インディジョーンズと運命のダイヤル
ちなみにタイトルはこれで正しい。「と」が入ってることに少なからぬ違和感を感じた。のは、タイトルロゴ表示が、
安っぽい合成で、かつ日本語表示だったから。
※吹き替えだからってここを日本語にする意味はないと思う。少なくともインディは。
→ピクサーやディズニーならやってもいいと思うけど
→考えてみればルーカスアーツはディズニー傘下だからこうなったのか
まぁ言いたいことがたくさんある映画だった。
とりあえずネタバレ無しでクリス評価を書くなら、
★★(4/10)
プラスもあるけどマイナスが目立つ、そんな映画だった。
ハリソン・フォードは、撮影当時79歳か80歳。1989年に公開された「最後の聖戦」時のショーン・コネリーが、撮影当時58歳だったことを鑑みると、
それはもうおじいちゃんで当然。てか、僕の父親も祖父もこれよりかなり早く他界してることを鑑みると、
よく撮ったなぁ
と言う感じ。ただ、見る前にこの年齢の情報を考慮してなかったので、映画的には、
めちゃ老けたなぁ
という感じが強かった。てか、冷静に考えて
80歳の人の演技じゃない。
もちろんそれは、ある意味では間違ってない。
かなりスタントやCGを大量投入してるんだろうな、という感じが散見された。
それは冒頭のシーンでも言える。
暗めのライティングで「粗(あら)」を隠してはいるものの、脳内のハリソンと比較して「若すぎる」ことに違和感を感じたし、実際どこまで本人がやってるのか甚だ怪しい手触り。結局のところ、
「誰発信」で立ち上がった企画なのか
って感じだった。トップガンマーヴェリックが、「トムがまだマーヴェリックとして活躍出来る映画」としてGOサインを出したのと対象的に、
ハリソンではない他の誰か
※僕の想像だとディズニーサイド
が、IPとして「まだあと1回は行ける、行って欲しい、行って貰わないと困る」という大人の事情で発動したのではないか、と。
見ていて感じたのは、ジョン・ウィリアムスのメインテーマの多用。確かに雰囲気を盛り上げる「ちょうどいいところ」で使われた部分も無くはない。でも、
そうじゃないところが8割。
使いすぎるとその価値はどんどん下がってしまうと言う当たり前のことが踏まえられてない感じ。
またこれも序盤に感じたのだけど、
スピルバーグじゃないな、、、と言う手触り。
正直前作クリスタルスカルの迷宮も、そこまで傑作という感じじゃなかったし、監督としてスピルバーグを盲信してるつもりは全くないのだけど、
どこか過去作におびえてるような?リスペクトと畏怖が入り交じったような絵作りと構成が多かった気がする。
監督のジェームズ・マンゴールドの作品で見たことがあるのは、トムのナイト&デイと、ウルヴァリンSAMURAI。ナイト&デイは相当楽しめたけど、ウルサムは結構微妙。てか、
ヒロインが甘い。
キャメロン・ディアスという強力な手札があったからナイト&デイは「行けた」んじゃないか、と思わずには居られない。
今回ヒロインが相当弱い。
ただ、凄く難しい配役だったとも思う。
インディはおじいちゃんで、前作のように「年相応のおばあちゃんをヒロインに」したのは失敗だったと思う。でも撮れ高が高い「ガッツリ美人」
※アンとかガル・ガドットとかレア・セドゥとか
を起用しちゃうと、「インディと恋に落ちないのに美人」という違和感が生まれてしまう。
かといって有色人種はバランスが悪いし、インディが動けない分をサポートする必要もある。
個人的にはマミーのソフィア・ブテラくらいオーラが欲しかったと思った。彼女ならインディと恋に落ちそうもないし、撮れ高も高そうだし。ただ、
身長が足りないか。あと年齢と「今どうなってるか」もわからないけど。
おじいちゃんを継続して主役にする難しさを痛感させられた感じかな。
※「エントラップメント」でコネリーとキャサリン・ゼタ・ジョーンズを恋仲にしたのは、僕的には大満足だったけど、結果ラジー賞の「最低カップル」になったりしたし
ところどころに過去作のオマージュが大量投入。
※ネタバレに入ります
・列車のシーンの既視感
・地図の上を飛行機が飛ぶ演出
・しょっちゅう帽子とムチをアップに
・子役投入
・ラストシーン
・カーチェイスシーンの既視感
・毒虫シーン
・飛行機内での乱戦
たぶんもっとあったと思う。
特に鮮度を感じたのは、ウミヘビのシーンくらい。でもこれもエフェクトというか、泡が多くて状況把握が曖昧。さらにゴツめの潜水服を着せてた分、
たぶんハリソンは全く潜ってない
誰が誰かもわからない感じだった。
今回のヒールはマッツ・ミケルセン。僕はマッツが結構好きなので、この点はニヤリ。てか、相応に歳取ってるはずなのだけど、
※調べたら撮影時57歳
インディと比べると相当若く撮られてたな。
前作からの流れで、シャイアも出るかと期待してたのだけど、ビックリ、
サクッと死んだことになってた。
さらにタイムパラドックスを題材にしていて、それを臭わせるシーンがあったから、てっきり最後で親子対面かと思いきや、
あっさりスルー。
まぁ「お父さんと子供」から「おじいちゃんとおっさん」にシフトしても、まともな絵は取れなかったんだろうけど。
※ハリソンとコネリーってわけにはいかないだろうし
てか、序盤にハリソンの着替えシーンが出て来るのだけど、
※おじいちゃんハリソン
ホントにやせ細っていて、「これってCGでミイラみたいにしてるの?それともホントに?」
って、要らぬ詮索をさせたのもイマイチだったかな。
・・・
それでも終盤のたたみ掛けはなかなか楽しかったので、最終評価は持ち直してこの点数という感じ。ただ、
なるほど7番スクリーンじゃないわけだ
とも思った。
※7番は東京リベンジャーズだった
初日のレイトショーで、お客さんは30人くらい。結構多い印象。
やっぱりインディには、
冒険と色恋と余裕
が欲しい。最後の聖戦まではしっかりあったのが、前作も今作もそれが無い。冒険は辛うじてあるけど、それだけがインディの魅力じゃない。
こないだ見返したナショナルトレジャーの一作目の方が、色恋がある分まだよかった。
いっぱいいっぱいのハリソンは、あんま見たくなかった
って感じなんだよな。それはハン・ソロの頃の魅力にも繋がるけど。
・・・
見て損したってことはないけど、いろいろ残念だったというのが正直なところ。あと、久々ってほど久々じゃなかったけど、
乱視が進んでて、序盤まともにスクリーンが見えなくて辛かった
これは映画が悪いわけじゃないけど、「そろそろ映画館で観るのも潮時かも」って思ったわ。
あ、あと、字幕だったらどうだったのかわからないけど、
ベートーベンの運命の「ジャジャジャジャーン」をセリフで言うシーンがあって、
何ともいたたまれない空気になった。
あれは、本当に要るのか?他の言葉じゃダメだったのか?って思ったわ。
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