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2021年10月21日 (木)

閃光のハサウェイ

ネットフリックスに入ったのは15日。4日ほど前の話。

楽しみにしていた人も居るだろうし、僕も多少は。

だがしかし、期待はほぼほぼしてなかった。言い換えれば、

 「期待してない自分」を作ることで裏切られる可能性を抑えようとしていた。

期待してなければ裏切られない。「期待を裏切られる期待」をしていたのかも知れない。

既に見ている人が多いと思うので、ネタバレ有りの感想になる。

・・・

クリス評価は★★★☆。悪くない。が、世間の声ほどには楽しめない自分も居た。と言うか、楽しめたのは楽しめたのだけど、

 視点はたぶんみんなと違うのだろうと思った。

ただ、今作は僕の知ってる数少ないガンダム作品と明らかに違う点は感じた。

 モビルスーツを見せない。

そして、それを見た感想は、

 オレの作るデジラマのよう。

何とも横柄な感想ではあるが、しょうがないそう思ってしまったのだから。

冒頭「足だけ」映るシーンも、自分が作ったデジラマにかなり近く既視感を覚えた。順序が逆なら、僕を「真似た」と思った人も居たかも知れない。

暗部を際立たせたり、人物や背景との比較描写が圧倒的に多く、「モビルスーツの大きさ」に留意して作画しているのを強く感じた。

 メカのかっこよさは、デザインで決まるわけじゃない。演出で決まるのだ。

だから顔が見える必要もないし、シルエットだけでも十分な魅力を出すことが可能。まさに自分が作ってるデジラマのベクトルと同じ価値観を、メカ作監から感じた。

 上手い。だがしかし、、、

「これは作品ではなく商品だ」。

感想はいくつもあるが、その中で僕が特に強く感じたことが二つ。

ひとつは、

 「ギギが魅力的」

ヒロインのキャラ立てが過去僕の知るヒロインとは違うオーラで構築されていて、新鮮味を感じつつミステリアスな不透明性で興味を煽ってきた。

 ヒロインが良ければ、クリスは大抵のアニメでも映画でも楽しめる。

そしてもう一つが、、、

 「エヴァじゃない」

僕はエヴァが大好きなのだが、それはエヴァは庵野監督のやりたいことをやりたいクオリティで実現している、「重度のマスターベーション作品」であるからだ。監督の作家性、価値観、イメージを、自分の注げるリソースを「自分の判断で」「自分の裁量で」注いだ結果が、

 たまたま支持された、奇跡の作品がエヴァンゲリオンだ。

だから、そのシーンはひとつひとつに遊びがなく、尺が長くなりがちだし、密度が高く、それがそのまま完成度の高さ、満足感の高さに結実する。

一方閃ハサは違う。

序盤のポリゴン描写の雑さはなんだ。トゥーンレンダっぽいモビルスーツの作画と比べ、飛行機やらなんやらの手抜きさに誰も異を唱えなかったのか。キャラの作画にしても、

 「劇場版機動戦士ガンダムめぐりあい宇宙」のキャラ作画には遠く及ばない。

ギギだけ丁寧で、野郎どもは隙だらけ。そもそも魅力を際立たせにくい顔立ちではあるものの、もう一人のメインである大佐ですら、

 オーラの欠片もない。

キャラデザイン、キャラ作監の恩田直之は、決して僕の嫌いなアニメーターではない。がしかし、全てを彼がカバーして作画されたとは思えないし、要所要所のテコ入れ箇所と、そうじゃない部分の温度差は、

 まさに富野監督の残り香を感じざるを得ない出来だった。

僕がガンダムから離れたのは、まさに「それ」が原因だ。

 「抜くところは抜く」

それが商売だと言わんばかりのカット割り。コンテ。作画。

確かにこの作品はお金になるだろう。空前のガンプラブームと、動画配信サービス。劇場でのブルーレイ販売など、「時代に即したマーケティングの塊」のような手法だ。だが、

 必ずしもそれが「オレに」響くとは限らない。

「期待をしなかった」のは、「期待をして裏切られるのを避けるため」であったが、同時に「期待できないオーラ」を纏っていたからでもある。

メカの作画は、自分の価値観に近い「面白い絵作り」が多かったし、ヒロインも魅力的だった。でも、

 根底にはサンライズの手抜き体質、富野監督の「商品作り」の作風が、

 やっぱり残ってた

と思った。

 あのジェガンはなんなんだよ、「雑にしてもいいシーンは雑にする」と言わんばかり。クズかよ。

・・・

思ってた以上にヒロインが魅力的で、モビルスーツの戦闘の見せ方が、デジラマ的。リアリティを感じさせる演出は、同時に「モビルスーツそのものを描かない」ことに気付いた点は、いい意味で裏切ってくれた。

しかし、思った通り雑なカットが多く、せっかく魅力的なヒロインを構築しても、それが100%活かし切れていたとは正直思えない。なんだよあのライバル。

 空気かと思ったわ。

せめて大佐が乗ってくれよ。紛らわしい。

序盤のハサウェイの動きも「殺陣の作画としては相当しょぼかった」。見ていて「え?この動きは達人ってことなの?」とマジで疑問に感じてしまったし、エレベーターに官僚?の夫婦を入れた意味もよくわからない。

それでも7点なのは、そこまでギギとリアル風戦闘の評価が高かったから。つか、

 ユニコーンですら2話くらいしか見てられなかった僕からしたら、相当「面白かった」ってことでもあるのだけど、

 続編も映画館に行くことはないだろうな~って思ったわ。

てか、クスィーガンダム、顔がブサイクで萎えた。あとペーネロペーの中のオデュッセウスガンダムが、一度も出てこなくてちょっと驚いた。メッサーとかリゼルかな?相手したモビルスーツは、演出がなかったら全くどうでもいいと思った。別段プラモも欲しくならなかったし。

 途中で一回寝そうになったし。

あ、あと、大佐に抱きつきに行くギギは、スゲェ違和感があった。

 あんなことしてちゃんと責任取れるのか監督?

って思った。

音楽は概ね○。でも何一つ覚えてはいない。あくまで環境音楽って感じ。EDも最近のアニメって感じで、初代みたいなオーラは一ミリも感じない。

誰がどう感じて、楽しんでもそれはその人の感想で、僕が侵害するつもりは全く無い。ただ、自分は「雑だな」と感じたシーンが半分くらいあって、その点でエヴァとは比べものにならない「弱さ」を感じたんだよな。

そんなこと言いながら絶対また見る。美味しいところだけ再編集したいくらいだけど。

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