スティーブジョブズのいまわの際の言葉
正確には全く覚えてないが、要は死ぬ間際に、
十分な地位とお金を手に入れたけど、生きて行くのに十分な蓄えが出来た時点で、もっと大切なことに時間を使い始めればよかった。愛する人たちともっとずっと一緒に居れば良かった。笑いあえば良かった。
みたいな内容だったと思う。インスタに上がっていた。
結構思う事があった。
まず、「残りの人生を生きて行くのに必要十分な蓄えが出来た時点」というのは、「あなたの話でしょ」ということ。世の中のどれほどの人が「その時点を迎えることが出来るのか」と。何歳で死ぬにしても、
※ジョブズは56歳で他界
余生を遊んで(もしくは思い通りに)暮らせるだけの蓄えを「手に入れた」と確信し、それまでやっていた仕事を事実上放棄することができる人が、
それほどたくさんいるとは思えない。
それは責任かも知れないし、マンパワーや知識的なことかも知れない。ただ、誰もが誰も生活にゆとりがあるわけじゃないし、辞めたいからと言ってすぐ辞められる人ばかりじゃない。
僕はジョブズが好きじゃない。と言うか、アップルが基本的に好きじゃないし、もっと言えば、
ジョブズよりゲイツの方が好きだ。
もちろん僕の知識など拙いものだし、勘違いや誤解も十分あり得る。でも僕の知る限り、ゲイツは若い頃死ぬほど働いていて、ある意味ずる賢さも発揮しつつ大金持ちになった。
ゲイツは大金持ちになった印象があるのに、ジョブズは天才という印象が強いのは何でなんだろ。
それはともかく、ゲイツはあるとき自分の立場をバッサリと後任に任せ、あとは自分の好きに生き始めたように思う。
まさにジョブズがやりたかったであろうことをゲイツはやった。
ジョブズはゲイツに自分たちの持っていた知的資産を奪われて、Windowsに辛酸をなめさせられた。だからゲイツのことを強く憎んでいた(もしくは嫌っていた)みたいな話を何度も見た。
ジョブズは人を羨んで、そして死んでいった男だったのか。
そんな人生はまっぴらだ。でも僕は別に余生を遊んで暮らせる財産はない。日々仕事をしないと明日も知れない程度の安月給だ。
でも、「では明日から仕事をしなくても今の暮らしを維持してあげる」と言われたら仕事を辞めるかと言われたら、答えはNOだ。
仕事は仕事として、歩いて、話して、生きている。
僕は子供の頃から「孤独に強い」人間だったと思う。ひとりぼっちでも特に寂しさや切なさに苛まれまくったことが無い。
※一度あったけど、それすら客観視してテキストにまとめるような男だった
でも、だからと言って孤独が好きとか、ひとりの時間が不可欠というわけでもない。よくテレビで結婚しない芸能人が「私はひとりの時間が絶対要るタイプなんで」みたいな話を見聞きするけど、ひとりならひとりで、みんなとならみんなとで楽しい事をすればいいと思うだけだ。
ただ、もし仕事が無くなったら、自分は本当に動かなくなってブクブクと太っていくだろうと思う。つまり、
余生はもっと短くなると思う。
仕事をし続けることで、自分のしたいことを犠牲にしたと後悔したジョブズ。でも「仕事をし続けることで自分のしたいことをし続けられる」可能性だってあると思う。
56歳は間違いなく短命だ。僕がその寿命だとしたらあと4年ほどしかない。でも僕の祖父は54歳で他界している。可能性はゼロじゃない。
もちろん覚悟もない。
覚悟は無いが、もし僕が56歳で死ぬとしたら、僕はたぶんジョブズのような言葉は残さないし、残せない。働かなくても生きていけるだけの蓄えもないし、そこまで愛情を注ぎたい相手も居ない。
・・・
僕の強さは、僕の子供の頃の賢さが裏付けになっていたと思う。理解出来れば、理由がわかれば、歩み寄ることも、距離を取ることも出来る。僕は僕の父親と仲が悪かった記憶が無い。だがしかし、中学以降一緒に遊んだ記憶も無い。父親というのはそう言うものだと僕は僕の経験から学び、そしてそれを自分が父親になってからも概ね実践している。
子供達を愛していないわけじゃないけど、親離れが早かった僕は、子離れも早かったと思う。
いまわの際に、一切の後悔がないと言う人は少ないだろう。56歳と言う若さならなおのことだ。だがしかし、それがたとえ夢物語であったとしても、僕は死に際に後悔を口にして死にたくはない。特にああすれば良かったとか、あんなことしなければ良かったと言う後悔はしたくない。
※空飛ぶ車が見たかったとか、時間旅行や宇宙旅行に行きたかったという「未来的な希望」が叶わない後悔なら、まぁ仕方ないかとも思うけど
そう言う意味でば、少なくとも今の僕はジョブズより幸せな人生を送っていると、少なくとも僕自身は思える。
余談だけど、ジョブズの写真はあまり笑顔の印象がない。でもゲイツの写真は笑顔の印象しかない。その差は凄く大きなことだと思う。
死に際の笑顔のために、今何をするのが正解なのか、それが大事だ。
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