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2021年10月 5日 (火)

バンダイの思惑

先日の休日は、珍しくバンダイ再販出荷予定日の翌日となった。気負って朝開店時間にジョーシンに行くと、時を同じくして「いかにもプラモが趣味でございます」と言った風体の男性客が僕の前を足早に駆けていく。

結果同じ目的ではあったものの、当日入荷予定と思しき物は何一つ無く、続いてエディオンに行くも状況は同じ。

何時くらいに入るか訊ねると、

 早くても12時過ぎ。遅い時は3時過ぎかなぁ

と言うので、一旦帰宅して時間を潰し、再度12時半頃にエディオンから訪れると、

 ガンプラはほとんど入りませんでしたねぇ

と、タイミングはバッチリであったものの、目の前にあるのはSDの軍馬のみ。すぐさまきびすを返しジョーシンへ。棚に変化はなかったが、店員さんに訊ねると、、、

 今日の分はもう出てしまいました

つまり、売り切れたということ。何時くらいに入荷したか訊くと、「午前中だったとは思いますが、、」と何とも歯切れの悪い返答。このときはこの意味を深く考えなかった。

このあと、あまり乗り気ではなかったが他の店も回ってみた。

・TAMTAM 土曜に出す店なので特になし。他店に無い物としてはグレンラガンの9900円が。

・ムラタ模型 僕の定休が水曜から木曜になったので行くことが出来るようになった。他の店に無かった「陸戦ジム」「ズザ」「ヘイズル系」があったが、お目当てのハイザックは売り切れてしまったとのこと。何時に来れば良かったのか、、、。

・ハッピーストーク 定価ではあるけどだからこそ残っているかもと淡い期待で訪れたところ、他店になかった「サイバスター」が定価4400円にてあった以外、HG関連はほぼ全滅。他店にあるようなものすら無かった。相変わらずガンキャノンディテクターとか、MG百式など、「以前からあるが他店にはない」ものはそのまま。

・・・

前回再販翌日に回ったときは、ジョーシンでもかなり充実していた。黒い三連星やジオング、旧ザク、オリジンガンタンクもあった気がする。だが昨日はそんなレベルじゃない。
 一体何が起きているのか。

まず、よく見る貼り紙「人気のガンプラはお一人様一点限り」の文言。これはつまり、

 ひとりで同じガンプラをたくさん買っちゃダメ

と言う意味であり、言い換えれば、

 全部違うガンプラなら、入荷した全ての商品を買ってもイイ

と言う意味になる。

最近は「一店舗1種類1個」という入荷がかなり多いような気がする。もちろんジョーシンやTAMTAMはもっと入るのだろうが、トヨカワホビーやムラタ模型、あとドンキホーテも1つずつしか入ってない感じだ。

 これはもう転売ヤーがどうという話ではないと思う。

とにかく売ってない。定価ですら「安い」と感じている人が多い。2割引で買えるなら、とりあえず買っておこうと考える人が「多々居ても」何ら不思議は無い。

ガンプラは高い趣味になりつつあるが、それでもHGクラスならそこまでじゃない。大型を別にしたら1500~2000円に収まるキットが多いだろう。

例えばプレミアムバンダイ。送料が別に700円(税別か税込か不明)取られるらしい。もちろん定価だ。例えば、税込2200円のキットなら、1つ買うのに2900円掛かることになる。

 ジョーシンの店頭で見つけて買えば1760円。2900円からしたら、

 実に4割引相当の出費で買える計算だ。

・・・そりゃ買うだろうと。さして欲しくないかも知れないようなモノであっても、今のこの現状を鑑みたら、サイフのヒモは緩くなって然るべきだ。

まぁプレバンなら予約しやすいとか、通常店頭に並ばないものも多いとかあるけど。

・・・

バンダイはどうしたいのか。

今回学んだのは、「店頭(主にジョーシンなどの安い店)でガンプラを買うのはほぼ不可能になっている」と言うことだ。

・入るか入らないかわからない

・入るとしても1個

・入る時刻もわからない

・予約は当然のように出来ない
 ※予約出来る店でも、予約可能になった瞬間にその枠は埋まる

僕は本来並ぶのが嫌いなタイプではない。前日から並んだゲームソフトは数知れず。深夜からひとりぼっちゲオの店頭に座り込んで6時間ひとりぼっちだったこともある。

 しかし、それは「その時間が報われる時間」だからだ。

一番に並んでいれば必ず買える。入荷がひとつしかなくてもそれは「オレの分」だ。しかし、「入るかわからない」ということは「それは徒労になる可能性をはらんでいる」ということ。

 報われない時間ほど無意味なものはない。

今回家と店を二往復したが、買ったのはハッピーストークで「ガンダムマーカーメッキシルバー定価660円1本」のみだ。ガソリン代がどうという話ではない。

 単純に無駄に人生を使ってしまったことを「学んだ」。

「悔いたわけではない」。なぜなら、家を出る時点から「買えるか買えないか何一つ確証がなかった」のだから。リスクは承知の上だ。

ただ、あまりにもあまりな惨状を前に、

 バンダイは2割引でプラモを売りたくないのではないか

 バンダイはガンプラをLEGOのようなブランドに高めようとしているのではないか

 バンダイはプレバンやガンダムベースなどの「定価売りの直販店」を重視しようとしているのではないか

 バンダイは、、、

 現状を把握した上で、国内販売数を絞っている(断言)。

もちろんコロナの影響や、在庫をダブつかせて処分してきた過去もある。店頭で「半額」のステッカーが貼られたMGゲルググを僕も持っている。半額で処分すると言うことは、メーカーにも「売れない商品を提案した」というレッテルが貼られる。

現状店頭にあるガンプラを俯瞰すると、

 ゼロではないが、変わりばえもしない。

どうしても何か作りたい、買いたいと言う人に、「不人気で低回転のアイテムを売るにはまたとないチャンス」と言える。
※面白いのはこれが「ガウ」「ムサイ」ではなく、ユニコーンやフリーダムと言った主役機であることか

これだけ店頭がガサガサなら、店舗側も「動きが悪いから半額に」などという事はない。

このバンダイのスタンスは、主に通常価格で買って、作りたいという国内消費者に一番マイナスだと思われるかも知れないが、

 店舗側も実は絶大なるマイナスを抱えている。

それは、、、

・人気商品であるため、「売り手市場」でバンダイに強く出られない

・状況次第で仕入れ値を上げられたり、抱き合わせで本来注文してない商品すら送りつけられるリスクを負う可能性がある

・店頭での選択肢が極端に少なくなっていることで、お客様の購買意欲を削ぎ、売り上げも激減する

・それなのにお客様からの問い合わせの電話や、予約の対応を迫られ、人件費が掛かる

つまり、

 お金にならないのにお金が掛かり、「安売りするメリット」がほとんど無い。

「定価で買えた!」と言うコメントを見て強い違和感を覚えた。いつの間にガンプラは「定価で買えない物」になったのか。「定価が安く」なったのか。

以前触れた豊橋のジュニア模型。商品は全て定価売りだが、品揃えは(プレミア品を主に取り扱う中古店を別にすれば)、地域ナンバーワンだった。狭い店内に、他店では見かけない品がギッチリ詰め込まれている。

 狭い店内を別にすれば、それはつまり「限定品のないガンダムベース」みたいなものだろう。

バンダイは小売店に販売価格を指示する権利はない。それをするとたぶん違法になる。でもだがしかし、小売店側が自ら価格を変えるのは何も問題無い。DMMの通販も、以前は21~29%OFFが当たり前だったのに、今は多くが定価売りになっている。amazonの価格は「全てプレミア価格」と言っても過言ではないくらいに高騰しているし、近所のブックマーケットも、「特に高額な棚」を新たに増設しているくらいだ。

もしジョーシンがガンプラを定価売りにすることで入荷を増やしてくれるとなったら、それは大きな選択を迫られていることになる。

ひとつにはこれまでずっと「ガンプラ2割引」を続けてきたことへの裏切り。そしてコロナ禍で再販日に大人数が店頭に押し寄せる怖さもあるだろう。今は行列を煽る時代じゃない。

ブームが加熱することは、逆に言えば「ブームとして終わる」可能性をはらむ。妖怪ウォッチだって鬼滅の刃だって、

 ガンプラと比べたら遙かに短命だ。

だからバンダイ側も、「お店が定価売りするからと言って、一気に大量に商品を流通させる可能性は薄い」とも思える。ただ、スタンスとして印象として、

 2割引のジョーシンより1割引のタムタムの方が入荷数が多いように思えるのは、偶然じゃないのではないか。

ガンプラの原価は、僕の知る限り定価の6掛けだった。つまり税込1100円なら、税抜1000円。原価は税抜600円というところだ。
※赤ちゃん本舗でPGのZガンダムとかが35%OFFで売っていたような曖昧な記憶もある

でもだが今は、旧キットを中心として掛率がガッツリ上がってる可能性がある。それはDMMの価格が定価になったことが理由だが、

 バンダイの他の(ダンバインやパトレイバー、ザブングルなど)キットの定価が、以前の倍前後に上がっていることからも、可能性は十分あると思う。

戦略的にエントリーグレードが定価500円税抜であっても、一方では定価5000円前後の同じスケールのキットがリリースされている。企業として儲けを出さなければならないのは当然だし、

 そこにエンドユーザーの「買えないと言う文句」は届かない。もっと言えば「聞く必要もない」。

ユーザーがこうして欲しいと言う要望を全て受け入れたら、メーカーはたぶん潰れてしまうだろう。メーカーにはメーカーの事情があるし、メーカーにしか把握出来ていない情報やデータも凄く多い。

 個人の気持ちとしては「ムカ付く」けど、その理由を想像し、理解し、今後のスタンスを予想しつつ、自分の向き合い方を考えるだけのことなのだ。

・・・

ガンプラが海外でもっと盛り上がれば、海外に工場がいっぱい造られていくかも知れない。
※僕が知らないだけで既にあるのかも

もしかしたら旧キットどころか、新作すらも期間限定になって、LEGOのように3年~5年で市場から消えていくようになる可能性もある。

LEGOを手本にしてると感じるのは、若年層への商品展開をなおざりにしてない点からも伺える。5、600円程度の低価格帯のキットは、今回エディオンにもきっちり入荷していたし、店頭でもかなり充実している部分だ。

 1年、2年先ではなく、10年、20年先まで見越したら、「子供にプラモデルを作ってもらう」ことは絶対的に必須案件なのだ。

任天堂が強いのは、小さい子供へのアプローチを欠かさず続けてきたからだし、アンパンマンが永遠の人気キャラクターであり続けるのも、「大人のサイフを使う子供」が強力な顧客であることを裏付けている。

 だからと言って、僕ら大人はSDガンダムばかり作りたいとは思わないわけだけど。

ともかく、僕の予想としては、

・バンダイはガンプラの定価を無くそうとしている

・バンダイはプレミア価格を推奨している

・現時点で品揃えや生産が激増する可能性は薄い

つまり、

 定価やプレミア価格で買うのが当たり前だと思わない限り、ガンプラを買い続け、趣味にし続けるのは難しい状況がしばらく続くと思う。

これは希望でも期待でも何でもない。今僕が得ている情報や、現状を鑑みての僕の勝手な予想だ。

 それがイヤなら買うな、もしくは、売ってるものでガマンしろ

って話。まぁオチを付けるなら、

 とりあえず目の前の積みプラを全部消化してから言え!

ってところか。

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少し追記。

てか、ぶっちゃけ僕はプレミア価格そんなに否定してないんだよな。前にも書いたけど。ただ「極力買いたくない」とは思うだけで。今回回ってシミジミ思った。

 「そもそも(バンダイが小売店に)売ってない」と。

適度な飢餓感を煽り続けなければ、「もうさすがに買わなくてイイか」と思われてしまう。今そう思ってる人がどれほど居るか。転売ヤーが問題なのではなく、これが今のバンダイのやり方なのだよ。

 それでもプラモの質は凄いと思う。EGガンダムとかアンリーシュドとか、「あの価格では安すぎる」と思えるものもキッチリリリースしているのだ。言ってしまえばプレミア価格や定価は、

 クオリティに対して正当な評価をしている可能性もあるのだよな。

1番くじのEGガンダムとかEGストライクを1500円とかで躊躇わずに買ってる僕も居るわけで。

まぁさすがに定価の3倍とかは行きすぎだと思うけど。

何度も書いてるけど、僕のアンリーシュドガンダムは、もう10万円くらい楽しませてもらってると思う。買ったプラモが全部そんななら、ちょっとやそっとのプレミアや定価買いは、確かに安いのかも知れない。

 買ったプラモが全部そうじゃないから安く感じ無いんだけどな。

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