ガタカ
1997年の洋画。相当前から伊集院のラジオを通じて知っていて、かなり面白そうな映画だとは思っていたのだけど、たまに伊集院と映画の好みがズレることもあって、あと主演のイーサン・ホークがそこまで好きな俳優じゃなかったこともあって、結局今日までスルーしてきてしまった。
ではなぜいきなり見る気になったかと言えば、
何となく。
何か映画が見たくなって、洋画ジャンルでUNEXTをツラツラーっと探してた時に目に入ってきたから。
監督のアンドリュー・ニコルは、ウィキペを見たら、、、
・TIME
・ザ・ホスト美しき侵略者
の監督だった。TIMEは篠田麻里子がヒロインの声優をやっていて、
その素人臭さが大変愉快だったSF
てか話自体かなり面白かったけど、麻里子様の演技の方が印象に強すぎた。
ザ・ホストは、タイトルだけ見るとエロ臭強めだけど、決してそんなことはなく、かなりマジメな、これもSF。つまり、
SFが得意な監督。
それももしかしたらこのガタカ(処女作)の実績が大きかったからかも知れない。
「ガタカ」とは、近未来、太陽系内の惑星に探査、調査を目的としてロケットを飛ばす(たぶん)民間企業の名前。別に深い意味はない。「コンドウ」でも「パペポ」でも良かった程度だ。
この時代では、白人や黒人、日本人やアメリカ人などの人種的な差別は無くなっていたが、代わりに人の優劣は、
遺伝子によって決定づけられるようになっていた。
将来的にガンになりそうとか、視力が悪くなる、心臓病になる、背が伸びないとかもそうだろうし、寿命までもが生まれて直後の検査によって調べられ、決定づけられる。その検査結果は生涯つきまとい、選べる仕事だけでなく、「人間そのものの価値」までもが決められてしまう。
ヴィンセントは長男として生まれたが、この時代に当然のように行われていた「遺伝子操作した出産」ではなく、普通分娩での出産を選ばれ、
言わば「不適正」の肩書きを持って生まれ出てしまった。
そして、2年後生まれる弟は、「普通に遺伝子操作をされて生まれ」、例えば10歳になる頃には弟の身長が兄を超え、ちょっとした力比べですらほとんど弟に勝てないようになっていた。
未来はこのまま決まってしまうのか。
ヴィンセントには夢があった。こんな地球を抜け出して、宇宙飛行士となることだ。
しかし当然不適正の烙印は消えない。どれほど努力しても、毎日のように行われる検査によって、すぐさま発覚してしまう。それこそガタカの入り口には小さな針を指先に刺して血液からDNAを採取し、それが本人のものであることを証明しなければならないほどに。
それでもいつの世にも抜け道はあり、「全く違う別の人間」になることが出来るチャンスを得る。スポーツ選手として未来を約束されていたジェローム(ジュード・ロウ)が、不慮の事故で下半身不随になってしまう。ヴィンセントは彼を養い支える代わりに、彼から血液、指紋、採尿ほか、全ての遺伝子チェックを抜けるための支援を受ける。
心臓病で30歳まで生きられないと診断されたヴィンセントだったが、それを自らの努力と精神力で覆し、ついに「ジェロームとして」土星の衛星タイタンに行くチャンスを得る。
ちなみにヒロインはユマ・サーマン。彼女と言えばキルビルだが、キルビルは2003年。僕が好きなペイチェックもその頃で、それ以降はそこまで(僕的に、だけど)パッとした作品に出ていない。
1997年当時はここまで美人だったのか!
って感じ。さらに言えば、今作をきっかけに主演のイーサン・ホークと結婚して子供ももうけるものの、離婚しているらしい。てか1990年にはゲイリー・オールドマンとも結婚して離婚してる、まぁ恋多き女性だ。
一方イーサン・ホークは、名前も顔も繋がる俳優なのに、今ウィキペを見ても何一つ印象に残る映画がなかった不思議な感じ。てか今見たら同い年だった。ま、関係ないけど。てか「イーサン・ホーク」は、ミッションインポッシブルの「イーサン・ハント」に凄く印象が被る名前だからそこで覚えちゃったのかも。
彼の名前と顔が一致する頃には、むしろトム・クルーズ(≒イーサン・ハント)と比べてしまってやや微妙な印象を抱いていたのだけど、
いやいやどうして、今作ではかなりイイ感じのイケメンだった。
劇中では、ジェロームの身長に5cm足りないと言うことで激痛を伴う手術をするシーンがあるのだけど、実際の身長はイーサンが179cmでユマ・サーマンが180cm。なので見ていて、
時々二人の背格好のバランスが崩れるのがちょっと気になった。
※ユマの身長が凄く高いのを覚えていたので、「185cm」と言う彼女より少し高い設定に引っかかっちゃったんだよね
ちなみにイーサンが化ける相手のジュード・ロウの身長は178.5cmで、もしリアルに成り代わる」なら、そんな痛い手術をする必要は全然ない身長差だったりした。まぁ蛇足だけど。
・・・
まず本題として、この映画が僕にとって良かったか悪かったか、楽しかったかつまらなかったか。ズバリ、
相当良かった!
クリス評価は★★★☆。8点と迷ったけど、見ていてかなり「揺さぶられすぎた」かな、と。
そもそもが早死にすると「認定されてる」男が、「偽って」多くの人間が関わる宇宙飛行士になろうとしてるわけで、動機や志がいくら高くても、いざという時にトラブルの種になりうるし、それによって、もしかしたら他のメンバーの命を危険に晒すかも知れない。
だから、彼は「宇宙飛行士になるべきじゃない」「なれない」んだろうと思いながらずっと見て行くことになり、それはつまり、
バッドエンドでしかないと言う「呪縛」に囚われ続けることになる。
それが結構ストレスで、気持ち良く映画を楽しめることを阻害してしまった。
でも、クライマックスの展開はそれらを含めてかなり強いカタルシスがあり、見終わったあとの満足感はかなり高かった。言い換えれば、
全編通して大満足の展開ではなかったけど、ラストで評価を3点くらい上げる締め方だった。
雰囲気としては、僕の好きな「13F」にかなり似てたと思う。あと、成り代わると言う意味でユアン・マクレガーの「アイランド」も思い出した。
SFらしいSFで、イケメンと美女がガッツリ出て、話も面白く、そこまでコストを掛けてないっぽい作りの割に、「スゲェ上手く作ったな~」そんな佳作だったな。
見て良かったし、映画がそこそこ好きな人になら手放しでオススメ出来る。
てか振り返ってみれば、いかにも嫌なヤツが出てきそうな設定と展開なのに、結局誰も嫌なヤツじゃなくて、その点が相当良かったな。
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