鈴木均さんのセミナー
長男の勧めで、夜8時からのZOOMセミナーを聞いた。ニュースキンという化粧品とかスキンケア関連の外資系会社で、つまりは「あなたも一緒にやろうよ」と言う話。
「最初はうさんくさいと僕も思いました」から入り、いろんな著名人、大金持ちがこぞって参加した実績、成功した人の話をまくし立てる。
全く来ない。
例えばその企業の創業からの流れや、慈善事業への参加、お金の流れ、まぁいろんな「外堀の埋め方」はあると思うけど、
基本美辞麗句しか並べない人は信じるに値しない。
軽く気になったことを列挙すると、
・バブル期が何年から何年で、その間の成長や売上高にはフィルターを掛ける必要があるのに、それには一切触れていない
・近年の売り上げが、ピーク時の3分の1まで落ち込んでいることには一切触れていないし、直近2020年の数字にも触れていない
・同業他社との比較で、優位性をアピールしない
・成功者が何人居るかではなく、「何%の人間がどの程度の利益を得られたか」という、新規参入者目線の情報がない。これはつまり、
「1年で300人の一等当選者が50年で15000人居る」だから宝くじを買おうと言ってるのと同じ。
・顧客との繋がりが重要なのはわかっている。問題はその顧客をどう作るか。その作り方が一番重要で、一番気になるトコロなのに、それをあまりにも話さない。つまり、そこが生命線であり、「他の人に取られたくない、知られたくないパイ」であることを感じた。
・「自分で徹底的に使ってみてその上で勧める、ファンを増やす」という文言に、「その人だけの売り上げも見込んでいる」と感じた。間口を広げ、「一見代理店を作っているように見せかけて、その実お客さんを増やそうとしている」だけに思えた。徹底的に使ったらそれだけで結構な売り上げになると思うし。
そして、その結果効果が無い可能性には一切触れてない。
効果があると確信しているし、事実「その人には効果があったのかも知れない」が、それが他の人にも同じように適用されるとなぜ言えるのか。体質だって体調だって千差万別だろうに。ましてやアメリカと日本では人種だって違う。
お金がある人の付き合う相手がお金持ちなら、そこには「性能以外の要素」が絡む可能性の方が遙かに高いと思う。「お義理で契約はするけど、使いはしない」「あなたに言われたから買うけど、信じてるわけじゃない」。
そんなのは絵に描いた餅だ。
もちろんお金持ちじゃなかった人で成功した人も居る。だがしかし、その人のポテンシャルがその他大勢皆が持っているとは限らない。社交性やコミュニティ、単純に人間力が極めて高かったのかも知れない。
だから向かない人の数字は言わない。
セミナー中のアンケートで「会社に何を求めるか?」と言う質問があり、「潰れないこと」と答えた人が居て共感されていた。僕は「楽しい事」と答えて、「楽しくても潰れてしまっては、、、」と返された。
つまり価値観が違う。
楽しく仕事ができる事が僕にとっては重要で、例えば5年働いて一生食べて行けるだけの蓄えをしたいというわけじゃない。大金持ちになりたいわけでもない。贅沢な車、地位のある友人知人とのパーティ。一等地の自宅、豪勢な食事、、、
その人はその人のコミュニティで共感してもらえる友人たちと楽しくやればいい。だが、共感出来ないオレを巻き込むのは勘弁してくれ。
億万長者にならなければ生きてる価値がないのか。
一生遊んで暮らせるだけのお金があれば幸せなのか。
生活水準の高さだけが人間の格を決めるのか。
世界中の誰もがそれに共感したとしても、僕は共感しない。だって、
僕より人生を楽しんでる人を、僕は知らない。
なぜなら、「僕の感じる楽しさ」は「他の誰かが感じる楽しさ」とは違う。僕は僕が楽しいと思える選択をしたいし、仕事や会社もそれに含まれる。
「楽しくても潰れてしまっては、、、」。なぜ楽しく働くことが潰れることに直結するのか。
つまりこれは、「この仕事が楽しくない可能性」を示唆してるからだ。多くのビジネスパートナー、代理店という名の顧客たちの大半が数字が出せない状況で、もどかしい思いをしている現実を、オブラートに包んで見えないようにしているからだ。決めつける表現は好きではないが、
否定しないのなら想定されても致し方ない。スピーカーとはそう言う立場にある人間だ。
結局のトコロ、この人の話は、「お金を稼げることが何よりの幸せ」という人の話だった。重要なのは、「この人の稼ぎ」であって、「この人の話を聞いた人の稼ぎ」ではないことだ。
冒頭で「命を使うに見合う時間になれば」とチャットを送った。
全くならなかったわ。
・・・
長男はこれを読む可能性が高いけど、別に自分以外の価値観や信念を否定するわけじゃない。と言うか、僕は僕を信じている。僕が信じてる僕が、鈴木均氏を「うさんくさいと感じる」という話だ。
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