シン・ウルトラマン~その2~
どうしても書き足りないことが思い浮かんでくるので、完全ネタバレでテキトーに書く。ネタバレなので、見る予定があってまだ見てない人や、ネタバレの話が嫌いな人、ウルトラマンが死ぬほど好きで、一ミリも悪口は許さないと言う人は読まないように。
基本は好意的だけど、何が地雷かわからないし。
順不同で思い浮かぶままに書いて行く。大した量じゃないと思うけど。
●OPで「東宝映画作品」みたいなロゴが出て、このロゴが昔のゴジラ映画と同じだな~と思った。ずっと東宝の作品に出続けたロゴじゃないだろうけど、こういうところはこだわりたいんだろうな。
そのあとのシン・ウルトラマンのロゴや、その際に流れるBGMも、たぶんウルトラQとかをリスペクトしたもの。てか最近の、いや、平成以降のゴジラ映画では、かなりロゴの表示がCGとか使って凝ってるのが普通だったのだけど、
スゲェシンプル。
まるで昭和特撮のような表示のされ方だった。ともすれば、
フィルムで撮られた際に混じる「糸くず」みたいなものまで入っていそうなレベル。
糸だけに意図的に!
失敬。
●「庵野監督」の作品だと思い込んで見てた
最後のスタッフロールで「監督樋口しんじ<漢字出すのが面倒」と表示されるまでずっと。でもって、
今でもこれが庵野監督の作品だと思っている。
総監修という肩書きが何をするのかわからないし、副監督や助監督、あともう一個マサユキさんが別の監督職としてロールに出てたけど、
5人も監督居てそれぞれが何をしてるかなんて、わかるはずもない。
ただ、漠然と見ていて思うのは、
庵野監督っぽいな
と言うこと。樋口監督の作品もいくつか当然見ているのだけど、「作家性」という意味では、特に樋口監督っぽさを感じ無い。もちろんマサユキ監督っぽさも感じ無い。感じるのは、
庵野監督のこだわり、つまり変質的な特撮愛、ウルトラマン愛だけだ。
全編通して、
・スゲェ電線や電柱が出る
・ウルトラマンの変身シーンが結構な回数出る
・人間目線、つまりウルトラマンや怪獣が巨大に見える視点のカットが多い
・山本耕史が、くどいほど「ウルトラマン」という言葉を口にする。「ウルトラマンの映画」を撮ってることを自らに誇ってるかの如く
・本人がウルトラマンに関して「好きなところ」「余り好きでもないところ」があるとしたら、好きなのはやはり戦っているところで、変身するところで、怪獣が暴れまわるところで、、、と思ってるのが凄く伝わるほどに、
出し惜しみがない。
とにかく最初にウルトラマンが出て来るまでの、言わば導入、プロローグ的なパートの「駆け足度合い」は、ゴジラと比較したら「体感10分の1以下」、いや、むしろ、
最初1分で「それまでのダイジェスト」のように科特隊の「ウルトラマン抜きの活躍」をまとめてる感じ。
これは、直前に見た庵野秀明展で流れていた、庵野監督本人が主人公(ウルトラマン?)を演じた自主制作特撮と凄く被る。
見ていて、一瞬「(ウルトラマンって)庵野監督?」と既視感に苛まれるレベルだ。
●ウルトラマンと言えば
ウルトラマンと言えば何だ!?ウルトラマンと言えば、
・あのレッドバックの変身シーンと、逆回しで戻るシーン
・まっすぐ両手を伸ばした「ミニチュアにしか見えない」飛行スタイル
・ボールペンを大きくした変身装置
・メフィラス星人などの人型宇宙人と、巨大怪獣
てか今思ったけど、「バルタン星人」が出てこなかったのは続編に出す為の切り札として取っておきたかったからなのかも!?
・スペシウム光線※この表現も非常にレトロタッチで、下手したら当時の映像をスキャンしてクリーンナップしたものを使ってるのかもって思った
・八つ裂き光輪※今回は巨大にして分裂するヤツまで披露してくれたけど、残念ながらそれ自体は見せ場にならなかった
・ゾフィー※最初「ゾーフィ」って発音しててスゲェ違和感があった。てか途中から「ゾフィ」に変わったのもさらに変。「ゾーフィ」なら「ゾーフィ」で最後まで通してくれよ
・科特隊のジェットビートルとか※これ出現しなかったな~。出てても全然不思議はなかったというか、むしろなんで出さなかったんだろ。確かに「科特隊が自衛隊の一部」であるというリアリティを消してしまうとは思うけど、、、でもある種子供向けのカットも少なくなかったと思うわけで、誰か答えを知ってる人居ないかな。
・ゼットン※めちゃ強いと言う存在感がちゃんと活かされていて、デザイン的にも面白かった。あの変形シーンはもっかい見たくなるな~
・にせウルトラマン※目尻がもうちょっと尖ってて欲しかった!これは凄くそう思った。一応少しは違う感じがしたけど、この程度だとちょっと物足りない
・カラータイマー※これはつまり「モノクロからカラー作品に」変わったからこそ、それをわかりやすく子供達にアピールする為のアイコン=象徴だったのだけど、当然その必要はない(僕らはみんなカラー世代だから)。でもどこかに「制限時間」という緊張感を残したい都合や、
一回の戦闘を短くしてテンポよく複数の戦闘シーンを盛り込む為にも必要なファクターだった
って思った。よく体表の赤いラインの部分を変色させるって閃いたもんだ。てか、
なんでゾフィは最初から緑なのか。
ウルトラマンも最初は「ほぼ全身銀色」だったと思うけど、、、個人的に本作で一番の疑問がこれだ。
なぜゾフィのラインは緑だったのか。銀や赤じゃない理由がわからない。
赤なのは地球人と融合したから?てかそもそも最初からウルトラマンは緑だった?僕が覚えてないだけ?うーむ。
・ザラブ星人の演出に見られる「暗い部屋」は、むしろウルトラセブンのテイストを感じた。これもまたウルトラマンの一端か
・・・
まぁ僕はそんなにウルトラマンに詳しくないからさ。
●他に思ったこととか
・最初に出てきた怪獣たちに共通点が「必要だった理由」がよくわからない。ザラブ星人が召喚したのかメフィラス星人が召喚したのかあんま覚えてないけど、共通点があるからなんだって思った。無くても良くない?別にゴジラとジラースの関係なわけでもないし。
・メフィラス星人の名刺が「メフィラス」とカタカナだったのは愉快で狙い通りだったと思うけど、その上に書かれてた肩書きを忘れちゃったのが悔やまれる。てか海外で放映するときはこれがアルファベットになるんだろうけど、「カタカナ表記の味わい」は無いだろうな~。日本人で良かった。
・メフィラスがゾフィを怖れてたのは凄く良かった。あの僅かなシーケンスだけで「ゾフィの強さ」が感じられた。またメフィラスとウルトラマンがほぼ対等に戦ったことも、結果ウルトラマンよりゾフィの方が強いことのアピールに繋がった。上手いのう。
・メフィラスとザラブ星人のデザインが秀逸。どちらも元のデザインを感じさせつつ、使徒のエッセンスを織り込んでいて、それでも「使徒過ぎない」さじ加減に気を配っていたと思う。具体的には手が伸びたり、ATフィールドを展開したりしないところとか。
・コンビナートっぽいところの戦闘は、「ありがたかった」。なぜか。デジラマで素材を用意しやすいから!
・キラキラしてるウルトラマンの表面がキレイで良かった。「ゴム!」って感じは、どうしても安っぽくて「宇宙人というより着ぐるみ」って雰囲気になってしまう。あれをなめらかなカツオの表面のような銀色にしたのは、メチャ正解だったと思う。
・長澤まさみを掴んだのは、ニセじゃない方のウルトラマンかと思った。そもそも殺そうと思えばすぐ殺せるだろうから、「そっと握って破壊から救った」のかと。あそこ違和感あったな~。
・「巨大まさみ」のネットのいじり方もよかったけど、やっぱパンチラが欲しかったところ!
・カウントダウンの演出は面白かったけど、正直「どのタイミングで何をしようとしてるのか」がよくわからなかった。Bなんとかを二回使うとどうしてどうなるのか、みたいなのが完全に煙に巻かれた。理解力がある人はわかったんだろうか。
・ウルトラマンってコーヒー飲むんだって思った
・ウルトラマンって「ハヤタ」じゃないんだって思った
・神永の人格って少しも残ってなかったの?
・西島隊長が総じてイケメン
・ラーメン大好き小泉さんが既婚者の設定って要る?
・斎藤工くん、撮影当時38歳くらいだったと思うけど、全然しっくり。イケメンはオッサンになってもイケメンだ
・でもむしろ長澤まさみの方が遙かに印象が強かった
・もうちょっと色気のあるシーンが欲しかった。ラブを臭わせるような、、
・OPの円谷のロゴがかっこいい※見たのは初めてじゃないけど
・・・
前回も書いたけど、全体的にゴジラよりエヴァっぽさが僕には感じられた。澱むところが少なく、名作のリメイクと言う意味では、「スタートレック」のような、「ファイナルファンタジー7」のような満足感があった。見所も多くてホント面白かったな~。
来週はトップガン、その翌週はククルスドアン。なかなかにオッサンキラーな2022年初夏だわ。
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