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2021年5月 5日 (水)

映像研とデジラマ

昨日は天候が荒れまくりで、まるで台風のような大雨だったので、店は早じまいして帰路についた。

その頃には雨は小康状態になっていて、空には厚い雲の切れ間から光がこぼれ、夕闇せまる時刻と相まって、

 何とも不思議な世界に染まってた。

一言で言えば、「リアルなのにセピア」。慌てて車を降り、「日常なのに非日常」の写真を、雨に濡れながらパシャパシャり。「パシャパシャり」って「ケロケロリ」みたい。

純粋に風景写真としてもイイ感じだったけど、出来たらデジラマ用の背景にも使いたいという下心もあり、

 だったらプラモも一緒(の天候)に撮らないと!

と、名鉄の高架下で撮影。ちなみに雨の中で「プラモを濡らしながら撮る」と、水滴がバカデカくなってリアルもクソもないのだ。

途中正面から犬の散歩のおじさんが歩いてきて、「怪しい者じゃないですから!」と半ば無理矢理に以前作ったデジラマ写真を見せたり。いい迷惑だったろうごめんなさい。

ともかく、そうやって撮ってきた写真を使ってデジラマを作るわけだけど、今回は正面からのアングルだったので比較的足の違和感は少なく、それでも一回目にトリミングしたガンダムは、

 仰角に違和感が残ったので、あらためて別の写真から再度トリミング。

マグネット選択ツールは便利だけど、さすがに2回続けては煩わしい。

 2回目はかなり雑に、、、こっちが採用だったのに。

てか、これはホント経験を重ねるしかないと思いつつ、「現実の背景の角度」と「プラモの角度」の照合?重ね合わせ?は、デジラマの構成要素の中でもかなり重要度が高い部分だなぁと思った。

・光源の角度
・仰角
・色調

この三つが整ってるだけで、リアリティは格段にアップする。当たり前だけど、「そこにあるように撮る」なら「そこで撮る」のがイイに決まってる。でなければルーカスも砂漠まで行ってロケをしたりしない。

ともかく、最初は何がおかしいかもわからなかったのが、数をこなしてだんだん「見えかけてきた」。まだ完全じゃないけど、とにかくプラモも背景も、

 写真を撮るならカメラの上下角をズラしていくつか撮る。

これがとにかく重要。プラモの場合は、下からちょっとだけ見上げるように撮ったり、正面やや下くらいから撮ったり。

 ガンダムを上から見下ろすケースは「ドローン視点」になっちゃうので、それを意識したカットでない限り不要。

あと、そんな時間帯だと、カメラのオート露出次第で一瞬で暗くなって、被写体がボケまくる、、のに、それを画面で確認しづらいので、
※毎回確認してたら時間が刻々と過ぎて、あっという間に「背景と違う世界」になっちゃう

 とにかく撮るしかない。

てか、昨日も20枚くらい撮ったけど、その内7割はピンボケしてて、

 いっそのことピンボケを活かしたデジラマにしたろか、、、

とも思ったけど、まぁ「失敗」と「リアリティ」は違うしね。

で、さらに今回は「雨で路面が濡れてる夕暮れ」というシチュエーションだったので、出来たら何とか、

 手前に伸びるガンダムの影を入れたい!

影とは、プラモそのものに落ちる光源で出来る影ではなく、道路に差し込むガンダムのシルエット。逆行なので手前に伸びるし、さらに路面が雨で濡れているので、多少はボケて欲しい。

 どうしたもんか。

まず最初に、「足のカタチでトリミングし、天地反転してトーンを落とし透明度を上げて、ガンダムの一つ下のレイヤーに入れてみた」。

文字にすると「それでいいんじゃないの?」と言う説得力がありそうな方法だけど、

 これだとカカトの接地してる場所から影が伸びない

さらに、左右の足が、文字通り足並み揃わないし、トリミング時に微妙な「フチの光」が入ってしまって、「影なのに明るい」という変な感じに。

一旦元画像を使うのは諦め、手描きで背景の「影がありそうな部分」を境界線をぼかしながら切り抜いて貼ってみたりしたけど、

 どこをどう見てもおかしい。

ただ地面に半透明の板があるだけ。ガンダムとの関連性も見あたらない。

あーでもないこーでもないと時間を気にせずトライ&エラーを繰り返し、最終的に「まぁこれでいいか」となった方法を、備忘録を兼ねて書いておく。念のため言うけど、

 全然完璧じゃない。

てか、僕が使ってるフォトショップ7.0の使い方は、今ネットで探してもほとんど見つからないし、こないだ買った本も「ほぼマック用」だったので、なかなか深く読み込めないんだよな。

 なので全部独学で進めてる感じ。

そりゃヘタなわけだよ、と言い訳してみたり。

●影の作り方

・元画像の片足をマグネット選択ツールでトリミング。長さは「影として必要十分なくらい」

・選択範囲を反転し、「足以外の明るさを大幅に暗くする」。これで切り出したとき境目が妙に明るいと言うトラブルを避けられる。

・境界線を30ポイントと広めにぼかし、反転したのを元に戻して、コピー&メインにペースト。レイヤーは当然ガンダムの下で背景の上。

・上下反転したあと、大きさが違うので、自由変形を使って「足の下から伸びるように」カタチを大幅にいじる。CTRLを押しながらポインタを動かすと、他のポイントと連動しないので、融通が利く。SHIFTを押しながら四隅のポインタを動かすと、縦横比を維持したまま拡縮する。

・太陽の方向を意識しながら形を整え、透明度を80%、明るさをほぼほぼ真っ暗にする。このとき完全に真っ暗にしないことで「微妙にガンダムの色が残る」のだけど、路面が雨なら「反射もある」かな、と思って。もし反射がない影なら、明るさは完全に真っ暗でいいと思う。

 てか本来影に色はないからね。

・逆側の足も同じようにやる

正直夕暮れだと、「影はもっと長い」し、僕の視点からだと、きっと違って見える。だってガンダムの向こう側の電柱の影が、その高さの何倍も伸びてたし。

でも、パッと見たとき、ガンダムの足のカタチの影の方が、「その他諸々の整合性の低さ」をごまかせると思った。差引してプラスになればいいかな、と。

・・・

正直境界線のぼかしは30ポイントはやり過ぎたな~とか、足元から伸ばす場所が甘かったな~とか、かなりいろんな課題は残ってるけど、

 一歩踏み出すことが重要。

ちなみにガンダムのフチも妙に明るすぎたのだけど、これは色調補正メニューの中から、「白い部分(正確には白に近い色の部分)の色を変える」ヤツをがんばって探して、そこだけガッツリ暗くした。

ガンダム自体も、ホントはもっとセピア調にしたかったのだけど、完全にカラーを統一してしまうと、一気に味気なくなってしまって、そのやり方が「スンゲェいろいろがんばったけど」最後までわからなかった。いくつかトライ&エラーを繰り返して、

 このくらいが一番マシかな、、、

ってレベルで落ち着いた感じかな。

・・・

で、こんな作業をしていて思ったのが「映像研には手を出すな」。あれはプラモではなくアニメ制作の話なのだけど、中盤で「風車の描写」が出て来る。

「風車を回す」には、ただプロペラをちょっとずつズラして描けばいいわけではない。一番端の方と正面の中心部分では、作画一枚当たりの「変化距離」が違うし、プロペラ一枚の角度ひとつとっても、

 風が吹いても回らない角度では、見ていて気持ち悪さが残る。

さらに、ただ回っていても「風は感じない」。風を感じさせるには、「効果線」として「直接風を描く」とか、「塵や埃を描いて風の存在をアピールする」などの幾通りもの方法があり、主人公達はそれを模索しながら進める。

 今回の影も、つまりはそうした「模索」と同じ。

リアルではない物にリアリティを持たせるには、「説得力のあるウソ」をいかにひらめくか、だ。それはセンスや才能や、もしかしたら物理演算の数学的知識かも知れないけど、

 経験でも結構カバー出来るところだと思う。

永遠に上達しないマンガ家というのは、あまり聞いたことがない。アニメーターだって初期の作品と晩期の作品では、いろんな技術やひらめきによって表現方法やリアリティの出し方に変化が生じるはずだ。

 まぁ中にはコスト削減によって、むしろ作画が低下した、なんてこともあるとは思うけど。

ともかく、僕らは今、いくらでもアニメを見ることが出来る。アニメの中のガンダムにはしっかり影が付いているし、その影の形がどんななのかも確認出来る。ポリゴンモデルを使ったアニメなら、

 背景の中の存在感にリアリティがある。

仰角のフィッティングや光源の違和感が、かなりのレベルで払拭されている。

 参考に出来ることは全て参考にする。

映像研の面々も、爆発表現や演出の大半を、過去の作品から取り入れてカタチにしていった。出力されるものは違うけど、ノウハウとして活かせる部分は間違いなくあるし、存外ガンダムのデジラマを「やってる人が少ない」のは、先人の智慧を使えないマイナスがあるかわりに、

 新しい世界を見つけるセンセーショナルなエモーションがある!

しょっちゅう書くけど、僕の目指すは、カトキハジメの著書「ガンダムフィックスフィギュレーション」にあった、

 現実の世界としか思えないようなガンダム。

今はホントに1/1のガンダムがある世界だけど、あれは言っても「檻の中のライオン」。僕が見たいのは、

 野性のライオンなのだ。

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キレイに終わったのに蛇足。

ガンダム本体をトリミングして切り出す際、今回のように薄暗い背景の場合は、

・トリミングしてコピー

・背景にペースト

・一旦背景と合成※一枚の絵にしちゃう

・さらにガンダム部分の境界線を3ポイントくらいでぼかす

・そして再度コピー

・さっき使った背景を再度読み込んでペースト

こうすることで、「ガンダムと背景の馴染ませ」がより良くなりそう。ガンダムを撮ったときの写真が、背景と全く同じ色味であれば問題ないけど、そんなことはまずあり得ないもんね。

 また一つ進化した(気がした)ぜ!

さらに、、、

友人にもガンダム本体の色がもっとセピアな方が良いと言われ、

 んなこたぁわかっとるわい!

と思いつつ、第三者の言葉を軽視しては進歩はないと思い、再度試行錯誤を再開。で、ふと思った。

 フォトショで出来ない(やり方がわからない)ことでも、他のアプリで出来る可能性はある。

何となくIrfanViewの色調補正を覗いてみたら、当然フォトショよりシンプルなのだけど、その分わかりやすく、手ざわりとして自分がイメージした「セピアさ」に近しい結果が出せそうな感じ。

まだちょっと試しただけなので、本腰入れたわけじゃないけど、元画像の段階から色調を整えて保存し、境界線を適度にぼかしつつフォトショで丁寧に切り出せば、

 もう少しは「馴染み度」を上げられそう。

あと、足元の影ももう一声がんばりたい。ぼかしを30ピクセルではなく20くらいにして、、、でも本音を言うと、「雨による地面のテカリ」が、影に全く影響してないのも気に入らないと言えば気に入らない。使いこなしてる人は絶対こういうののやり方も知ってると思うのだけど、、、てかせめて同じソフトを持ってる人が相談できる距離に居れば良かったのだけど、昔から使ってる人は当然今の課金型CC版も使ってるだろうし、

 その頃のことはもう忘れてるだろうからな。

なかなかもどかしいぜ。

もどかしいと言えば、一回アップしたものを再度微調整してまた上げるのも「いいやら悪いやら」って感じ。パッと見サムネイルでは同じに見えるものが連投されるのって、、、。

まぁ特筆したルールがあるわけでもないし、どのみち10人程度のフォロワーに何を遠慮してるのかって話だしな。てか増やす努力した方がいいのかなぁ。迷うわ。

・・・追記。

一旦インスタにアップしたのだけど、やっぱり、、、と思い「IrfanView」での色調補正を試してみたら、思った通り「馴染むガンダム」になったので、それをあらためてトリミング&貼り付けたら、かなりイメージに近い「セピアな感じの写真」になった。

●クリスの濃い部屋出張板~夕焼けの巨人~
https://crisdeep.blogspot.com/2021/05/blog-post.html

フォトショの「カラーの統一」を使うと、全体をセピアにすることは出来ても「黒までセピア」になってしまって「絵が薄くなる」。かといって個々の色を一つずつ補正するテクもなく、ある意味途方に暮れてた。

Irfanでは、R(レッド)を伸ばし、B(ブルー)を下げることで、全体をセピアに寄せることが出来た。背景写真と並べながら微調整して、「このくらいかな」と言うところで着地。今回はプラモ側を調整したけど、状況次第で背景をいじった方がよりしっくり来ることもあるかも知れないな。

カメラやフォトレタッチに詳しい友人居ないかな~。

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