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2021年12月24日 (金)

LSIゲーム

昔の伊集院のラジオを聞いてたら、その話題が出てた。太陽電池を使うタイプで、「永遠に電池不要」であるものの、かなりの晴天でなければ動かないと言う枷の方が大きくて、とても切ない思いをした、と言うリスナーの投稿。

LSIゲーム、代表的なものと言えば、任天堂のゲーム&ウォッチだが、僕自身は任天堂ブランドものはひとつも買った(買って貰った)記憶はない。近所の友達がバーミン、オクトパス、ファイアなどを持っていたおぼろげな記憶はあるものの、、、あ!

 妹をそそのかして「ドンキーコングデュアルスクリーン」を「買って貰わせた」わ。

LSIゲームとは、ザックリと時代を区分すると、

・今 ポリゴン

・ちょっと前 ドット絵

・更に前 ベクタースキャン

・その前 LSIゲーム※液晶ゲーム

念のために言うけど、僕はかなり筋金入りのゲーム大好き人間だったので、「ベクタースキャンとドット絵を前後に配置するのは無理があるだろ」とか、「LDゲームを忘れてないかい?」などという無粋なツッコミを華麗に「無視する」スキルを持ち合わせている。てか、正味のトコロ、

 液晶とドットマトリックスがどっちが古いのか、僕もよくわかってない。

一つ覚えているのは、

・LSIの液晶よりも、FL=蛍光表示管の方が古かったと思う

くらいか。FLとは、簡単に言えば「光るか光らないか」の二択。LSIとは「黒くなるかならないか」の二択。今の液晶は青色発光ダイオードの発明により、フルカラーが表示出来るようになったけど、昔は「通電すると黒くなる」のが液晶で、例えば電卓ですら古いものは液晶よりも大きなFL仕様だった気がする。

どちらにしても、「予め決められたカタチ決められた場所に表示するかしないか」という仕様なため、本来表示出来ないカタチを表示することは出来なかった。

そう言う仕様、つまり枷がある状態で、どんなゲーム、いや、ゲーム性を創造するかが当時のクリエイターの腕の見せ所だったわけだけど、シンプルな構造であっても、人を夢中にさせたのは、

 それが面白かったからに他ならない。

時代的にはLSIゲームよりも古い、ゲーセンにあるドット絵のゲーム
※さっきの時代順はどうした!、、、すぃ~
は、巨大で高額な基盤が必要で、ゲーム性もビジュアルも派手で面白そうにも見えたが、LSIゲームはそこまでコストを掛けず、「面白さの核」を拾い上げてカタチにしたところが凄かったのだと思う。

後年桜井政博さんが、ワンボタンによるゲーム性は、「タイミング」「反応」「連打」の三つに集約される、みたいな話をしてた気がするけど、
※星のカービィスーパーデラックスのミニゲームでは、タイミングと反応に特化していたけど、相当面白かった

LSIゲームもそうした「シンプルで純度の高いゲーム性」によって、「子供たちの心を掴んだ」と言っていいと思う。

しかし、

その当時、たぶん小学校高学年くらいの年齢だったと思うけど、僕はと言えばかなりませていたというか、「こまっしゃくれた」人間だったので、そんなシンプルなゲームに5000円もの大金を払うことに、大いに抵抗があった。とは言え、豊橋のおばあちゃんが「買ってくれる」と言ってくれたチャンスを無下にするわけもなく、誰も持って無さそうで、そこそこ面白そうな「任天堂ではない」メーカーのLSIゲーム「クロスハイウェイ」を買って貰った。

クロスハイウェイは、言ってしまえば「フロッガー」系。左右から流れてくる車を避けて、対岸まで移動するタイプのゲームだ。

言ってしまえば「普通のLSIゲーム」で、可もなく不可もない内容だった。これをチョイスしたことを後悔もしなかったし、別段自慢出来るほどでもなかった。

ちなみにシンプル系のものでは、任天堂の「バーミン」というもぐらたたきが大好きで、友達にやらせてもらって、大層面白いと思った。てか、

 その当時の記憶が、後の数十年に渡って、「ゲーセンでもぐらたたきやワニワニパニックをつい遊んでしまう僕」を形成したと言っても過言ではないくらいだ。

てか、むしろ複雑なゲームの方が「面白さの純度」が低い気すらしていた。オクトパスみたいに「救いつつ取ってくる」とか「ジャッジ」みたいに頭を使うようなゲームは、さほど面白いとも楽しいとも思わなかった気がする。ただ、

 見た目は重要。

僕は持ってなかったけど、当時友達が持っていて最も羨ましいと思ったのが、

 モンスターパニック

縦長で、ドラキュラやフランケンなど、名だたるモンスター達が次から次へと襲ってくる、、、と言う設定だけでも面白そうであり、「これは傑作だ!」と思った。てか、今思えばドンキーコングの方がゲーム性的には優れていたのだけど、

 見た目でこっちのが魅力的だった。

でも、知り合いが持ってるモノは、いつかは遊べてしまう。せっかく買うなら「みんなが持ってないモノ」じゃないと、と思ってしまうし、その中で面白いものが何なのかをジャッジしなければならない。FLゲームのパックマンとかも、友達が持っているからと言う理由で「魅力が激減」したりするのだ。

ともかく、そんな状況でどんなゲームを買うか。限りあるリソースをどこに割り振るのが正解なのか。

ポイントになったのは「ゲーム性と操作性」。既にある程度出揃った状態で、自分が何をLSIゲームに求めるのか。もうモグラたたきでは満足は出来まい。ましてや時はLSIゲーム戦国時代。粗製濫造も出始めていた頃だ。絶対に地雷は踏みたくない。

・上下左右の移動とショット

少ないモノでは、右と左に一つずつしかないのが通例だった時代に、「左に4つ右に1」というボタンで、その自由度、ゲーム性の奥深さを感じさせ、さらに「3in1」、つまり3種類のゲームが遊べると言う触れ込みだった、

 機動戦士ガンダム3in1

を購入。実際は3種類と言っても二つはシューティングタイプで、そこまで大きな違いはなかったが、
※1つはズゴックがインベーダーのように迫ってくるタイプ。もう一つはギャラクシアンのようにシャアザクが飛来するタイプ
残りひとつがシューティングとは全く異なる「レースゲームライク」、わかりやすく言えば「バルーントリップ」のようなゲームで、

 素晴らしく面白かった。

そして、

 フロッガー3in1

「ブロック崩し」「フロッガー」「パックマン」という全く違うゲーム性の3本を、限られた液晶という枷の中で実現したその志の高さと、これまた4ボタン+1ボタンを活かした構成。ぶっちゃけ、

 この2本に出会わなければ、僕は今日までゲームを遊んでなかったかも知れない。

それほどまでに僕の原体験として「ゲーム性と操作性」の刷り込みがされた2本だった。

結構なタイミング、ゲームボーイカラーが出たくらいまでは何とか現存していた気がするけど、今は見つけられまい。壊れた記憶もないし、かなり大事に使っていたので、見つけることが出来れば、もしかしたらまだ遊べる可能性もある。思うのは、

 たぶん、今やってもそこそこ面白いのではないか

と言うこと。単純なゲームには魅力が無い、そう感じた頃ももちろんあったけど、面が進むごとに上がっていく難度の調整は絶妙で、

 どっちのゲームも、カンストまでやり込めた記憶がない。

相当遊んでたはずで、かなり上手くなったとも思うけど。伊集院が言ってたような「カンストするのが当たり前になっても遊び続けてた」って経験は、自分にはないなぁと思った。

今は3in1どころか「ミリオンin1」だって実現しようと思えば実現出来る世の中になったけど、でもだからと言って当時のLSIゲームがつまらなくなったとは思わない。むしろあんなシンプルなゲーム性の中にこそ、

 ジジイになっても楽しめる面白さがあるのかもってちょっとだけ思うのだよな。

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