イミテーションゲーム
以前「アルキメデスの大戦」を見たときに、そう言えばカンバーバッチが似たのをやってたな、と思い、でもずっと忘れてたのを思い出して視聴。何が基準かわからないけど、こういうのは見放題に入ってることが多い。
1940年頃のドイツとイギリスの戦争を舞台に、ドイツの暗号「エニグマ」を天才数学者が解読する話。
雰囲気的には、アルキメデスの大戦がこれをパクった(インスパイアされた)のかな、と思えるほど似ているけど、
※特に主人公のぶっきらぼうな物言いや性格、徐々に味方が増えていく展開とか
そこはさすがカンバーバッチ。大和無しでも撮れ高が高い。
大まかな流れは前述の通りなのだけど、細かな設定がいっぱいあって、それらがかなり丁寧にリンク。僕程度の突っ込みレベルでは、不自然さを指摘したくなるところは無かったと思う。
ただ、戦争というとても強くてシビアなテーマを扱っている分、軋轢や衝突は絶対的にあるし、ラノベのように最初から最後まで無双してってわけには当然いかない。
事実を元にして作られた映画とのことだけど、
カンバーバッチがやってる以上、事実とか無関係にエンターテイメントとして昇華されている。
ヒロインはキーラ・ナイトレイ。パイレーツオブカリビアンの頃はもっと煌びやかな美女だったと思うけど、今回は割と冴えない「目の下にクマがある」メイクが多かった。
クリス評価は★★★☆とかなり高いのだけど、その中の大きな理由として、
ヒューがかっこいい
「ヒュー」とは、主人公と共に「クリストファー」と名付けられたエニグマ解析用のコンピュータを開発したチームメイト。長身イケメンで、能力もプライドも高い。
彼がとにかくかっこいい!
キーラがヒロインとして、少なくとも「美女枠」「カワイコちゃん枠」としては機能してなかった部分を、ガッツリ彼が埋めてる感じ。考えてみればこの映画を見に行く人の大半が、
カンバーバッチ目当て
であることは、たぶん間違いないはず。彼が出ているからこそ、いや、彼をキャスティング出来たからこそ映画製作が実現したとしか思えない企画だったし、事実僕の娘も彼目当てで映画館に足を運んだ。
つまり、どちらかと言えば男性より女性にアピールするマーケティング
の作品であり、となれば、
ライバルの存在も非常に重要。
僕はゲイではないが、
※もちろんバイでもない
かっこいい男は大好きである。ショーン・コネリーやハリソン・フォードが嫌いな男はそんなに多く無いだろう。その延長だ。
このヒューは、ルックスも突き抜けてかっこいいけど、所作やセリフもとてもイカしてて、ちょっとクセがある主人公を絶妙に補填してた。
他にはキングスマンでイイ感じの脇役だったマーク・ストロングや、小柄なハゲだけどメチャ好印象で、最近の007にも3作連続で出ているロリー・キニアなど、
キャストがとにかく素晴らしい映画だった。
VFX関連は多少使われてるくらいで、ある意味ハリウッドというよりイギリス映画という感じ。
※イギリス映画のなんたるかもよくわかってないけど
最初から最後まで気持ちいい映画ではないけど、何カ所かは見終わったあと「もっかい見たい!」と言うシーンもあり、7点は行き過ぎかも知れないけど6点は手堅くある。そんな映画だったわ。
・・・以下ネタバレ
時代背景を考えれば当然とも言えるし、見ていて(少なくとも僕は)すぐにわかったけど、
これがコンピュータの原型なんだな~
ってのがわかって、普段コンピュータの恩恵を大いに受けている自分としても、ちょっと嬉しかったりした。
特に、最終的にクリストファーがはじき出すのが「文字列」であり、当時はまだテレビモニターとも接続されていない時代。
※タイプライターで文字を打ってる時代
つまり、「人間が打たずに、機械に文字を出力させる」ためにはどうしたらいいか、という凄く初歩的な疑問の答えが、
円盤の外周上にアルファベット(もしかしたら数字もかも)がボリュームを、モーターで回転させ、「▽」で指されたものが「クリストファーがはじき出す一文字」。それを大量に用意して、文章を出力するような仕組み
としていた。
僕はコンピュータの構造や歴史にはとんと疎いけど、例えば人類が宇宙に行ったとき使ったコンピュータが、ファミコンよりも低性能であったことのように、
大きなことを成し遂げるのに必要なのは、新しい発想と情熱であり、決して時代を飛び越えるようなオーパーツではない。
そんなことを思った。
今こうして何気なく文字を打ち込んで、エクセルを使ったりしてるけど、その入り口には、
彼らが居たんだな、と。
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