ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム~その27~
あんまネタバレなし。
昨日と比べ、世界がいささか輝きを失って見えてしまうのは気のせいか。もうこの世界に、僕が達成する最大の目標はない。ラスボスしかり、最強の敵と思しき相手しかり。
もちろん僕が知らないだけで、もっと手強い相手が居るやも知れないけど。
それでも歩みは続ける。以前なら「止まらない」と書いていたであろうところが「続ける」と変わったことの意味は、そこそこ大きいと思う。ディアブロ4やドラクエXにシフトしてもいいし、適当なタイミングでシフトしないと、6/22に発売されるFF16にキリよく入れない。
だからこのままゼルダを続けてもいい。
クリアしたこともあって、ちょこちょこネットの感想や、僅かなネタバレを見たりもしている。つってもかなり僅かというか、前作もそうだったかもね、と言うものが多いけど、
楽しく遊んでる動画やコラムを読むのは、「共感と共有」を満たしてくれて、とても楽しい。
これもまたひとつのゼルダ、ゼルダの楽しさだと思う。
プレイヤー全員が楽しめるとは思わない。例えば初代ポケモンを思い返すなら、あの時あの内容の方が、楽しめる分母は圧倒的に多かったと思う。ゼルダは、
「ゲームに楽しませて貰う」つもりで遊ぶ人には、あんま向かない気がする。
自由度が高いこともあるけど、自分からメモを取ったり、自分で枠のやりくりをしたり、自分で考えて何かを作る、自分の力でマップを広げていく感じ。
「ゲームを楽しもう」と言う人の気持ちを思いっきり受け止める、そんなゲームだ。
ダラダラと経験値稼ぎをし続けたりしないし、脳死盲導犬プレイとは一線を画す。常に考えさせる。常に何かを探させる。求めさせる。そして、
見つかる。
「望めば叶う」。でも、「望まない人は叶わない」。遊ぼうと思わなければ始められない。もし遊びたいのに遊べない人が居たとしたら、それは本当にかわいそうだと思う。
長男や娘が、もし「遊びたいのに遊べない」というのなら、僕が本体やソフトを買ってあげる。
自分から前向きにゲームに向き合うことを求めてくる。昔はそれが当たり前で、いろんなことがわからず、いろんなことが初めてで、いろんな驚きと発見に満ちていた。
ゼビウスでソルを初めて見た人
マリオが土管に入ることを知らなかった人
ゼルダで岩が押せた瞬間
スペハリの衝撃、バーチャファイターのショック、ストIIのコミュニケーション、、、
自分から遊ぶこと、見つけることの楽しさ、面白さを、世界最高の舞台が応えてくれる。
「これを遊ばないなんて損」とは言わない。でも、「これが楽しめるのは超ラッキー」とは思う。この時代に生きていること、これを楽しめるだけの健康と余裕、必要十分なゲームの知識、、、。
僕は得てして「強さ」を志向するタイプのプレイヤーだ。叶うなら、まどろっこしいデモや会話より、武器や素材を集め続けていたい。
メインのストーリーを追わないと次のエリアに行けない。誰かと話さないとフラグが立たない。このムービーは飛ばせないし、さらにその意味も薄い。
このゼルダにはそう言うのがほとんど無い。
仲間を集めなくてもクリア出来てしまう。たぶんムチャクチャ上手ければ、そして知識が十分にあれば、最初のチュートリアルを抜けてそのままラスボスを倒せてしまうかも知れない。
普通に遊んだら100時間は掛かるであろう内容なのに。
会話が面倒ならしなくていい。そんな自由度すらこのゼルダは許容してくれる。クライマックスの展開ですら、
デモをスキップ出来てしまう。
凄いと思う。それこそが本当の自由だと思う。
前作は「減点法なら9点、加点法なら10点」の内容だった。つまり、冷静に振り返ると、結構ストレスフルなところもあったように思う。でも、今作は今のところ、
195時間以上プレイし、曲がりなりにもクリアした今のところ、
そう言うシーンが記憶にない。
僕の嫌いなスニーキングミッションもなく、手強くて投げ出したくなるような謎解きも強敵も居ない。もちろん前作をやっているからこその「慣れによる易しさ」の部分はあるだろうけど、
この世界は随分と居心地が良くなっている。
居心地がいいなら、
もうしばらく居続けても、何も問題はない。
ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダムは、
減点法でも加点法でも10点のゲームだ。
・・・
ティアーズオブザキングダムの変化は、「ストリートファイター」が「ストリートファイターII」になったような変化だと思う。パッと見は似てるけど、遊んでみると全然違う。
誰かと遊ぶこと、見ず知らずの誰かと戦うことは、とても能動的でエネルギーを使う。でも世界は一気に広がる。気持ちよく、快適で、楽しさの上限が果てしなく伸びていく感じ。ゼルダとストIIは全く違うゲームだけど、変化の大きさや楽しさのベクトルは、意外と似てると思う。
・・・
ネットにあったゲームサイトのコラムで、妙に点数が低いものがあった。別にアンチだと言うつもりはないけど、
あんま遊んでない人の感想だな
とは思った。もちろん合う合わないはあるから、合わないのに無理矢理少し遊んで否定的な感想を吐露することになっても、何ら不思議は無いのだけど、
惜しいことをしたね、
と。そして、
僕がそっち側じゃなくて本当に心底良かったよ、
と思った。
ふと気付くとメインテーマが脳内でリフレインしている。そんなに名曲だと意識したわけじゃないけど、
ゲームの音楽を記憶したのは、本当に久しぶり。
その点でも前作を超えていると思う。
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