするのが一番効率良く作品に跳ね返りますか?」と言う質問に答えてくれそうかな、と思ったから。
僕の作品、、というか、僕のプラモは、再三書いてるけど、
・ゲート処理もろくにしてない
・ヒケ処理も一切してない
・合わせ目は一部しか消してないし、その勢いで消えちゃったモールドとかそのまま
・パーティングラインもほぼ消さない
・ランナー状態で筆塗り
・筆塗りはムラを目立たなくさせるために凄く厚く塗る
・サーフェイサーを塗らない
・ABSでもプライマーを使わない
・パーツも洗浄しない
・スジ彫りを深く掘り直したりしない
・気泡が残ってたりする※これはさすがに無くしたいと思う
・エアブラシは使わない
・デカールはスゲェ失敗するし苦手
・マスキングテープもついこないだ使い始めたばかり
・後ハメ加工もほぼしたことがない※塗ってから作る。仮組みもしない
・机じゃなく畳に座って作業
・基本せっかちなので、塗装が乾くまで待ちきれずに触っちゃったりする
・ネコも飼ってる
・・・書けば書くほど「初心者臭」がスゲェな。減点法だとマジで「0点モデラー」だわ。
※ネコは関係ないけど
上手い人の動画ように、丁寧に下処理をして、エアブラシで「美しく」仕上げることを「目指してない」。もちろん最低限目立ちすぎる合わせ目は消したいなぁとか、気泡のあとはさすがに見苦しすぎるよなぁと思うし、筆塗りだから塗りムラは平気ってわけではない。ムラ無く塗れるならその方がいいに決まってる。ただ、
エアブラシの手間とコストと時間が、「僕には割に合わない」と思ってしまうのだ。
もちろん生産性を劇的に向上させるような塗装ブースや作業部屋、塗料を乾燥させる山善の乾燥機等々の準備が十分に整っていて、さらに潤沢に使える塗料や溶剤、そしてそれを支える資金力もあれば、また話は変わってくるのかなぁとも思うけど、
今はそこまでじゃないし。
まぁ本当のところ、何が一番重要かは僕にもわかっている。それをするのがプラモの上達に対して最有力の近道であることがわかっている。でもなかなかそれを出来ないのも、きっと僕だけじゃないと思う。
部屋が汚い。
徹底的にプラモにフィッティングした環境を組み直せれば、例えば常に暖かなお湯でデカールを浸け、手元が明るくなるようなライティングをし、各種マテリアルや道具が使い勝手の良い棚や引き出し、ケースに分別収納され、ランナーを見つけるのも早くなり、生産性が向上することで、より作業に没頭できる環境になる、、、かな、と。
それが難しいわけだけども。
・・・
とりあえず抜本的改革はムリとしても、もっちーさんがやってた「キレイなメインカメラ塗装」はちょっとマネしてみたいと思った。エアブラシじゃなきゃお話にならないと言われたら言葉に窮するけど、とりあえず、
・明るい緑色の下地色※サーフェイサー
・蛍光グリーンの塗料※いくつか発色を試してみるなり、直接もっちーさんから買うなり<販売もしてらっしゃるので。さすがにお高いけど
・フチはエナメルのブラックグレー?売ってるんだろうか
それでも「さっと買ってさっと試す」その対象がって話なんだけどさ。せいぜいユニコーンヘッドのシールを剥がして、塗っちゃった塗料を洗い流してって感じかな~。
でもホントキレイに塗るのも大変だけど、「見えるままの写真に撮る」のも同じくらい大変なんだよな。「蛍光灯とLED証明の違いが、蛍光カラーの見える発色の違いに直結してた」なんて話も、「へ~へ~へ~見るところが違うわ!」って感心したもんな。
蛇足だけど、、、
僕は減点法だとダメモデラーだけど、加点法なら、、
・オリジナリティのある配色で全塗装する※調色もする
・自己満足度の高い作例を作る
・制作開始から塗装して形になるまでが(たぶん)早い
・かっこいい完成写真にこだわりがある
そして、
・プラモを楽しんでいる
雑で汚くて、塗装は厚ぼったくてモールドも埋もれてるけど、自分と自分の友達レベルなら、普通に褒めて貰える程度のプラモを作る。
それは、小学生の頃と何にも変わってない。
ホント凄く強く思う。友達がエアブラシで塗装した作品とか、ゲート処理を丁寧にやってトップコートとスミイレ、デカールの作品※塗装はしてないとかを見ると、「キレイだな」と思うと同時に、「物足りない」と思ってしまう。作品そのままのカラーで仕上げる人が凄く多い中で、自分勝手に思うがままに塗って作る。依頼された仕事じゃない。完全に自分の趣味・嗜好で突き進む。
僕が作ったプラモ写真を送ると、
「楽しんでるのが伝わる」
とよく言われる。それって実は凄く「かっこいいこと」だと思う。
最近だと「博士ちゃん」、昔だと「未来創造堂」に出て来る人たちは、自分が好きなことに対して誠実かつ一途で、非常に情熱的。タモリ倶楽部とかアメトークとかも、本気の本気で好きなことに対したとき、
人間の魅力は何倍にもブーストする。
僕はそう言う人を見るのが大好きだし、「自分も内側に居られたらいいな」と思う。
今プラモは、「内側に居ること」を感じられる。
そして、
「ずっと居続けてもイイかな」って思い始めているのだ。
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