デジラマのコツ~その5~
これで最終回。
●5.ピント
ちょっと前にも書いたけどもっかい書く。これもデジラマをやり始めて気付いたこと。つまり、デジラマをやってない人は、もしかしたら今でも知らない事かも知れないこと。
普通の写真はピントが合ってて普通
「普通の写真」とは即ち、風景写真であったり、人物写真であったり。
人物写真の場合は、被写体にピントが合っていれば、それ以外の背景はむしろぼけていた方が「際立つ」ので良しとされることもあるし、その傾向はインスタやLINEなどのSNS文化の加速によって、スマホカメラの性能にも大きな影響を及ぼすようになったと言っても過言ではない。
つまり、スマホカメラで普通に人物を撮ると背景は結構ぼける。
しかし、風景写真や巨大な被写体、例えば巨木とか船とか飛行機とかだと、別段ぼけたりしない。
これは、スマホのカメラのチューニング、もしくはパーツの性能が、
ピンボケを「二次関数的にジャッジしている」から。
近ければ近いほど被写界深度は狭くなり、花や人物は対象物以外はぼけやすく、遠ければ遠いほど、「物理的な距離差」による被写界深度=フォーカスする範囲は広くなる。
プラモを近くで撮影した場合、わずか2cmの落差でも、手前に伸びたビームライフルの先がピンボケしたりする。
同じスマホで作業現場の写真を撮ると、手前の金網と、現場、更にその奥の民家にまでピントが合ってたりする。
これを意訳すると、、、
実物のリアルな縮尺では、ピンボケは起こりにくく、プラモやジオラマのような近景だとピンボケが起こりやすい
と言うことになる。
なので、以前流行った「風景写真をジオラマ風に撮る」は、まさに中心の一部分にだけピントを合わせ、それ以外手前も奥もピンボケさせることで、
「まるでジオラマのような被写界深度の狭い写真」が出来上がる
と言うわけ。
つまり、「ジオラマではなくデジラマ」を作りたい場合、被写界深度は広ければ広いほど良い。「手前と奥をピンボケさせればジオラマ風になる」なら、「全ての被写体にピントが合っていれば実際の風景写真風になる」理屈だ。
だがしかし、スマホのカメラのF値(被写界深度を決める値)は、正直そこまで大きく無い。
※この数値は大きければ大きいほどピントが合う範囲が広がる。僕のGalaxyS10だと、1.5か2.4の二択になっていて、一眼レフとかだと10以上の数値に設定出来たりする
プロモードにして当然のように2.4を選択したとしても、得られる近距離撮影のプラモは、往々にして手前や奥がピンボケするのだ。
さらにそのピンボケは、トリミングして風景に置いたときにも違和感を醸し出す。
風景の中の中心のプラモの「ボディはピントが合っている」のに、「手前に伸びた銃はピンボケ」していて、さらにその手前の風景部分はピントが合っている。一歩引いた後ろ側の足はピンボケしているのに、さらにその奥の遠景はピントが合っている。
フォーカス、ピンボケ、フォーカス、ピンボケ、フォーカス
そんな写真が出来上がってしまうのだ。
「これではリアリティもクソもない」。と言うか、パッと見の違和感の正体がこの「ピンボケの混在」であることに気付いても、
どう直せばいいのかがわからなかった。
がしかし、ある日、スマホのプロモードで「ピントの合う距離を手動で設定出来る」ことに気付き、
だったら手前も奥もそれぞれ別々に撮影して、あとから合成すればいい。
結構な数のデジラマを作ってきてるけど、これも大きな発見、進化だった。
確かに、プラモが超絶上手い人は多いし、中には一眼でF値を上げて撮ってる人も居る。でも、現状スマホで撮ったり加工したりして上げてる人が大多数で、そう言う上手い人のガンプラでも、手前に伸びた手や武器はピンボケしていたりする。
もちろんそれは「普通」のことだし、それによって迫力を感じるケースも少なく無い。でも、
迫力とリアリティは別物。
カメラでもスマホでもなく、肉眼で目の前に1/1のガンダムが居た場合、
そのガンダムはピントが合っているはずなのだ。全体的に、どこでも。
※視力が弱い場合は別として
・・・
でもだがしかし、ただピントが合っていればそれでいいわけでは当然ない。重要なのは、
馴染むこと。
周囲の背景がピンボケしてるのにプラモだけバシっとピントが合っていてもダメだし、高速で移動しているであろう戦闘機にピントが合いまくってるのも、「思いっきり不自然」なのだ。「1/1立像」は動きが遅く※もしくは止まっているからピントが合うのであって、飛んでるコアファイターや、遮断機のすぐ向こう側を通過する電車には、肉眼のピントも合わない。
どう見えるかを再現するのがポイントだって話だ。
ちなみに、これらの知識は鉄道模型にリアリティを持たせたい場合にも大いに活かせるはずなわけで、逆に言えば僕みたいなデジラマ青二才が3ヶ月で気付いた程度の知識など、とっくの昔に咀嚼され出力に活かされてたりする。
余談だけど、鉄道模型は、ガンプラ以上に「リアルなジオラマを作る」ことにウェイトが置かれている印象もあるから、デジラマ要素は遠景や雲に止まる場合も多いけど、作品から得られる「リアリティの手ざわり」は、シミジミ勉強になるなぁと思う。
●情報量の話
これは直接デジラマのコツの話ではないオマケの話。
プラモをかっこよく作ろうとした時にちょいちょい出て来る「情報量」という言葉。デカール、スジ彫り、段落ちモールド、メタルパーツ、塗り分け、汚し、最近だとクラック塗装とかも、プラモの情報量が劇的に増す。
僕のプラモは、無改造で汚しもなく、デカールすら貼ってなかったりする。
でも、
その情報量の少なさを、実際の背景が思いっきり補ってくれている。
ジオラマのリアリティは、どこまで行っても本物には敵わない。ジオラマの価値や凄みは、目の前で見た時にその精度や完成度が物語るもので、モニター越しには、
脳内で「ジオラマなのにこのクオリティ」と言う補正が掛かっている。
なので、「まるで実写にしか見えないジオラマ」は、とてつもなく凄く感じるし、僕も大好き。ならば、
「まるで」ではなく「ホントに」実写ならどうか。
僕がデジラマを「やろう」と思ったのは、カトキ先生のガンダムフィックスがきっかけだが、それも「(架空の)絵なのにまるで本物みたい」と言うリアリティの妙味に惹かれたからだ。
「情報量の多さ」をプラモではなく背景に持たせた物が、僕のデジラマなのだ。
で、ふと思えば、僕のプラモでも唯一情報量が多めなものがある。
アンリーシュドガンダムだ。
実際それを使ったデジラマは、他の物よりクオリティが高く思える。つまり、
情報量の多い作例を使ったデジラマなら、今より更に強力なオーラを放つ可能性が高まる。
前回の「あるあるグフ部隊」で隊長に任命された方のグフとか、ホントスゲェ。
ああいう作例を使ってデジラマを作らせて貰えたら、、、
てか最新作の黒いガンダムは正直何に出てたのかも知らないけど、グロスがかっこよくて、ウットリレベル10!
これを、他に大都市の夜景をアップしてる人の背景写真と重ねつつ、ネオンの反射を描き込むことが出来たら、、、
「他人のフンドシで相撲」を非とする人も居るかも知れないけど、将来的にはそう言うデジラマを「たった一つでも」作れたらいいなって思うのだ。
●余談
次何作ろう。候補は、
・HGマークII
・HGガルマザク
・HGドムトローペン
・PGザク
・HGグフ
とか?てか結局ガンキャノンにもデカール貼ってないままなんだよな~。細かい虫も入ってくるし、ムカデとかゴミムシとかアリとか蜘蛛とか出まくるし、どうしようか。塗装ブースがある人とかってエアコンの効いた涼しい部屋でプラモ作ってるのかしら。
・・・
僕がインスタを始めるきっかけになったのは、自店のチラシを作ってくれている広告社の人に、ドムの写真を載せて貰ったことなのだけど、今回5枚の写真と共に僕のアカウントを宣伝してもらったら、、、
その人のそのネタに、353いいねが。
その人は1000人ちょいのフォロワーとフォローの人なので、僕より分母が大きいのはわかる。353人のいいねの中には、僕にいいねしてくれてる人も当然居るのだけど、ちょっと気になったのは、
・向こうにいいねするとこっちのいいねも増えるように出来ないか
・自分のネタじゃないのに「自分のネタの過去最高いいね」をマークしてしまったのは、むしろストレスではないか
一つ目は、普段から「gunplaphotography」とかで表示されてる作品に付けたいいねは、ちゃんとその作った人に付いているのかってことも含めて気になってる。リポストした人と二人に付くってことは考えにくいし。
二つ目は、その人の過去最高いいねが250ほどの中で、他人である僕のネタが一番になってしまったことの申し訳なさと、「350」と言う数字が僕の中で決して小さくない「羨ましいいいね数」である事実。
友人のガンプラで作ったデジラマが、とんでもなくたくさんのいいねを勝ち得てしまった場合、どんな気持ちになるんだろうか、と思ったり。
せめて一番は自分のでありたいとも思うよね。正直なところ。
※幸い現状は「プラモも背景も自分で用意したもの」だけど
まぁ全部自分で用意出来てれば、そんな心配は無用なのかも知れないんだけどさ。
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