K2
「K2」といきなり言われて、それが何なのかピンと来る人はそう多くはないと思う。てか、他のK2もありそうだし。
ちなみに僕が何の前フリもなく「K2」と言われたら、瞬間思い浮かんだのは、「怪人20面相」。
そりゃK20か。
※金城武の映画
K2とは、世界で2番目に高い山の名前。
なんでその話をするのかというと、デジラマを作ってる時に出てきた背景で、「ちょっとイイ感じだな」と使った山の写真。せっかくだからその山も場所情報として書き加えようと思って調べて出てきたのが、
K2
山の名前と言えば、エベレスト、マッキンリー、キリマンジャロ、マッターホルン、そして富士山くらいがメジャーどころだと思うのだけど、逆に言えばそれ以外はほとんど知らない。「雨降らし山」は未知との遭遇に出てきたけど、特に高い山ってわけでもないだろうし。
で、そんな世界で2番目に高いのになんでそんなに知らないのか、そもそも「2」と言う数字が名前に入ってる山というのも珍しい。「なんの2」なのか「なんのK」なのか。僕でなくともちょっとくらいは興味が沸く人も居るかも知れない。
K2とは、カラコルム山脈の2番目に計測?した山で、パキスタンと中国の境目にある。で、それだけなら特に「取り上げる理由」としてはさほど強くもないのだけど、、
ウィキペ読んで見て結構ビックリ。この山、結構凄い。
世界一がエベレストなのに対して、2番なのにこれほどまでに「知らない」のはなぜか。
そもそも世間に知られたタイミングが遅い。
そして、
凶悪なまでに登頂難度が高い。
僕の拙い知識では、山と言えば高ければ高いほど登るのが大変という感じで、高い山は酸素も薄くなるだろうし、
世界一高いエベレスト=世界一登るのが難しい
と考えがちだったのだけど、
さにあらず。
季節で言えば最も登頂が難しいのが冬。その「K2の冬山登頂」が、世界で初めて達成されたのはいつ頃だと思う?世界一難しい山の一年で一番難しい季節の登頂。
なんと去年2021年の話!
それまでは誰ひとりとして冬のK2に登頂成功した人は居なかったんだって!
例えば、僕のように「オフラインでウィキペディアを使う」人が、2015年くらいのデータで調べても、「冬のK2は未だ誰も登頂に成功してない」ということになるのだ。
さらに、エベレストの登頂者が合計で5000人を超える中、
K2の登頂者は、わずか300人ほど。
さらに驚くのが、300人しか登頂に成功してないのに、
死んでるのが80人以上!
笑い事ではないけど、
簡単に人が死ぬ山、ある意味「本当の魔物が棲む山」なのだ。
特に難所と知られるポイントでは、一度滑落したら「900m」真っ逆さまで、「
絶対助からないし、助けにも行けないし、死体を回収も出来ない」だとか、
無事登頂しても下山途中で死んだりとか。
※それも少なくない人数が
なのになんでみんなそんな命のリスクを掛けて、人によっては何度も何度も挑戦して登頂したりする。
目の前で友人が死んで、そのアタックを諦めても、何年か越し、何回目か越しで登頂に成功したりする。
4人で使う物資は「2.2トン」にも及ぶと言う。当然ひとり当たり550kgを持って登ることなど出来るわけがない。
何十人ものチームを組んで、ちょっとずつ運んではちょっとずつ進む。何ヶ月がかりなのか、何年がかりなのか。
そしてそれらの多くは「ゴミとして山に放置してくる」。
そら山もゴミだらけになるわけだ。
と思いつつ、それでも「300人しか登頂に成功してない山」なのだ。5000人登ってるエベレストよりはゴミは少ないだろうな、なんてことを思ったりもしてしまう。
パッと見は決してそれほど険しい山には見えない。スケール感が掴めてないだけとも言えるけど、上高地っぽいと言えば上高地っぽい。マッターホルンのような剣が峰ではなく、割と緩やかに見える尾根。
でも実際は全然死ねる「非情の山」だ。
※書籍より
女性の登頂者5人のうち3人が下山中に死んでるとか、雪崩で11人が遭難死とか。
初の登頂は1954年。でも面白いのは、エベレストの初登頂も1953年とほとんど変わらないタイミングだということ。
そこからメキメキ差が開いていったんだな~。やっぱ「世界一高い山」という肩書きは大きいってことかな。
※エベレストは8850m。K2は8611mそんなに大きな違いがあるわけじゃないのに
題材にした映画とかも見たくなるけど、実際にはそれほど僕らの目に届くことは少ない。
知ってたのは「バーティカルリミット」だけ。てかそんな怖ろしい山が舞台の映画だったとは、見た時は全然知らなかった。なんかあらためて見直したくなったわ。
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