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2022年2月 5日 (土)

デジラマの作り方~最新版その2~

昨日の続き。

・プラモ側の色調補正

スマホとPCのフォトショの違いで顕著になるのがここと「影(後述)」。スマホのフォトショップエクスプレスや、その他のアプリでも、被写体だけを対象にして補正出来る場合もあるけど、その境目をきっちりするのは難しいし、特に、

 シアン-レッド
 マゼンダーグリーン
 イエローーブルー

このカラーバランスをいじれる点が著しく大きい。

フォトショップには、いわゆるサブスク版と呼ばれる機能がフルに使えるものと、エレメンツと呼ばれる簡易版が存在するが、その違いの中で大きく取り上げられるのが、このCYM(シアンマゼンダイエロー)をいじれるか否かだ。

いじれることのメリットは、印刷時のインクがCYMであるから、と言うのが広く言われていて、「どのみちデジタルでしか見ないし」と言う人にはあまり意味を成さないと思われるかも知れないが、

 さにあらず。

 このCYMのスライダーは、「色その物を変化させることが出来る」。

そんなの「色相」いじればいいじゃん、と考えるかも知れないが、色相とカラーバランスだと、調整出来る精度が全然違うのだ。わかりやすく言えば、3つのスライダーで調整するのと、ひとつのスライダーで調整するのの違い。具体例を挙げるなら、

 もう少しプラモをオレンジ掛かった色にして、爆発の照り返しを再現したい

みたいなときや、「白やグレー、黒」など、「そもそも色相が無い物」の色味をいじりたい時に強力なカードになる。
※万能ではないけど

デジラマのキモは、いかに背景と馴染んでいるか。背景に対して自然であるかだが、CYMのスライダーはその心臓部と言っても過言ではない。

 が、とりあえず一番最初にやるのは、

・明るさ、コントラスト補正

これは僕もまだ手探りな部分なのだけど、フォトショには「明度」という補正が別にある。明るさと明度がどう違うのか。そもそもなぜ「明るさはコントラストとセット」で、「明度、彩度、色相とセット」なのか。

 ぶっちゃけ同じかも知れないけど、手探りながら「明度より明るさの方が、望んだ結果に近づけやすい気がする」。それはコントラストと明るさを同時に微調整することの意味が大きいから。

基本は「明るさ」は背景の明るさに寄せる為に調整し、「コントラスト」は、質感や空気感を寄せる為に調整する感じ。スゲェプロっぽいわかりづらいことを言い始めているが、

単純にコントラストを下げると言うことは、メリハリが減る。メリハリが減るのは、つまり被写体と自分の間に不純物がより多く交じると言うこと。それは霧かも知れないし、距離かも知れないし、光かも、水かも知れない。また、金属のような硬質感もコントラストを高めることで「寄せられなくもない」。ただ、コントラストは同時に「目立つ」という枷を負う。背景に溶け込ませたい、でも金属部分だけ目立たせたいというのは、二律背反な要求なのだ。

 だが、どこかに一番いい着地があるのも事実。それを探す。

時にはスライダーではなく、カーソルキーで1ポイントずつ増減させて、「ここかっ!」というベストポイントを探る。明るさもしかり。

 その上で、前述のカラーバランスをいじったり、、、↓。

・彩度をいじったり

ぶっちゃけこれは「かっこよく見せるため」「兵器っぽく見せるため」の調整。彩度を下げる、つまり鮮やかな赤や青が、ワインレッドやネイビーブルーのような渋い色に寄せられる。ただ、

 プラ地の半透明な感じはなかなか消せない。

僕が全塗装にこだわるのはそのため。とにかくプラっぽい色は、それが本当にプラ地でなくても、具体的に言えばトップコートで光沢が抑えられていたとしても、

 生半可な補正技術では抑え込むことが出来ないのだ。

・・・

色調補正関連はざっとこんな感じ。で、ここから微調整。

・レイヤーをCTRLを押しながら右クリックでトリミングされた部分を選択。グラデーションツールを「黒と透明」にし、不透明度を30%くらいまで落として、足元から膝上くらいまでを目安に「暗くする」。また逆に「白と透明」にして頭の上から胸元くらいまで「明るくしたりする」。

全体の補正ではなく、部分的な明暗を付ける。簡単な割に効果が高いけど、簡単故に手抜き感が出てしまわないか心配にはなる。

・爆発とかの照り返しや、強めの明暗を付けたい場合は、直接作品を部分的にトリミングし、境界線を強めにぼかしたりしつつカラーバランスや明暗コントラストをいじったりする。照り返しは手間の割に効果が高く、部分的な明暗は手間の割に効果が低い。

・フィルターで粒状感、ぼかし、バーニアの陽炎は「海の波紋」を使ったりする。昔のフォトショなので、「4Kの画像を使う前提になってない」分、波紋の密度が細かくなりすぎるきらいはあるけど。

ぼかしは、前提として「順番を守る」。手前に一体、真ん中に一体、そして奥は背景という順番だった場合、真ん中だけぼやけてるのはおかしい。

移動ぼかし(ブラー)もたまに使うけど、ぶっちゃけ思ったほど効果的にぼけてくれない。やり方がおかしいかも。

これらぼかし系のフィルターは、「プラモのピンボケとは全く意味が違う」。ぼやけてるのは「ミニチュア感が出る」が、ぼけているのは「臨場感が出る」。似て非なるものだ。

・影

この影はプラモの中の陰影ではなく、主に地面に落ちる影のこと。背景レイヤーを複製したのは主にこれを作る為。

最初にプラモを撮影した際に「リアルな影」も手に入れることが出来ていた場合は、その形をトリミングして背景にコピー。選択範囲だけを活かしつつ、明るさを-50くらいに落とす。これは周りとの兼ね合いで微調整。

もし元画像の影が使えない、もしくはほとんど見えなかった場合は、光源を多少意識しつつ足の下にそれっぽく範囲選択をする。

5~10ポイントほど境界線をぼかし、同じように明るさを下げる。このとき、

 明るさを下げた地面より、プラモの方が明るい、もしくは境目が明るく悪目立ちする場合は、その部分を「暗く塗りつぶしたり消しゴムで消しちゃったりする」。結構強引ではあるけど、「目立たなければ気付かれない」。

さらに、影が「薄れて行くところ」を半透明の消しゴムで何度かなでて薄くする。このとき、「下のレイヤーに全く同じ背景が無いと、その部分に穴が空く」。逆に言えば、複製さえしておけば、この「影を薄くする」という作業が可能になる。とても重要なコツだ。

ちなみに、スマホアプリでこの影の部分をきっちりやるのはとても難しいらしく、キレイにやる方法はもしかしたら無いかも知れない。そこがPCを使える強みにもなる。

・・・

これらが概ねフォトショ7.0で出来る作業になる。続いて、エレメンツの作業の話はまた次回。

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